風を切って走るのが大好きなバイカーにとっては冬の寒さもなんのその。路面が凍結していても、刺すような痛みを感じてもやめられないのがバイクの魅力ですよね。
周りから「こんな寒いのにバイク乗るって正気?」と冷ややかな視線を浴びても、「スリップして突っ込むなよ」など、冷たい視線を車から感じてもヘッチャラ。ついつい鼻歌を歌ってしまうくらいにテンションが上がってしまう人もいますよね。
冷たい空気は気持ちまでもクリアにしてしまう、不思議な魅力があると思いませんか?特に朝方は、車も少なく冷えた空気が気持ちよくて思わずバイクで走り出してしまいます。
今回は「冬でもバイクに乗りたい」「気持ちよく冬のバイクを楽しむための服装」はもちろん、冬に免許を取得するための服装、彼氏のバイクの後ろに乗るときの女性の服装などについても解説していきます。
冬のバイクは服装の工夫でさらに楽しく心強いものになるので、最後までじっくりとご覧ください。
目次
冬の気温と服装
同じ気温でも「暑がり」「寒がり」がいるように体感温度は人によって異なります。イメージ的には、女性には寒がりが多く、男性は暑がりが多いと思われているかもしれません。
熱量は筋肉が作り出すので、筋肉量の多い男性は暑がりで、少ない女性は寒がりというのは間違ってはいません。これに加えて、皮下脂肪が熱量に関わってきます。皮下脂肪が多いと体内の熱が残るので暑がりにもなりますが、外の熱が体内に入りにくいので冷えると体が暖まりにくいのです。
男性でも年々冷えが気になりだしたという人もいれば、女性でも30代から冷えとのぼせが交互にやってくるなど、筋肉量と脂肪量の変化で体感温度に違いを感じるようにもなります。
また、急激に気温が下がってしまうと「寒い温度ではなくても体が寒く感じる」こともあるので、急激な温度変化に対応できるような小物なども用意しておくといいでしょう。
気温ごとに、暑がりさんや寒がりさんはどのように感じるのか参考までチェックしてみてください。
15℃~19℃
ただバイクの服装の場合、暑がりさんは少し注意して選ばないと「寒くなった!」と震えあがることもあるので要注意。
天気が良ければ問題なし
朝と日中の温度差はあるけれど、上下は暖かいインナーがあると安心。昼間は日が差していれば暖かいので、服装は軽めで。万が一のために、バイクの防風対策はマストハブで用意しています。(by.寒がりさん)
天気が安定していれば厚着の普段着でOK
昼間が暖かいようなら、厚手のトレーナーやパーカーで十分。風を通さなければ、夜も特に寒くは感じません。11月夜のツーリングでは、防風ジャケット+厚手パーカー+Tシャツ+薄いスウェットジャージ+スニーカーでなんとか凌いだものの、スニーカーから出ていた足首が冷えてしまい震えました。(by.暑がりさん)
11℃~14℃
昼夜問わず防寒対策!
道行く人もコートやダウンなど、防寒着が目立つ。昼間で太陽が出ても寒く、防寒対策は万全にしていきます。特に高速に乗るのであれば、首元もしっかりガード。インナーも少し厚手がマスト。ハンドルを握っている指の感覚が失われていくので、ポケットにホッカイロを入れています。(by.寒がりさん)
さすがに防寒対策は必須
昼間薄着じゃ寒いので、インナーは長袖にします。さすがにジャケットは着ないと風が冷たいし、汗が冷えると急に寒さを感じますね。薄手のジャケットに防寒インナーがあれば、そこまで厚着は必要ありません。(by.暑がりさん)
5℃~10℃
装備だけでは乗り切れない!
防寒対策だけではバイクには寒くて乗れません。メットの下にはニット帽、インナーは登山用のタートルネック、使い捨てカイロはもちろんのこと、電気グローブや電気ベストもマストハブ!(by.寒がりさん)
ここまでくるとさすがにキツイ
気温が10℃以下って十分に寒い。ちょっと近くまで行くにしても完全フル装備でしょう!(by.暑がりさん)
防風&3首を守っておけばとりあえずは大丈夫
冬のライディングは、四方八方からの寒気が敵!気温の寒さより、風の冷たさに参ってしまうライダーも多いんです。バイクを走らせる寒さから体を守るには、バイクを運転する時に動きのある関節周りを冷やさないことが一番。
「首」「手首」「足首」の3つの首には、太い血管が通っているため、冷えて固まってしまうと血流が悪くなり冷えを感じるようになります。バイクに乗っている間は、ピンポイントで冷やさないようにすること、帰宅したら熱いお風呂やシャワーでほぐしてあげましょう。
とくに寒がりさんは、冬の間はバイクに乗らない時も服装に気をつけて、この3つの首が冷えないようにしておくといいですよ。
ここからは、「首」「手首」「足首」の3箇所を守るアイテムをご紹介しますね。
3首をガードするアイテム
首は冷えてしまうと、首こりや肩こりの原因になるだけでなく全身に血液が回りにくくなります。指先が冷えるのも、首が冷えるのが原因なので先ずは首を冷やさないのが大切。
末端である手や足先は、体の中心部がしっかり暖まっていないことが原因です。まず、バイクの服装では、上半身や腹部を冷やさない工夫をしたうえで手首や足首をガードしましょう。
バイクの防風対策は後に紹介しますので、まずは首に対してどのような工夫が必要かを3つに分けてご紹介します。
①首を守る
首の冷え対策と言えば「ネックウォーマー」です。バイクはもちろんですが、登山やスキースノボなどのウインタースポーツでも必須なアイテムです。
ツーリングはもちろんですが、冬にバイクに教習を受ける時の服装としてもおすすめ。教習は緊張して肩に力が入りやすいので、冷えると左右確認した時に痛みが出ることもあります。
また、冬に女性がバイクの後ろに乗る時にも、冷えから守るためにぜひ利用していただきたいと思います。バイカーと一緒に冷たい風を感じてしまうので、冷えやすい女性はしっかりと首を守りましょう。
首だけでなく肩までカバーできるタイプだと、より温もりを感じる女性の服装におすすめですよ。フーディタイプは頭から首までしっかり暖めるので、短髪の男性やショートヘアの女性の服装にいかがでしょうか。
➁手首を守る
いつもはショートタイプのグローブの人も、冬場は手首がしっかり隠れるグローブの装着をおすすめします。手首がしっかり隠れることで、冷たい風から体を守れますよ。
③足首を守る
足首が冷えるとクラッチの切り替えが上手くいかない、立ちごけしやすくなるなどのデメリットが生まれます。非常に危険ですので、冷え対策と安全性を兼ねたブーツの着用がマスト!靴下も、足首をしっかりサポートして暖めるものを選びましょう。
あとは防風が大事!
冷えやすい3首をガードしても、心臓のある上半身が冷えていると冬の冷たい風から体を守れません。気温から体を守るだけでなく、防風対策もしっかり行いましょう。特に冬の高速道路は、風圧が強く長く走れば体が冷えてきます。
冬の防風対策として、バイクカウルやナックルガードをバイクにつけるのもおすすめです。ツーリングでは、インナーは通気性と発汗性のあるものを着用しフランネルシャツ、フリース、防風ジャケットやウインターパーカーがいいですね。
冬のバイク教習であれば、インナーにカイロを貼ってフリースの軽装でも問題ないと思います。冬とは言っても教習は昼間なので、そこまでガチガチにすることはないとは思います。バイク用よりも防風や防寒の服装としては、登山用の方が機能性も保温性も高いですよ。バイクの後ろに乗ることが多い女性であれば、カイロを貼るよりも保温性の高いインナーをおすすめします。
また、ライディングパンツやオーバーパンツで冷えやすい下半身をしっかりガード。保温性が違うので、女性は暖かい方を選んでおけば間違いなしです。
予算に余裕がある場合は「電気」系グッズがおすすめ
防風ジャケットやマウンテンパーカーなどでは、冬のバイクの服装には弱い。どんなに重ね着しても芯からの冷えが改善しないのなら電気系のアイテムを選んでみましょう。
体をとにかく保温してくれるのが、電熱のインナージャケットとインナーパンツです。バイクから供給するタイプ、バッテリータイプがありますが、バイク用のエアバックを着用するのであればバッテリータイプの方だとケーブルが邪魔にならずに安全かなとは思います。
女性が冬にバイクに乗る場合では、ここまで服装にこだわる人は少ないかも知れませんね。もし冬にバイクを運転するのが好きなら、ヒーターベストや電熱グローブ、電動ネックウォーマーなど部分的に暖めるものグッズを選ぶのもありです。
使い捨てカイロは、冬バイクの服装には鉄板ですが低温やけどの心配や「途中で外せない」などのデメリットもあります。
電気系アイテムは、究極の選択にはなりますが冬のツーリングやバイクを快適に過ごすための最終手段として頭の隅に入れておいてください。
冬もバイクの後ろに乗ることが多い女性の服装としても、背中が暖かいのはかなりのメリットです。また、寒がりで冬のバイクの対策を考えているのなら電気系の服装を取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は冬もバイクが好きな人・冬のバイク教習の服装で困っている人・バイクの後ろで寒い思いをしている女性にもわかりやすく、防寒や防風対策をレクチャーしてみました。
バイクに乗らない人から見れば「そんな服装にこだわるほど寒いなら乗らなきゃいいのに」と思うかもしれませんが、冬の寒さの中で風を感じながら走るのを一度体験するとやめられないのです。
これから冬の教習にチャレンジする人も、冬が大好きなライダーも万全の服装で寒い冬を乗り切りましょう!