【原付・125㏄以下の排気量編】バイクの燃費ランキング

ライダーの皆さんにとって、バイクの「燃費」は重要なポイントではないでしょうか。最近の燃料高には、シビアにならざるを得ません。特に、通勤・通学に活躍するような排気量125cc以下の小型バイクは日常的に利用するからこそ、燃料高の影響を受けやすく、燃費も気になるところです。

そこで今回は、原付を含めた排気量125cc以下のバイクの燃費ランキングをご紹介します。小型バイクを検討しているライダーの皆さんは、ぜひ参考にしてください。

燃費をよくするには

一般的には「燃費」といわれている「燃料消費率」は、1Lのガソリンでどのくらいの距離を走れるのか、数値として計算したものです。1Lのガソリンで長距離を走れれば走れるだけ、燃費のいいバイクだといえます。

また、バイクには「航続距離」というものもあります。燃料タンク満タンに給油したバイクが燃料を使いきるまでどれだけ走れるかを数値として計算しています。

ここで、ホンダ CBF125を例にあげてみましょう。CBF125は1Lのガソリンで50kmを走行できます。そしてタンク容量は13.5Lです。したがって、燃費は50L、航続距離は675kmということになります。

とはいえ、これはあくまで机上での計算です。バイクは種類によって燃費の消費の仕方も違います。さらに、ライダーのライディングのくせ(ギアチェンジの仕方など)、ライダーの体格などによっても変わってくるのです。ここからは、バイクの燃費について、さらにくわしくご説明します。

車両による差

大型(排気量400cc超)のバイクと小型(原付〜排気量125cc)のバイクでは、「燃費」については排気量120ccクラスの小型バイクに軍配が上がることは、ライダーの皆さんにとっては言わずもがなのはず。では、なぜ小型のバイクの燃費が良いのでしょうか。

まず、小型バイクの特徴は、排気量が小さいこと、気筒が少ないこと、軽量であることがあげられます。ライダーの皆さんであれば「当たり前」の知識かもしれませんが、それゆえに、小型バイクの燃費は良いのです。もうちょっとくわしくみていきましょう。

まず、排気量が小さいということ。排気量が小さければ小さいだけ、エンジンにガソリンを送り込むパワーが弱いため、エンジンに送り込むガソリンの量が少なくなります。つまり燃費が良いといえるのです。

さらに、小排気量のバイクは気筒数が少ないことも特徴。単純な話ですが、排気量が小さければ、それだけエンジンの気筒数も少なくなります。2気筒のバイクの排気量と比べて、単気筒のバイクの排気量は、ざっくりと排気量が1/2ということになります。したがって、エンジンの気筒数は少なければ少ないほど燃費がいいということです。

6気筒>5気筒>4気筒>3気筒>2気筒>単気筒と、6気筒と比較すると単気筒の方が、断然、低燃費だといえます。気筒数が多ければ多いほどエンジンはスムーズに回転しますが、エンジン内部のパーツ数が多く、フリクションロスといわれる摩擦抵抗が大きいことで、ガソリンを消費してしまいます。

そして、原付の車両は軽量のため、加減速のために必要となるエネルギーが少なく、燃料の消費も少ないことがあげられます。これも単純な話で、排気量が小さければ、それだけエンジンも小さくなり、気筒数も少なくてすみ、ボディもコンパクトにおさめられるので、車体重量そのものが軽くなり、少しのエネルギーでも十分走らせることができるので、燃費がいいというわけです。

走り方

バイクで市街地を走行すれば、交差点でストップ&ゴーしたり、交差点、カーブ、渋滞で減速したり、ガソリンを「食う」ような走行シーンの連続です。それでも、バイクの特性、公道走行の傾向を知って、走行の仕方を工夫すれば、バイクの燃費を良くすることができます。

走行時に意識したい以下のポイントを確認してください。

  • シフトチェンジの適正化
  • 急発進、急停止、急加減速しない
  • アイドリングを避ける

バイクのシフトチェンジはライディングスキルがものを言うところがありますが、できる限り、シフトチェンジを適正化することで燃費を抑えることができます。

また、急発進、急停止、急加減速は、エンジンに負担がかかり、ガソリンを消費しやすくなるので、アクセルワークに気を配るようにしましょう。アイドリングも想像以上に燃料を消費するので、最小限にすることをおすすめします。

また、バイクのメンテナンスも忘れてはいけません。バイクの不具合はエンジンに負担をかけます。例えば、部品の破損、経年劣化などがあげられます。新車時と比べると、走るためにパワー=ガソリンを必要としてしまうのです。

エンジンまわりのエアフィルター、プラグなどの部品、エンジンオイル、タイヤの空気圧などは、定期的に状態を確認するようにしましょう。

バイクの燃費ランキングTOP5(原付・排気量125㏄以下)

それでは、原付、排気量125cc以下のバイクの燃費ランキングをご紹介。基準としたのはバイクのスペックとして記載されている「燃費消費率」です。バイクの「燃料消費率」については、燃費欄に「定値燃費値」と「WMTCモード値」とふたつの記載がありますが、これは計測方法の違いによるものです。

「定値燃費値」は平坦な直線の舗装路を60㎞/hで走行し続けた場合の数値です。なお、「定値燃費値」は50㏄以下は30㎞/hとなります。「WMTCモード値」は、公道(市街地、郊外、高速道路など)の走行を想定した、実用的な数値です。そのため、スペックとしては「WMTCモード値」を参考にすることをおすすめします。

以上を踏まえたTOP5には、定番のあのモデルも……はたして、皆さんの想像どおりのランキングとなっているでしょうか。ぜひお確かめください。

50㏄(原付)

日常生活に欠かせない原付。基本的に原付はどれもこれも燃費がいいですが、そのなかでも特に燃費の良い原付モデルはやはりロングセラーのあのモデルです。

ホンダ スーパーカブ

配達業務でも活躍している「はたらくバイク」の代表格ともいえるスーパーカブ。もとより低燃費バイクとして知られているため、ランクインは想像のとおりではないでしょうか。スーパーカブの誕生から60年、いつの時代でも燃費の良さは他の原付の追随を許しませんでした。

最新のスーパーカブは定地燃費値105.0 km/Lとなっており、WMTCモード値でも69.4 km/Lという圧倒的な燃費の良さ。市街地限定で通勤通学などに利用するのであれば、毎日乗るものなので低燃費のスーパーカブをおすすめします。

  • 排気量:49cc
  • 車両サイズ:全長1,860mm・全幅695mm・全高1,040mm
  • 燃料タンク容量:3.4L
  • 定地燃費値:105.0 km/L
  • WMTCモード値:69.4 km/L

ホンダ クロスカブ

続いてランクインしたのは、ホンダのクロスカブ。スーパーカブと比較すると、市街地から飛び出し、山にも海にも向かうことができるアクティブな原付です。

定地燃費値は94.0 km/Lと、100km/L超のスーパーカブにはやや劣るものの、WMTCモード値では69.4 km/Lと、スーパーカブに匹敵する低燃費原付バイクであることは間違いありません。市街地だけでなく近距離ツーリングにも行ける低燃費バイクはクロスカブで決まりです。

  • 排気量:49cc
  • 車両サイズ:全長1,840mm・全幅720mm・全高1,050mm
  • 燃料タンク容量:4.3L
  • 定地燃費値:94.0 km/L
  • WMTCモード値:69.4 km/L

50㏄超~125㏄(原付2種)

続いては、原付2種に分類される排気量50㏄超〜125㏄クラスのバイクから、燃費パフォーマンスに優れたモデルをご紹介。原付2種でもホンダが強さを見せつけるのでしょうか。

ホンダ モンキー125/GROM

またしてもホンダの原付バイクがランクイン。モンキー125、そしてGROMです。ホンダのコンパクトレジャーバイクであるモンキー125は、排気量50ccモデルの生産中止後、満を持して販売された原付2種として親しまれています。

一方、ホンダのミニスポーツバイクであるGROMは、2013年の販売直後からまさに飛ぶように売れ、現在でもミニレースも楽しむことができる原付2種として根強い人気を誇っています。

モンキー125は定地燃費値70.5km/L、WMTCモード値70.0km/L、GROMは定地燃費値63.5km/L、WMTCモード値68.5 km/Lと、燃費についてはややモンキー125が上回っていますが、どちらも十分に燃費のいいバイクに値します。

■モンキー125
  • 排気量:124cc
  • 車両サイズ:全長1,710mm・全幅755mm・全高1,030mm
  • 燃料タンク容量:5.6L
  • 定地燃費値:70.5km/L
  • WMTCモード値:70.0km/L
■GROM
  • 排気量:123cc
  • 車両サイズ:全長1,840mm・全幅720mm・全高1,050mm
  • 燃料タンク容量:6L
  • 定地燃費値:63.5km/L
  • WMTCモード値:68.5 km/L

ホンダ スーパーカブ110

原付でランキングしたスーパーカブは、排気量125ccクラスでも見事にランクイン。スーパーカブ50の大排気量モデルとして販売されたスーパーカブ90の後継モデルであるスーパーカブ110は、しっかり燃費の良さを引き継いでいます。

定地燃費値は68.0km/L、WMTCモード値は67.9 km/Lとスーパーカブ50よりも大排気量となりながらも、十分な燃費の良さです。

  • 排気量:109cc
  • 車両サイズ:全長1,860mm・全幅705mm・全高1,040mm
  • 燃料タンク容量:4.1L
  • 定地燃費値:68.0km/L
  • WMTCモード値:67.9 km/L

ヤマハ アクシスZ

最後にランクインしたのは、ヤマハの小型スクーター、アクシスZです。コンセプトは「実用的な通勤用スクーター」。ヤマハの排気量125ccクラスのスクーターでは、断トツの燃費の良さから、通勤・通学用に選ばれています。

定地燃費値は68.0km/L、WMTCモード値は67.9 km/Lとなっており、低燃費の小型スクーターとしておすすめです。

  • 排気量:124cc
  • 車両サイズ:全長1,790mm・全幅685mm・全高1,145mm
  • 燃料タンク容量:5.5L
  • 定地燃費値:68.0km/L
  • WMTCモード値:67.9 km/L

まとめ

今回は、原付を含めた排気量125cc以下のバイクの燃費ランキングをご紹介しました。やはり「はたらくバイク」の代表格スーパーカブシリーズの燃費の良さは飛び抜けていることがわかる結果ではなかったでしょうか。カブファミリーのクロスカブもランキング入りを果たしていますね。

小型バイクを検討しているライダーの皆さん、せっかく小型バイクに乗るのであればできるだけ低燃費のバイクで燃料費を押さえたいところ。ぜひ、今回のランキング結果を参考にしていただければと思います。