冬のバイク乗りの必需品!?使い捨てない防寒アイテム「ハクキンカイロ」!

冬は寒いからバイクには乗らないっていう人は、バイク乗りの防寒対策を知らないことが多いです。防寒対策したけど寒くてやめたって人もいるんですが、日本には素晴らしい文明の利器があり、それを使わずには冬は乗り切れません!

ちなみに筆者は、寒いのは嫌いだし、めちゃくちゃ寒がりの冷え性です。
そんな私が、マイナスの林道を平気で走れるのは「カイロ」という素晴らしいアイテムがあるからです。

使い捨てカイロなら自分も使ってるし、そんなに暖かくはならないと思ったあなた。
ここから先を読めば、すぐにバイクで走りたくなりますよ!

レトロな超有能アイテム「ハクキンカイロ」、皆さんご存じですか?

自然の息吹を感じる春や新緑の冴えた夏とは違って、ピーンとはりつめた空気の中を走る冬は、「生きている」ことを強く感じられる特別なものです。通常では考えられないくらいの冷気が精神をクリアにしてくれますが、楽しいと感じるには十分な防寒対策が必要です。

冬の防寒対策として、防寒ウェアに使い捨てカイロは必須ですし、中には電熱ウェアなどのハイテクグッズに頼ることも多いでしょう。

実際に、これらの防寒アイテムは役には経つのですが、時間と共に効き目が薄れてきたりバッテリー切れで急に体温が奪われてしまうなどのリスクも抱えています。

正直、使い捨てカイロは便利なのですが、ピークを過ぎると温度がどんどん下がるのに加えて冷たい風で暖かさを感じなくなります。電熱ウェアも最初はすごく暖かいのですが、使い捨てカイロと同じ理由で暖かさを感じなくなったりウェアが頑張りすぎてバッテリー切れで役にたたなくなるのです。

冬の風は想像以上に難敵で、こちらが考えている以上に体温とやる気が奪われていきます。
体温が低くなると、体の防御機能が働き体温を元に戻そうと頑張り始めますが、同時に眠気が襲ってくるのがるのがやっかいなところです。

バイクは事故を起こしやすい乗り物なので、常に緊張感をもって安全運転することが求められます。事故を起こさないためにも、体を冷やさない・温めるアイテムは長時間連続して使えて使えるものが必要なんです!

電熱ウェアよりもコスパがよく、長時間体を温かくしてくれる……そんな夢のようなアイテム。
その名は「ハクキンカイロ」!
冬山を楽しむ登山家やキャンプなど、冬にアウトドアを楽しむライダーの間では、定番の一品です!

ハクキンカイロってどんなアイテム?使い捨てカイロとはどう違う?

冬のツーリングは寒さとの戦いでもあり、先輩ライダー達の経験や英知によってさまざまな工夫がされてきました。重ね着や画期的なアイテムの使用、テクノロジーの進化によって生れたウェアなど、常に進化を遂げてきました。

その中でも、効率的かつ簡単でコスパ良しの防寒アイテムが、「ハクキンカイロ」です。
名前からしてレトロでロマンを感じるハクキンカイロ、実は使い捨てではなく繰り返し使える優れものなんです!

ハクキンカイロの特徴

「ハクキンカイロ」って戦隊ものや仮面ライダーに出てくる悪役の名前みたいですよね。
実は戦前に開発販売され、日本の冬から守り続けてきたレジェンド中のレジェンドアイテムなんです。
キャンパーの間では必需品、戦前に作られていた「オイル式」のカイロなんですね。

ハクキンカイロは、燃料であるベンジンと触媒である白金(Pt)が化学変化を起こすことで発生する熱を利用した画期的なアイテムです。

白金とベンジンがまざると、二酸化炭素(CO2)と水(H₂O)に分解され発熱が起こるのですが、なんと使い捨てカイロの13倍の発熱量があります。
バイクのエンジンと同じで、燃料が切れるまで熱を失わないために働くので、風を受け続けながら走るライダーにピッタリ!

安定した熱源であるだけでなく、燃料を調節すれば使用時間を自分でコントロールできるのもできるのも無駄がなくていいんです。スタンダードサイズなら、ベンジン2カップで24時間使えるので、半日なら1カップだけで温まることもできちゃいます。

省エネなだけでなく安全性も高いことから、SDGsを意識して海外での愛用者も増えている優れものなんですよ。

そして、見た目にも昭和レトロなデザインでロマンを感じるのもいいですよね。
バイクの防寒としては渋い感じもしますが、最新技術を使ったアイテムは電源がなかったら使えません。

防災アイテムとしても優秀ですし、燃料で熱源をキープできるハクキンカイロは、冬のライダーにピッタリなアイテムです。

こんな人におすすめ

防寒ウェアに熱源を身につけることが、冬のバイクを快適に安全に乗るライダーを支えています。
電熱ウェアも、マシンから直接電力を取るだけでなくモバイルバッテリーにつなぐだけでしっかり体を温めるものに進化しています。

ですが、電熱アイテムの操作が面倒くさい、バッテリーが荷物になるなど面倒くさいことはありますよね。

ハクキンカイロなら、そんな面倒な手間もかかりませんし、バッテリー切れを心配する必要もありません。冬のツーリングやアウトドアを楽しみたいのに、寒さで心が折れてしまいバイクに乗りたくなくなってしまった人にこそ、ハクキンカイロを使って欲しいです。

あと、女性ライダーにもすごくおすすめします。
男性よりも筋肉量が少ないので、体が一度冷えると温まるまで時間がかかってしまいますし、冷えは大敵!

楽しいバイクライフをもっと充実させるためにも、ハクキンカイロを携帯して冬のバイクを楽しんでください。

ハクキンカイロってどうやって使うの?

低燃費で長時間使えるだけでなく、部品を交換すれば「半永久的」に使えるエコなハクキンカイロ。バイクに使い捨てカイロを使う人も多いですが、ゴミにもなりますしコスパを考えるとハクキンカイロの方が圧倒的に有利です。

構造も単純で、一度使えばその保温力の虜になること間違いありません。
ここでは、簡単な使い方をわかりやすく解説します。

■用意するもの

  • ライターかマッチ
  • 漏斗 (100均で買えます)

①火口をタンクから外し「プラチナ触媒」が見えるようにしますが、どちらも絶対に指などで触らないでください。

構造が気になる・本当に暖かくなるのか不思議で触ってしまう人がいますが、指の油や汚れが付着すると着火しにくくなるので注意してください。必ず、本体の金属部分を持って外してください。

②本体に漏斗を使ってベンジンを注入していきます。

ベンジンは引火しやすいので、ライターなどはまだ使わないようにします。
量は、ハクキンカイロのサイズで利用時間が異なるので、説明書を参考にしてください。

ベンジンを最大量まで入れると、プラチナ触媒に上手く浸透しないので、逆さまにして軽く振り余分なベンジンを落とします。

本体サイズ ミニ
容量 1.5カップ
持続時間 18時間
本体サイズ スタンダード
容量 2カップ(1カップ)
持続時間 24時間(12時間)
本体サイズ ジャイアント
容量 4カップ(2カップ)
持続時間 30時間(15時間)

③火口を閉めたらライターなどで火をつけます。5秒程度あぶったら火を消して、火口がほんのり赤くなっているか、蒸気で蓋が曇るかチェックしたら完了です。

ライターで火をつけても炎が上がるわけではないので、あまり長時間火を火口に近づけないようにしましょう。

④蓋を閉めたら専用の袋に入れる

10分程度で、素手では持てないくらいの温度になります。低温やけどのリスクがあるので、手早く専用の袋にしまってください。

ケースの上から温かさを感じるようになれば、横向きにしても大丈夫なのでパンツのポケットや上着の内ポケットにしまい込みます。

ハクキンカイロの使い方の動画はこちら

発熱量だけじゃない!ハクキンカイロの魅力は「ロマン」だ!

使い捨てカイロはバイカーには便利なものですが、体中に貼り付けた姿を見ると我ながらガックリしてしまいます。なんかね…年寄りくさいと言いますか、こんなに貼らないとダメなんだ…って気持ちになるんですよ。

その点、ハクキンカイロは見た目にシンプルで機能性も抜群!これが約100年前に開発されたことにロマンを感じます。

明治中頃は、路面電車に人力車が走り回り、水は井戸から汲みだし、食事は薪や油を使ったあんどんなどで、冷蔵庫や洗濯機、ストーブなんて洒落たものもありません。

そんな時代に、暖を取るためにハクキンカイロが生み出され、令和まで使い続けられている、これにロマンを感じない人はいないでしょう。

また、ZIPPOライターと同じ真鍮を使い、厄災を払うクジャクのモチーフを施すことでおしゃれ感もあります。そして、手軽に使える使い捨てカイロとは違い、燃料を入れて着火させるひと手間が、便利な世の中にない魅力を感じさせます。

最近の手帳ブームから、アナログへのオマージュとして万年筆の需要が高まっていますし、吸引式インクを使った「水ペン」などの文房具が注目されています。

便利になった世の中だからこそ、その歴史の原点を回顧するアイテムが見直されているのではないでしょうか。

バイクもチョークからキック、セル式と、どんどん手軽に進化していますが、ライダーの中には「昔のバイクがいい」とこだわる人も少なくはありません。

それは「便利」や「機能性」だけをバイクに求めるのではなく、ひと手間をかける愛おしさに、何らかのロマンを感じているのではないかと思います。
ハクキンカイロは、消耗品の火口を交換すれば半永久的に利用できるので親から子、祖父母から孫に引き継ぐこともできるんです。

あとは好みですが、ベンジンの香りが懐かしく感じるところにもロマンを感じることがあります。
曾祖父母が着物を好んでいたことから、祖母も普段から着物で生活しているのですが、着物のシミ抜きにベンジンを使うそうで…。

どこか懐かしいような不思議な香りと、バイクのオイルがシンクロするようなところも個人的に感じるロマンです。

まとめ

昨今は、使い捨てカイロも進化をし続けて「マグマ」とかとんでもない商品も見かけるようになりました。便利とレトロをはかりにかける気はありませんが、使うならゴミにならない方が地球にもライダーにも優しいですよね。

燃料を入れて着火する、このひと手間がバイクに乗るための気持ちをピリッと引き締めてくれるように思います。バイクの防寒としては渋いですが、温かさの持続性や携帯性、環境への配慮など、防寒対策としてハクキンカイロを選ばない理由はないでしょう。

皆さんも、この機会にハクキンカイロ持参で冬のバイクを楽しんでください。