“今”電動バイクの波がきています。電動バイク後進国の日本でも、ついに電動バイク普及の兆しが見え始めているのです。すでに、海外では電動バイクが普及している国もあります。環境にやさしいだけでなくお財布にもやさしい、さらにメンテナンスフリーという魅力たっぷりの電動バイク。しかし、走行距離が短いという不安もあります。
実際、電動バイクってどうなのでしょうか?今回は知りたい電動バイクのアレコレについて、わかりやすく解説したいと思います。おすすめの電動バイクもピックアップしたので、よろしければ購入時に参考にしてくださいね。
目次
【バッテリーの役割】バッテリーが上がるとどうなるの?
バイクのトラブルで目立つのがバッテリー上がりではないでしょうか。突然、バイクがうんともすんともいわなくなった、エンジンをかけようとしてもかからないといったトラブルの原因がバッテリー上がりであることも珍しくはありません。
バッテリーの故障原因はいくつか考えられます。バッテリーそのものが不良品、バッテリーの充電に関わるパーツのレギュレーターの不良、発電に関わるジェネレーターの構成パーツであるステーターコイルの故障などがあげられます。
さらに、漏電がバッテリー上がりの原因になっていることもあるのです。バイク走行時のバッテリー上がりはとても危険なうえ、修理費もかかってしまいますので、対策をしておくことが欠かせません。
バイクのバッテリーの役割
バイクに搭載されているバッテリーの役割は「エンジンをかける」ことです。バッテリーを稼働させてセルモーターを回すことでエンジンが始動します。そのために必要なのが電力です。電力はバッテリーに蓄えられています。エンジン以外にも、ヘッドライトを点灯・点滅させたり、ホーンを鳴らしたりするのにバッテリーの電力が利用されています。
つまり、バイクの安全な走行にはバッテリーが不可欠です。
バイクのバッテリー上がりの症状
バイクに乗ろうとしたらエンジンがかからない…というとき、そもそもバッテリー上がりが原因なのか、それ以外のトラブルによるものなのか、なかなか判断がつきません。わかりやすいバッテリー上がりの症状で見分けましょう。
まず、二輪車用のバッテリーテスターでバイクの電圧を確認してみることをおすすめします。電圧がわかれば、症状の有無に限らず、バッテリー上がりかどうか判断しやすいです。正常値は直接測定した場合は約13V、アクセサリー線経由で測定した場合は約12.4V、アイドリングした状態での測定は約14Vが目安となります。ただし、測定時の気温には気を付けましょう。冷え込んでいると測定値が12Vを下回ることもあるのです。
二輪車用のバッテリーテスターはなく、電圧を測定できない場合は、以下の症状の有無から判断するようにしましょう。
・セルが回っているのにエンジン始動ができない
・セルを回してみてもカチカチと音がするだけ
・ライト類の光が弱い
・ホーンの音が弱い
バイクのエンジンをかけるにはセルモーターを回さなければいけません。セルモーターを回すために必要なのが電力です。セルモーターが回らないということは、電力を蓄えているバッテリーに異常がある=バッテリー上がりの可能性があります。
バイクのエンジントラブルがバッテリー上がりによるものかもしれないときは、まずバッテリーを充電しましょう。すぐに、バッテリーを充電できる状態でなければ、バイクの車種によっては、キックスタートをしてみるのも対処方法の一つです。ギア車であれば「押し掛け」をやってみるのもいいでしょう。キックも押し掛けもできないバイクは、バッテリージャンプでエンジン始動をしてみてください。
バッテリーの充電までしたのに、エンジンがかからない場合は、バイクショップでプロに見てもらうようにしましょう。
電動バイク
自動車に電動自動車があるように、バイクにも電動バイクがあります。電動自動車同様、ガソリンを給油するのではなく電気を充電することで稼働します。環境にも人にも優しいバイクですね。バッテリー・モーター・コントローラーのシンプルな構造なので、トラブルが起きにくく、安心してバイクに乗ることができるのも電気バイクの魅力ではないでしょうか。構造がシンプルなので、普通のバイクよりトラブルも少ないです。
ちなみに、電動バイクに搭載されているバッテリーは大容量のものです。電動バイク専用のバッテリーが搭載されているものもあります。
サイクリングシーズンになると、電動自転車の広告が増え始め、街中でも見かけるようになりますよね。
最近では、電動自転車の普及率も増加傾向にあるそう。しかし、まだまだ電動バイクは普及していません。速度が出ない、航続距離が短い、そもそも販売数が少ないうえ、道路交通法がどのように適用されるのかわからないといった理由が、普及の妨げになっているようです。そのため、近所の乗り回しには電動自転車が馴染みやすいのが現状です。
しかし、バイク業界には”今”電動バイクの波がきています。国内バイクメーカーから、EV電動バイクが続々と登場しているのです。日本郵政と言えば「郵政カブ」を思い浮かべるかもしれませんが、最近では郵便配達業務にホンダのBENLY e:が登場したことで話題にもなりましたね。
他にも、電動バイクブランドのXEAM(ジーム)から、新規車種が続々とラインナップされています。原付一種などの小型車両が中心ですが、お手頃価格で注目を集めています。
電動バイクの定格出力による区分
バイクは排気量によって区分されています。
排気量50ccまでは原付
排気量125cc~400ccは普通二輪
排気量400cc超は大型二輪に区分されます。
ですが、電動バイクには排気量がありません。
電動バイクの区分は、排気量ではなく定格出力によって決められているのです。
定格出力0.6kW以下は排気量50cc以下相当の原付第一種
定格出力0.6kW超~1.0kW以下は排気量50cc超~125cc以下相当の原付二種
定格出力10kW超~20kW以下は排気量125cc超~400cc以下相当の普通二輪
定格出力20kW超は排気量400cc超相当の大型二輪となります。
電動バイクに必要な免許
電動バイクは電動自転車ではありません。排気量のないバイクです。そのため、当然ですが免許が必要です。
定格出力0.6kW以下の原付第一種は原動機付自転車免許
定格出力0.6kW超~1.0kW以下の原付二種は小型限定普通二輪免許
定格出力10kW超~20kW以下の普通二輪は普通二輪免許(以前の中型免許)
定格出力20kW超の大型二輪は大型二輪免許が必要です。
電動バイクの普及促進事業として補助金制度があるため、実はかなりお得⁈
日本国内では電動バイクの普及促進事業として、様々な補助金制度が設けられているので、実は中古バイクを購入するよりかなりお得なんてこともあるのです。国の支援制度だけでなく、地方自治体の支援制度があるため、地元自治体の支援制度を確認するといいでしょう。
さらに、メーカーの補助金制度があります。例えば、クリーンエネルギー自動車導入事業費補助金(CEV補助金)として、ヤマハではE-Vinoの購入者を対象に26,000円の交付があるのです。電動バイクは価格そのものも安価ですが、補助金制度を活用することで、さらにお買い得ですね。
電動バイク紹介
ここからは、ホンダのビジネス向け電動バイクの「Evneo」「GYRO CANOPY e:」、それからヤマハの街乗り向け電動バイクの「E-Vino」をご紹介します。それぞれ、電動バイクの区分は原付1種なので、これまであまりバイクを乗り回していないビギナーにも気軽に乗れるのでおすすめです。特に、「GYRO CANOPY e:」は、街中での配送などに大活躍すること間違いなしです。
ホンダ Evneo
ホンダの「Evneo」は、電動バイクとしてのクリーン性能とビジネスシーンにも取り入れられるタフさを両立したモデルです。スクータータイプの街乗りしやすいスタンダードモデルといえるでしょう。定格出力は0.58kwで原付1種となります。環境性能にこだわり、走行時にCO2の排出量ゼロを実現。さらに、急速充電器を使用すれば、わずか30分で充電完了です。また、シート下部に収納できる普通充電器でもおよそ3.5時間で満充電できます。
ホンダ GYRO CANOPY e
ホンダのビジネス向け電気バイク「GYRO CANOPY e:」は、三輪なのでコーナリングでも安心感のあるモデルです。定格出力は0.58kwで原付1種に区分されます。大型ルーフとワイパーで雨の日も快適に乗ることができます。エネルギー密度の高いリチウムイオンバッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」を搭載しており、航続距離77kmを実現。荷台はデッキタイプなので、ビジネスでの使い勝手もいいでしょう。
ヤマハ E-Vino
ヤマハらしいレトロなスタイリングの電動バイク「E-Vino」は、取り回しもしやすく、街乗りにおすすめのモデルです。定格出力は0.58kWで原付第1種です。スクータータイプで気兼ねなく乗り回せます。満充電での航続距離は29kmですが、別売りのスペアバッテリーを取り入れれば58kgとなります。また、満充電まで3時間と、短時間で充電できるのもポイントです。
ユニークな電動バイク
ユニークな電動バイクとして「モペット」が話題になっています。発売するのはレストロジック。愛犬と乗れる折り畳み電動バイクです。シート下部にケージが付いており、わんちゃんやねこちゃんを乗せることができる仕様となっています。電動バイクとしては本格仕様で、満充電で航続距離は60km、保安部品完備で公道走行もできます。
電動バイクだからこその静穏性でわんちゃんやねこちゃんにもストレスがかかりません。これまでは車がなければ行けなかった距離にあるドッグランに足を運んでみるなど、活用方法は無限大です。
まとめ
”今”電動バイクの波がきています。日本郵政も郵便配達業務に電動バイクを採用していることから、これから電動バイクを取り入れる企業も増えてくるのではないでしょうか。電動バイクが企業レベルで普及すれば民間にも普及するはずです。電動自転車のように電動バイクが選ばれる時代は、もうすぐそこまできているのかもしれません。
電動バイクはバイクなので、必要な二輪免許を取得しているのはもちろんですが、きちんとヘルメットもかぶり、道路交通法を厳守して乗るようにしましょう。