バイクは注意していてもコケることも多く、初心者ともあれば怪我や事故が心配ですよね。2021年1月24日、元SMAPでオートレーサーの森且行選手が落車事故で怪我をし、2021年のMotoGPでは予選Q2のセッション中にジェイソン・デュパスキエ選手が落車で亡くなりました。2018年からは全クラスエアバッグの装備が義務付けられていますが、それでもむき出しのバイクの危険性が0になるわけではありません。
バイクにエアバッグがあることは知っていても、「街乗りにエアバックは必要ないのでは?」と思っている人もいるのではないでしょうか。
また、興味はあるけれど「どうやって身に着けるのか」「デザインは?」と気になることもあるでしょう。
そこで今回はバイクのエアバックとはどんなものなのか、見た目やデザインなど気になるポイントをご紹介します。
目次
エアバックとは
日本でエアバックといえば、車に内蔵されているSRSエアバッグのことです。シートベルトで固定されている座席の全面に装備されていて、全面衝撃を受けると大きく膨らみ、頭部と胸部の衝撃を軽減してくれます。
車の衝突を想定して作られているのですが、衝突の速度や角度によってはエアバックが膨らまないケースもあるようです。
エアバックがあれば車内が安全かというとそうではありません。エアバックはシートベルトと併用することで効果を発揮するもので、エアバックだけでもシートベルトだけでも十分な安全性は確保できません。
バイクの場合には、体がむき出しであることから「車の事故よりも注意が必要」と感じている人もいると思います。特に初心者やシニアライダーは、転倒リスクもあるので心配ですよね。
バイク用のプロテクターは着用が面倒だったり、厚みがあったりして使いにくく感じますし「カッコよくない」のもデメリットです。ですが、安全のためや怪我のリスクを少しでも軽減したいと考えているのであれば、バイク用のエアバック着用をおすすめします。
最近のバイク用エアバックは機能性も向上し、デザインも豊富になりました。それだけでなく、カバー部分もメーカーによって違いますし、ベストにジャケットタイプなど種類も増えています。頭部はヘルメットがありますが、頸部から胸部を守ってくれるのはバイク用エアバックしかないのです。
バイク用のエアバックは衝突や転倒から胸部を守るプロテクターの役割をしてくれます。車のようにバイクに装備されるものでなく、ライダーが着用するデザインで、イメージとしてはベストのようなデザインになっています。船に乗る時のライフジャケット、映画「タイタニック」でも沈没前に客が着用していましたが、あれをスリムにした感じです。
小型船舶(クルーザー)の場合には、着用義務があるのでつけないといけないのですが、かなりかさばりますし体をがっちりホールドされるので窮屈感があります。数年前に、水に触れると膨らむライフジャケットを着用したことがあるのですが、それは軽くて自然な感じでした。
モーターボートで沖に出て遊んでいた時に、ライフジャケットを付けているのを忘れ、海に飛び込んだら急にライフジャケットが膨らんで驚いた記憶があります。そのくらい着用していることがわかりませんでした。
頭部はヘルメットがありますが、体はレザージャケットなどの長袖の着衣でしか守られていません。ですから、バイク用のエアバックはライフジャケットのように着用して身を守るのが基本です。
ライフジャケットが水の断面に触れると膨らむように、バイク用のエアバッグはバイクやライダーの動きを感知し、体が地面に衝突するタイミングで作動するようになっています。
バイクで使えるエアバック
ロードレース世界選手権では2018年からエアバッグの装備が義務付けられています。バイク用エアバックはライダーの安全や命を守る大切なものですが、運転の邪魔になったり動きを邪魔したりするようでは着用の意味がありません。
一般向けに最初に販売されたものは、レース用のレザースーツ。その後は、バイク用ジャケットにエアバックが搭載されましたが、値段も高くなかなか購入とまではいきませんでした。
最近ではジャケットのインナーとしてもジャケットの上からも着用できるバイク用エアバックが発売されています。注意点は、必ず自分の体にフィットするサイズを選んで着用すること。安全性を考えて、ジャケットの上からの着用が推奨されています。
バイク用エアバックを着用したら、ワイヤーでバイクと繋ぎます。ワイヤレスタイプのバイク用エアバックになると少し高額になりますね。
バイク用エアバックには小さな炭酸ガスボンベが装着されていて、転倒してバイクから体が離れるとワイヤーでエアバッグ内部のキーボールが抜け、一瞬でエアバッグが膨らむようになっています。
エアバックジャケットやベストに損傷がない限り、ボンベを入れ替えれば何度でも使える点も経済的です。バイク用のエアバックは白バイ隊員にも利用されているそうで、ライダーの命を守ることが証明されているんです。
バイク用のエアバックはどんなものかよくわからないので、着用するのが怖いと感じてしまう人もいると思いますが、エアバックの作動は圧縮された炭酸ガス(CO2)ですから作動で大きな衝撃を感じることはありません。
後から知ったのですが、乗馬用エアバックもあるそうですね。スピードが出る乗り物には、エアバックが大切ということがよくわかります。
バイク用のエアバックの値段が気になるところですが、値段はピンキリでベストタイプは3万円台からジャケットタイプは5万円前後。怪我だけでなく、命を守ってくれるバイク用エアバックの値段を高いと思うかはライダー次第だと思います。しかし、命を守る為と考えると決して高い物ではないでしょう。
安全はもちろん大事だけど、見た目も大事
バイク用エアバック安全を重視して着用しますが、やはり見た目にもこだわりたいですよね。バイク用エアバックは色々なメーカーから発売されていて、インナータイプやジャケットの上から着用できるもの、ジャケットタイプがあります。
ジャケットタイプのエアバックは、関節回りにもプロテクターが装備されているので上半身全体をしっかり守れます。
5万円程度とやや高額ですが、ツーリングに出かけることが多い人や普段からバイクに乗ることが多いようであれば1着用意しておくと便利ですね。
ジャケットの上から着用するベストタイプは汎用性があり、サッと羽織れてシンプルなデザインも増えています。一番使いやすく、デザインも豊富で価格も3万円程度で購入できます。中には、インナーでもアウターでも使えるデザインがあるので探してみましょう。
見た目重視で選ぶのであればインナータイプがおすすめですが、エアバックが作動した時の膨らみを考えると着用しているジャケットに左右されてしまいます。薄手で機能性が高いインナータイプもありますが、価格がどうしても高めです。
一般的には、バイク用のエアバックはワイヤーでバイクと繋ぎますので上に着るタイプがメインです。その場合、自分の愛車と似合うおしゃれなバイク用のエアバックを購入しましょう。ガチガチのプロテクタータイプではなく、デザイン性の高いものを選べばツーリングが楽しくなります。
ここからは、個人的にバイクに合わせてバイク用のエアバックをチョイスしてみました。おしゃれに着こなしたい人は参考にしてみてください。
1.エンデューロモデル ベンチレーションジャケット/hit-air
こんなバイクユーザーにおすすめ
CBR650F(ホンダ)、Ninja H2(カワサキ)カタナ(スズキ)、MT-03(ヤマハ)
スッキリしたデザインでファッション性、機能性が抜群。スマートなデザインで、とてもバイク用のエアバックには見えないのもポイント。フルベンチレーションでオールシーズンの着用にも対応し、非常に軽いのでライディングに影響もありません。
プロテクターではなく、肩肘CEパッド装備!で安全性にも配慮されています。サイズも豊富で、あらゆる体型のライダーに対応しているので、ジャストサイズを選びましょう。
2.エアバッグメッシュジャケット/hit-air
こんなバイクユーザーにおすすめ
CBR600RR(ホンダ)、Ninja ZX-6R(カワサキ)、GSX-S750(スズキ)、MT-07(ヤマハ)
エアバッグといえばhit-airが有名です。世界各国の警察や機動隊でも使われるクオリティ。バイクレースでも「RS-1」というレーシングタイプのエアバッグベストが使われているなど、商品への信頼性が非常に高いことが分かります。
バイク事故では頭部に続き、胸部にダメージを受けやすいので、夏場はプロテクターやプロテクター内蔵のメッシュジャケット着用する人も多いと思います。安全面ではプロテクターでも問題はありませんが、プロテクターでは頸部を守れません。
とくにスポーツタイプのバイクは前傾姿勢になるので、プロテクターよりもバイク用のエアバックで安全を守りましょう。カッコいいデザインで、スポーツタイプのバイクに非常にマッチします。
まとめ
エアバックをライダーが着るなんて、誰も想像していなかったことですがサーキットではもちろん街中でも急速に普及しています。ライダーも年を重ねていけば、運転テクニックに不安を感じるようになり、安全にも更に注意を払うようになります。
バイク用のエアバックを着用する人はまだまだ少ないようですが、自分の安全を守るため・命を守るために是非とも着用を検討して欲しいグッズです。免許を取得したばかりの新米ライダーはもちろんですが、シニアライダーもこれを機会にバイク用のエアバックを利用しましょう!
先輩ライダーが、バイク用のエアバックを身につけて颯爽と走る姿を見ると、若輩者もライダー質も右に倣えと襟を正すでしょう。これからは、安全性と機能性、そしてデザイン性を兼ね備えたおしゃれなバイク用のエアバックが増えてきます。こだわりのバイクに、おしゃれなバイク用エアバックでツーリングや街乗りを楽しみましょう。