今回、スポットを当てるのはストリートタイプのバイクです。ストリートバイクブームは過ぎ去ったものの、現在でもネイキッドとともに人気のあるジャンルとなっています。特に、機能性よりも見た目を重視し、乗り回しやすいバイクなので初心者にもおすすめです。

それでは、さっそくストリートバイクの人気の車種をご紹介。

ネイキッドと比較すると曖昧な位置づけのストリートタイプのバイクがどのようなバイクなのかも合わせて解説します。ネイキッドと比較すると曖昧な位置づけのストリートタイプのバイクがどのようなバイクなのかも合わせて解説します。

かっこよく街乗りできるストリートバイク

カジュアルライクなバイクライフを実現するストリートバイク。乗用車でいうところの軽自動車というとわかりやすいかもしれません。正統派ともいえるネイキッドとオフロードの取り回しやすさを兼ね備えたようなコンパクトなバイクだといえます。

日本国内における1990年代後半から2000年代前半までのストリートバイクブームを振り返ると、そこには性能重視のレーサーレプリカブームから一転して、性能以上に本来、バイクの持つべき魅力をライダーたちが再認識するようになったネイキッドブームに原点があります。ホンダのCB400カワサキのZEPHYR400など、クラシカルなモデルが人気を博している頃です。

Honda Dream CB400 Four

Rikita, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
1974年製ホンダ・ドリーム CB400 FOUR
Kawasaki ZEPHYR(1989 japan)

PekePON, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons
カワサキ ZEPHYR(1989年・国内仕様)

当時のネイキッドブームの最中、ストリートバイクブームの火付け役となったのが、フラットダートレースを想定したホンダのFTR、アドベンチャーベースのヤマハのTW200などのトレールモデルです。

YAMAHA TW200 Special specification motorcycle reached the South Pole with Japanese adventurer Shinji Kazama

Neruru, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
ヤマハ TW200

トレールモデルのバイクからシートカウルなどの装備を取り払い、あたかもネイキッドのように仕立て上げ、さらにカジュアルなスタイリングに装備を付け替えたのがストリートバイクの始まりなのです。

ここで、ストリートバイクについてまとめると、シンプルかつクラシカルなルックス、無駄を省いた軽量なボディ、エンジンは比較的単純なもので、カスタムがしやすいということがあげられます。

ネイキッドとオフロード(トレール)がベースになっていますが、当時のファッション感度の高い若者たちに流行したということもあって、高性能のネイキッドのように長距離を走破したり、オフロードのように悪路を走行したりするのには向いていません。

ファッションバイクといわれることからもわかるとおり、時にはカスタムをしながら、街乗りを楽しむためのジャンルだといえます。

排気量別にストリートバイクの車両紹介!気になる足つきは?

普通二輪免許を取得したばかりのライダーにも、まずは街乗りからバイクに慣れ親しむのにおすすめのストリートバイク。基本的にストリートバイクはスーパースポーツのカウルなどを取り払った細身のボディをしているため、足つきがいいことがあげられます

さらに、コンパクトなボディとあって小柄な男性から足つきが限定される女性まで、幅広いライダーにおすすめのタイプだといえるでしょう。

基本的に「足つきが良い」といわれるバイクのシート高は800mm以下だといわれています。男性でいえばやや小柄、女性であれば平均以上の160cmくらいの身長が基準となっています。背の高い男性であれば800mm以上、背の低い女性であれば750mm程度のシート高がおすすめです。

それでは、ストリートバイクのおすすめ車両を、排気量別におすすめしていきます。気になる足つきについては、シート高を確認してください。

50㏄以下

まずは、街乗りにぴったりの排気量50ccのストリートバイクからご紹介。

ホンダ Solo

ホンダSoloの特徴は、極限まで無駄を削ぎ落した剥き出しのコンパクトボディに他なりません。レトロバイクのようなサドルシートも特徴です。実は、スーパーカブのエンジンを搭載するなど、カブ系ファミリーともいえるバイクです。

また、カラーオーダーのパターンは285通りにもおよび、まさにファッション性を追い求めたストリートバイクの典型とみることもできます。

  • 排気量:49cc
  • 全長×全幅×全高:1,995mm×710mm×980mm
  • シート高:730mm

125㏄以下

続いてご紹介するのは、排気量125cc以下のストリートバイクです。排気量50cのストリートバイクと比較するとパワフルで頼もしいクラスだといえるでしょう。

ホンダ CT125ハンターカブ

ストリートタイプでもオフロード感のただようハンターカブ(CT125)。ストリートバイクのジャンルで排気量125cc以下ながらも、比較的長距離にも耐えられ、悪路も走行できるモデルです。

  • 排気量:124cc
  • 全長×全幅×全高:1,960mm×805mm×1,085mm
  • シート高:800mm

400㏄以下

ストリートバイクの主流ともいえる排気量125cc以上、400cc以下のモデル。ホンダのFTR223スズキのグラストラッカーなど、ストリートバイクといわれてまっさきに思い浮かべるようなモデルが勢揃いです。

ホンダ FTR223

FTR223

Ypy31, Public domain, via Wikimedia Commons
ホンダ FTR223

アメリカのフラットトラックレースで走行することをイメージしたトレールモデルのバイクとして1986年に誕生したホンダのFTR。ストリートモデルとして進化したのがFTR223です。「TW200の市場を奪うこと」をコンセプトとしていることもあり、カスタムのしやすさも特徴としてあげられます。

  • 排気量:223cc
  • 全長×全幅×全高:2,080mm×910mm×1,115mm
  • シート高:780mm

カワサキ 250TR

250tr

ウェルワィ, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons
カワサキ 250TR

カワサキ250TRはストリートバイクブームを受けて誕生したストリートトラッカーバイクです。1970年代に販売された250TRのようなビンテージ感ただようオフロードチックなルックスが特徴です。

  • 排気量:249cc
  • 全長×全幅×全高:2,100mm×870mm×1,095mm
  • シート高:775mm

スズキ グラストラッカー

Grasstracker

ウェルワィ, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons
スズキ グラストラッカー(手前)

ストリートバイクブームの最中に誕生したグラストラッカーは、ストリートバイクの醍醐味ともいえる「無駄を省いた」必要最低限の装備のみの、非常にシンプルなトラッカーカスタムバイクとして誕生しました。現在でも、男性女性問わず人気があり中古車両も好調に流通しています。

  • 排気量:249cc
  • 全長×全幅×全高:2,050mm×900mm×1,130mm
  • シート高:750mm

ヤマハ SR400

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KazuhiroOohashi, Public domain, via Wikimedia Commons
ヤマハ SR400 2021年モデル FinalEdition

1978年販売開始のSR400はヤマハとライダーとともに歴史を刻み続け、ついにファイナルエディションが販売されるに至りました。ストリートバイクブームにあってはカスタムのしやすさから人気沸騰。始動はキックオンリーというのもSRに受け継がれてきた特徴です。多くのファンに惜しまれつつも、ヤマハの最新技術を注ぎ込んだファイナルエディションに注目が集まります。

  • 排気量:399cc
  • 全長×全幅×全高:2,085 mm×750mm×1,100mm
  • シート高:790mm

ドゥカティ スクランブラーSIXTY2

さて、続いては、輸入バイクからおすすめのストリートバイクをご紹介します。ドゥカティのスクランブラーSIXTY2はデザイン性の高さが際立つオフロードチックなバイクです。輸入バイクですがシート高は770mmと日本人にも乗りやすい設計となっています。

  • 排気量:399cc
  • 全長×全幅×全高:2,150mm×850mm×1,165mm
  • シート高:770mm

400㏄超

最後にご紹介するのは排気量400cc超のビックストリートバイクです。ストリートバイクというと小型〜中型程度のバイクをイメージするかもしれませんが、大型バイクでも街乗りにシフトしているモデルがあります。

カワサキ W800

W800

ウェルワィ, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons
カワサキ W800

カワサキのW800の前身であるW650のコンセプトは「美しいモーターサイクルを作りたい」というもの。その思いはW800にも受け継がれており、現在でもモデルチェンジを繰り返しながら販売が継続されています。最新モデルも、デザインにはいっさいの無駄のない美しい姿をしており、往年のファンからも熱い視線を向けられています。

  • 排気量:773cc
  • 全長×全幅×全高:2,135mm×925mm×1,120mm
  • シート高:770mm

ヤマハ SCR950

ヤマハのSCR950はオフロードモデル登場以前、1960年代の荒地走行を想定した「スクランブラー」風のストリートモデルです。大型バイクらしく長距離ツーリングはもちろん、街中を駆け抜けるのも似合います。

  • 排気量:941cc
  • 全長×全幅×全高:2,255mm×895mm×1,170mm
  • シート高:830mm

BMW RnineT スクランブラー

最後にご紹介するのは、BMWの高級感あふれる大型ストリートバイクRnineTスクランブラーです。BMWのRnineTをベースとしたスクランブラーストリートモデルとなっており、ストリートバイクの醍醐味ともいえるカスタマイズを想定していること、カラーバリエーションが豊富でファッション性が高いことも特徴です。

  • 排気量:1,169cc
  • 全長×全幅×全高:2,175mm×865mm×1,330mm
  • シート高:820mm

ストリートバイクに似合う服装・装備品

ライダースジャケットとアクセサリー

ストリートバイクブームを牽引したのは、1990年代後半〜2000年代前半の「おしゃれ男子」たちだといわれています。バイクをひとつのファッションアイテムとしてとらえていたといえます。
だからこそ、ストリートバイクに乗るのであれば、やはりファッションにはこだわりたいところ。特に、ストリートバイクにはカジュアルなファッションがマッチします

ビジュアルだけでなく機能性も重視するのであれば、 レザー素材のライダースジャケットがおすすめ。クラシカルなデザインのバイクブーツを合わせれば、一気にこなれ感も出るのでおすすめです。
レトロチックなデザインのストリートバイクであれば、ヘルメットにもこだわりたいところ。街乗りであればクラシカルなスモールジェットヘルメットにゴーグルを合わせるのもいいかもしれません。

ストリートバイクで長距離ツーリングに出かけるのであれば、スポーツ感を演出するのにフルフェイスをチョイスするのもありでしょう。安全面でもおすすめ。走行シーンに合わせておしゃれを楽しみたいですね。

バイクのおしゃれ上級者にぜひ意識してもらいたいのが、バイクのカラー、ヘルメットのカラー、服のカラーを合わせること。同色で統一感を出しても、差し色で目を引いてもおしゃれ。ファッションで悩んだときは、バイクの色に合わせることから始めてもいいでしょう。ぜひ、服装を選ぶ際の参考にしてみてください。

まとめ

今回は、おすすめのストリートバイクをご紹介しました。長距離を走破できるバイク、悪路を走行できるバイクは確かに魅力的です。ですが、お気に入りのデザインのストリートバイクでお気に入りのファッションで、楽しく街乗りをするのもバイクの楽しみ方のひとつといえます。

もちろん、パワフルなストリートバイク、悪路もどんとこいというストリートバイクもあるので、デザイン性、機能性を吟味して選んでいただければと思います。

この機会に、いろいろなストリートバイクをチェックしてみてくださいね。この機会に、いろいろなストリートバイクをチェックしてみてくださいね。

 

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