バイクの飲酒運転、ダメ、ゼッタイ!免停や免許取り消しだけでなく、刑事罰まで!

新型コロナ対策の自粛要請中は、仕事終わりの寄り道もなく真っすぐ家に帰った人も、緩和が進み外で飲む機会が増えてきました。せっかく緩和されて落ち着いたのに、人にもまれて帰りたくない・原付なら事故も起こさないだろうと安易に考えていませんか?

車はもちろんですが、バイク・自転車共に飲酒して運転すれば、重い罰則が待っています。それだけで済めばいいのですが、事故に巻き込まれたり起こしてしまい、悔やみきれない結果になってしまったら…。

今回は、バイクの飲酒運転の恐ろしさや刑罰などについて詳しく解説していきまfす。

飲酒運転は普通の運転と比べて死亡率が9倍!

国内では飲酒運転事故に対し、道路交通法の改正や施行、飲酒運転の取り締まり強化など事故防止が取り組まれてきました。飲酒運転は、自分だけでなく他人を巻き込む事故に繋がりますし、死亡率が非常に高くなっています。

飲酒運転と普通の運転を比較すると、死亡率が9倍近く違う

お酒を飲むと眠くなったり、足元がふらつくのは血液中のアルコール濃度が高くなり、脳が一時的にマヒしてしまうのが原因です。バイクの運転は、瞬時に判断し行動に移さなければならないシーンが多いので、飲酒した状態で乗車することは非常に危険であることがわかります。

お酒を飲むと判断力が低下するので、スピードを出しても「怖い」「危ない」と感じにくいのです。同時に危険に対しても、機敏な反応ができませんのでブレーキ遅延に繋がり、激突や転倒事故が起こります。

また、意識的には「酔っていない」と思い込んでいるのでバイクを乗り回しますが、実際には直線走行ができていません。最悪は蛇行運転を繰り返し、反対車線に乗り出し対向車と正面衝突し死亡事故に繋がってしまうのです。

警察庁の資料によると、2021年バイク事故における死亡率は、飲酒ありの死亡事故は6.92%もありました。死亡率は、飲酒なしに比べると約9.2倍にもなります。

飲酒運転は、通常よりもバイカーの死亡率が高く、助かっても重篤な障害が残る確率が高くなっています。自身の命を守るのは、あなた自身です。飲んだら運転をしない、飲む予定がある時にはバイクに乗らないようにしましょう。

バイクで飲酒運転をしてしまったら?罰金は?免許はどうなる?

酒気帯びと飲酒運転では、刑罰や免許についての処分が違います。どちらも、アルコールを摂取してバイクを運転する違反行為ですから道路交通法違反となります。酒気帯び運転では、違反点数付与、罰金・罰則などの処罰が下されます。

アルコールを摂取しているだけでなく、正常な判断や行動ができない場合には「飲酒運転」として重い刑罰の処分になります。

  • 認知機能の低下(名前や住所がわからない・時間の感覚がないなど)
  • 質疑応答に正しく答えられているか(呂律異常の有無)
  • 白線の上を直進できるか
  • 呼気検査に対応し、アルコールが検知される

上記の総合的な面から処分を受けることになるわけですが、基準値に満たない状態でも「悪質」と判断されると検挙される可能性が高いです。

飲酒運転であると判定が下りれば、一発で免許停止処分(違反点数14点)となり、すでに違反がある場合には、免許取り消しです。違反点数の前歴有無によって、免許取り消し期間は違いますから、通知が届いたら速やかに対応しましょう。

飲んではいけないとわかっているにも関わらず、飲んでしまうのは自己責任です。ただ、バイクを運転してきた事が分かっているに関わらず、「飲みに行こう」と誘ったり「運転はしませんか?」と確認をせずに酒類を提供した者(店)、一緒に飲んで同乗した人(二人乗りした人)にも罰則が適用されます。

行政・刑事罰を受けるだけでなく、飲酒運転したことが会社に知られてしまうことで、懲戒免職処分を受けたり懲戒解雇される可能性もあります。
社員が飲酒運転すると、企業イメージが悪くなったり、クライアントから契約更新を渋られたりするのが原因です。

また、飲酒運転では保険が使えずに保険金が出ないケースもあります。
大ケガをしたり、加害者になった場合に保険が使えないのは大きなダメージですし、解雇になってしまった場合には、家族に負担をかけることにもなるでしょう。

飲酒運転は、自分の人生だけでなく家族や周囲の人生までも変えてしまう恐ろしい事だということを覚えておいてください。

どうして飲酒運転はなくならないの?飲酒運転の原因一覧

飲酒運転は危険であり、事故を起こしてしまうとケガをするだけでなく犯罪者になってしまう可能性もあります。
こんなリスクがあるにも関わらず、どうして飲酒運転はなくならないのかを考えてみましょう。

違反意識がない

まずは、飲酒経験が浅くアルコールがもたらす怖さを分かっていないことが挙げられます。お酒を飲んでしまうと眠くなる、気持ちが悪くなるなどは、体の反応なので記憶に残るものです。

飲酒運転の事故は100%起こるわけでもないので、「たいしたことがない」「他人に迷惑をかけていないから」と都合よく解釈し忘れてしまいます。危険な目に合ったことがないので「自分だけは事故は起こさない」「死亡事故は他人事」のように捉えてしまうのです。

たいしたことがないと考えている

飲酒運転する事が違反行為であることは分かっているけれど、危険意識が希薄な人もいます。
たとえば「他人もやっているのだから」「今まで検挙されたことがない」「短時間だから平気」など、考え方も自己中心的です。

理性的な考えができないので、少量しか飲んでいないし睡眠も十分・お酒を飲んでも時間が経てばアルコールは分解されているとバイクで出勤してしまいます。

また、飲酒すると判断力が低下するので、周囲の静止を振り切ってバイクで帰宅してしまう人がいます。深酒するような環境にあるのであれば、バイクは置いてタクシーや電車を使って帰宅する、バイクで帰るからと断るか飲まない事を選択しましょう。

休日に自宅で飲んだり、友人を招いてバーベキュー大会で盛り上がり飲酒をする場合にも、翌日にバイクで出勤するのであれば飲み過ぎてはいけません。上司はもちろん友人も、バイクを利用していると分かっているならば、飲みすぎて通勤できなくならないように注意してあげましょう。

わざと飲ませるように仕向けたり、翌日の通勤に差し支えるほど飲ませてしまうのは同罪です。飲酒運転は死亡率の高い事故に繋がります。本人が気を付けるだけでなく、させないのが大切ですから、明日に差し支えるような飲み方をさせないようにしましょう。

飲酒運転を甘く見ている

悪質なのは「飲酒していても見つからなければいい」という自分勝手な考え方です。

確かに、飲酒運転が見つからなければ切符を切られませんし、免停にもなりませんよね。
ですが!そんな甘い考えで、飲酒運転を繰り返していると死亡事故に繋がるくらいの大きなトラブルを起こしかねませんし、必ず見つかります。

お酒を飲んでいる人の「大丈夫」は信用できませんし、非常に危険です。あなたの周りでお酒を飲んでバイクを運転しようとしている人がいたら、全力で止めてください。

「飲んだら乗らない」を徹底しよう

酩酊したり、記憶が無くなったことがないから、「自分はお酒に強い」「酔ったことがない」と勘違いしないでください。アルコールの分解速度には個人差がありますし、何時間も飲んでいるのに1時間程度で酔いが醒めることは絶対にありません。

「酔っていない」「酔いが醒めた」と感じるのは、アルコールによって脳の思考回路が鈍くなり、「これぐらいなら運転をしても大丈夫と」勘違いをしているだけです。まず、「飲んだら乗らない」を徹底するところから始めましょう。

お酒を飲んでしまったら、バイクは駐車場に置いて、電車やタクシーを使って帰りましょう。家族が飲酒をしていないのであれば、家族に迎えにきてもらうのもいいでしょう。夜遅くもしくは朝方まで飲んだ翌日は、寝不足もあるのでアルコール分解が上手くいかず、体内に残っている可能性があります。絶対に、バイクの運転を控えてください。

また、自分の体重だと、一晩でどれぐらいのお酒が分解できるのかを知っておくのも良いですし、精度のよいアルコールチェッカーを購入しておくのもおすすめです。

もし周りに、バイクで来ているにも関わらず「少しだけ」「いつも飲んでいる」と言っている人がいたら、その人がそれ以上お酒を飲まないよう、アルコールの代わりにソフトドリンクのグラスを置くなどして止めましょう。

また、お酒を飲んだあとにバイクに乗ろうとしていたら、「飲酒運転になっちゃうから、ダメだよ」「バイクはコインパーキングに停めて、タクシーで帰ろう」と一声かけるのも大事です。

それでもバイクで帰ろうとしていたら、罰金や免停の対象になるだけでなく、本人が事故にあってケガや死亡してしまったら家族が悲しむことを伝えてください。

それだけでなく、加害者になった時には家族が本人の代わりに責任を感じたり、周囲から責められ、今までのような生活が送れなくなることも教えてあげましょう。

身勝手な「大丈夫」で、大切な人の信頼を裏切り、家族を悲しませるだけでなく、職を失ってしまい人生を狂わせてしまうことも伝えてください。

まとめ

通勤にバイクを利用している人もいますので、急な飲み会に誘われることもあるでしょう。また、クライアントから会食に誘われれば断れませんし、お酒も「バイクなので」と断りにくい気持ちも分かります。

いくら仕事の付き合いでも、同僚と楽しく飲んだとしても、お酒を飲んだらバイクを運転してはいけません。ツーリング先で気の合う仲間とオフ会をしても、互いに飲酒運転をしないように注意しあうことが大切です。

「免停になっても、時間が経てば運転できるから我慢すればいい」そんな軽い気持ちでいることが、どんなに危険なのか分かってください。罰則で違反金を支払ったり、免許取り消しになるだけでなく、自分はもちろん事故を起こせば相手の人生を狂わせたり失わせることもあるんです。

バイクは普通に走っていても、事故に巻き込まれれば大ケガをする危険と隣り合わせています。
加害者にならない、加害者にさせないためにも、飲酒運転は本人の強い意志と、周囲の気配りで阻止していきましょう。