普段自動車に乗っている方、自転車をよく使っている方、あるいは中型以上のバイクを乗っている方にでも原付はおすすめできます。なぜなら原付には原付ならではのメリットがあるからです。ここでは原付に関して詳しく解説し、原付におすすめのツーリングスポットなども紹介していきます。

原付ツーリングのメリット

まずは原付でツーリングをすることのメリットを紹介しましょう。

燃費が良い

第一に、燃費が良いです。
そのため日常的に使っても費用が大きな負担となることはありません。車種や乗り方によっても実際の燃費は変わってきますが、おおよそ6,70km/Lの燃費であるとされています。少なくとも50km/L、非常に燃費の良いものだと80km/Lほどの燃費を発揮するケースもあります。
大型バイクの場合だと相場は20~30km/Lとかなり差があります。
中型バイクでも40km/Lほどであるため、原付がいかに燃費の良い乗り物であるか、分かるかと思います。

収納が大きい

中型以上のバイクだと、ビッグスクーターでない限り収納スペースはほぼありません。しかし原付はスクータータイプが一般的であり、座席下の収納スペースがかなり広いという特徴を持ちます。ヘルメットも中に入れることができ、雨の日でも濡れる心配はありません。
また、原付であれば125cc以下のヘルメットでも乗れますし、そうするとヘルメットを入れたとしても工具や雨具など、その他アイテムを一緒に入れておくことも可能です。
メーター下にちょっとした収納スペースが設けられていることもありますので、車体は小さくても中型、大型のバイクより多くの収納ができるのです。

駐車がしやすい

車体が小さいため、ツーリングで出掛けた先で駐車がしやすいというメリットもあります。車体の小ささは、同時に小回りがきくという良さも兼ね備えます。駐車スペースが非常に狭いこともありますが、難なく移動できます。

立ちごけリスクが低い

中型や大型のバイクの場合、慣れるまでは立ちごけのリスクがあります。慣れた方でも地面の状態によっては立ちごけをすることがあります。
しかしながら原付で立ちごけをすることはほぼありません。比較的バランスが取りやすいですし、重量もあまりなく片足でも容易に支えられるからです。
立ちごけをしないことで車体に傷を付ける心配もなくなりますし、怪我をしたり、周囲に迷惑をかけることもなくなります。

原付ツーリングの注意点

上述の通り、原付ツーリングには様々なメリットがあります。しかし原付だからこその注意点もあります。

制限速度

まず挙げられるのは制限速度です。中型以上でも法定速度を守るのは当然ですが、原付の場合、速度が30km/hに限られています。そのため長距離を移動するには相当に時間がかかってしまいますし、その結果、実質的に走れる距離に限界が出てきてしまいます。
その他、30km/h以下で走行することで、車線変更や合流の場面で入りづらいという難点もあります。

2人乗りはできない

原付二種であれば2人乗りもできますが、よくある50㏄の原付では2人乗りができません。この点理解しておき、原付で2人乗りをしないように気を付けましょう。

高速道路に乗れない

原付だと高速道路に乗れないという問題もあります。ツーリングで長距離を移動しようと考えても、高速道路が使えないことから非常に時間がかかってしまうというケースもあります。
また高速道路でなくても、原付の走行が認められていない道路などがありますので、有料道路を走ろうとする場合には原付で走行可能かどうかよく確認しなければなりません。

2段階右折が必要

大きな交差点で右折する場合、2段階右折が必要なケースがあり、少し手間がかかることもあります。また、信号で待つ時間が伸びてしまいますので、この点少し煩わしく感じることもあるでしょう。

原付ツーリングに必要な持ち物

続いて原付でツーリングをする際、持っておかないといけない物、持っておくと良い物などを紹介していきます。

絶対に忘れてはいけないもの

まず、絶対に持っておかないといけないものは「免許証」と「ヘルメット」です。
免許証に関しては、免許を取得していないといけないという話ではなく、免許証を現実に携帯しないといけない、という意味です。これは他のバイクでも自動車でも同じことです。常に運転時には免許証を持たなければならず、これを守っていなければ行政上の処分を受けることになります。
ヘルメットに関しては、安全面に加え、法律で被ることが定められているため必須の持ち物となっています。原付だと半球型の手軽なタイプのヘルメットでも走行可能ですし、フルフェイスを被ことも可能です。いずれにしても、ヘルメットは必ず被らなくてはいけません。

グローブ

グローブは自身の体を守るために必要な物です。転倒をした場合には手を怪我しやすく、その際、何もグローブを付けていなければ大きな怪我を負ってしまいやすいからです。特にツーリング中だとすぐに手当てをできないケースもありますので、グローブをしっかり装着して、身の安全を確保するようにしましょう。
自分の気に入るグローブを買えば、単に安全のための道具としてではなく、気分を上げるためのアイテムとしても機能します。

ブーツ

ブーツに関しては安全確保の観点と、靴を傷つけないという目的があり、グローブと同じく気分を上げるためにも重要です。
スクータータイプだと足元にスペースがあり、そこに足を置くことができますのであまり関係ありませんが、ミッションタイプだとギアを変える際に靴が汚れたり傷ついたりします。専用のブーツであれば表面が強い素材ですのでその心配はなくなります。

レインウェア

ツーリングや、普段の出勤・通学においても重要なのがレインウェアの準備です。2輪は雨に打たれてしまうというデメリットを持ちますので、レインウェアの準備は欠かせません。収納に余裕があるなら常備していても良いでしょう。
特にツーリングで山道を走っている場合には突然天気が変わることもありますので、雨に備えてレインウェア、レインブーツなどを用意しておくべきです。
タオルも1枚持っておくと、雨の日はもちろん、様々な場面で活躍しますのでおすすめです。

原付ツーリングにおすすめの車種

ツーリングにおすすめの原付を紹介していきます。ツーリングと言っても距離や目的地などは様々ですので、ここで挙げる車種も、見た目や機能性など、色んな観点から紹介していきます。

ホンダ ジョルノ

まずはホンダの「ジョルノ」です。こちらの原付が特徴的なのはデザインです。丸みあるフォルムで、レトロな雰囲気もまとっています。女性にも人気で、充電に便利なソケットがあったり、メーターで時計も表示したり、機能面でも優れています。
見た目がおしゃれなため、街乗りが多い方におすすめです。

スズキ アドレスV50

続いてはスズキの「アドレスV50」です。こちらはスポーティなスタイリングで、力強さが特徴的です。必要十分な性能を備え、燃費も良いです。フルフェイスを収納することもできますし、本格的に乗り回したい方におすすめです。

ホンダ スーパーカブ50

ホンダの「スーパーカブ50」はミッションに近い感覚で運転できるのが特徴的です。見た目も一般的なスクータータイプとは全く異なり、個性を出すことができるでしょう。
昔から業務用などでもよく使われていますが、スタイリッシュなデザインなど、様々なバリエーションが出ており、おしゃれ感を求める方にもおすすめできます。

ヤマハ ジョグ

ヤマハの「ジョグ」はコスパの良さが特徴です。ヤマハのラインナップの中でも最も価格が低く、初めて原付を乗る方でも気軽に購入ができます。

ヤマハ E-Vino

ヤマハ「E-Vino」は電動バイクです。長距離ツーリングには向いていませんが、近場のスポットへちょっとしたツーリングをしたい、という方にはおすすめです。話題性もありますし、環境に配慮した車種でもあります。

原付ツーリングにおすすめの日帰りスポット

それでは最後に、原付でのツーリングにおすすめのスポットをいくつか紹介していきます。原付だと速度制限があったり高速道路に乗れなかったりするので、片道50㎞以内で行けるスポットを簡単に挙げていきます。

関東エリア

1:八王子駅→高尾山(片道約10㎞)→キャンプやBBQ
高尾山は観光地としても人気の山で、登山客が多いですがツーリングスポットとしても有名です。東京都心からもアクセスが良く、ツーリング初心者におすすめです。
周辺に陣馬街道など、信号があまりなく景色も良い道路がありますし、到着後は登山やBBQなどを楽しむこともできます。

2:晴海埠頭(都心数キロ以内)→夜景を楽しむ
晴海埠頭はクルーズ客船が寄港する場所で、国内外問わず大きく美しい客船が止まります。都心に位置し東京中心からすぐに到着でき、夜景スポットとして有名ですので、ナイトツーリングにおすすめです。

関西エリア

1:京都や大阪→奈良公園(片道30~40㎞)→若草山ドライブウェイや周辺を観光
奈良公園は観光スポットとして有名ですし、その徒歩圏内にある若草山は、若草山ドライブウェイから頂上に行くことも可能です。頂上からは奈良盆地のパノラマを楽しめますし、鹿にも出会えます。京都市内、大阪市内から出発しても30,40㎞ほどで到着できます。

2:三宮→六甲山(片道約25㎞)→アスレチックやレジャー
六甲山はロープウェイで行くこともできますが、三宮から車道を通って行っても25㎞ほどの道のりです。アスレチックや牧場など、様々なスポットがありますので、一日楽しむことができるでしょう。

中部エリア

1:名古屋市内→香嵐渓(片道約40㎞)→紅葉
香嵐渓は愛知県内でも屈指の紅葉スポットです。紅葉の時期にはぜひ一度足を運んでみましょう。道中には道の駅もあります。

2:四日市市→鈴鹿スカイライン(約35㎞)→鈴鹿サーキット(約40㎞)
名古屋とそう遠くない四日市市からは、鈴鹿スカイラインを通って鈴鹿サーキットへぐるっと回るツーリングルートもあります。トータル100㎞ほどになるため体力が必要ですが、本格的にツーリングを楽しみたい方におすすめです。

まとめ

原付は燃費が良く、扱いやすく、収納にも優れているなど、様々な良さを持っている乗り物です。ツーリングを楽しむこともできますし、おしゃれなものからかっこいいもの、機能性に優れたものなど、車種のバリエーションも豊富です。興味の湧いた方は、ぜひ原付ライフを楽しみましょう。