あたたかな日差しに誘われて出かけるツーリング。
ウキウキワクワクする気持ちを抑えきれずに出かけるけれど、ある場所に行くと足がすくんでしまう…そんなことはないでしょうか。

暗くて狭く空気もよどんでいるようで、バイクも前に進まなくなってしまい気分まで落ち込んでいくように感じてしまう…そう、トンネルです。

今回は、ツーリングに出かけるとトンネルを怖いと感じてしまう理由や改善対策についてご紹介していきます。

春だ!ツーリングだ!……久しぶりの怖いスポットだ!!

桜の開花ニュースが流れると「そろそろツーリングに出掛けよう!」と、ウキウキしているバイク乗りの方も多いのではないでしょうか?

長時間走っても飽きないくらいに景色が変わるのが、春ツーリングの楽しみなので「どこにいこうかな」と計画を考えるのも楽しみの1つです。

最初は近場で楽しめますが、せっかくなので港や海辺、峠を超えて高台へ!
ところが、実際は風に吹かれて暗く長いトンネルを抜けないといけないし、強風に耐えなければならない橋など悩みが出てきます!

そして、ナビに頼れば、見たこともない景色に舗装されていない砂利道!マジか!!というくらい険しい道のりに心がくじけそうになることは毎回…。

海底を通る道路トンネル「アクアトンネル」は、別の意味で怖くて震えましたし、岐阜県の飛騨市河合町と大野郡白川村を結ぶ「飛弾トンネル」は長すぎて泣きそうになりました。

また、左寄りに走っている時にビニール袋が落ちていたためにスリップしそうになりヒヤリとしたこともあります。
こうした怖いポイントに耐えながらのツーリングって、結構メンタルが削られます。

ということで、今回はツーリング中に出くわすと怖いポイント、その対策について解説します!
対策をしっかり頭に入れて安心・安全にツーリングを楽しみましょう〜!

ツーリング中の怖いスポット①:トンネル

音の反響が楽しめることもあり、子供のころは歩行者専用トンネルで大きな声を出したりして歩いた記憶があります。エンジン音が響くことで、振動がするとビクッとしたりしませんか?

仲間内での「ツーリング中の怖いスポットあるある」で、ダントツで話題に上がるのが「トンネル」です。
実際、どのような点が危険なのか自分や仲間の体験から紹介していきます。

トンネルの怖い点

トンネルの怖い点を4つまとめてみましたので、共感してもらえる点があれば嬉しいです。

①暗くて怖い

人間は明るい場所から、急に暗い場所に入ると目のピント調整が追い付かないために、しばらく何も見えません。古いトンネルだと照明が切れていたり「LED」に変更されておらず、薄暗い中を走行することになります。

平衡感覚が失われてしまうと壁にぶつかってしまいそうになったり「中央に寄り過ぎた!」を繰り返したりしてしまうので危険です。

②水たまりで滑る

トンネル内で時折水たまりに遭遇することはありませんか?
山をくりぬいて作られたトンネルは、湧き水や地下水などが染み出すことがあるので路面が濡れています。

入口ならいざ知らず、日も当たらないトンネルの中心は水たまりになったまま乾きません。
これが車などによって道路に巻き散らかされてしまうと、スリップの原因になってしまいます。

③無理な追い越しをされてビクッとしてしまう。

同じライダーとして恥ずかしいと思うのですが、たまーに「俺ってテクあるぜ!」みたいなヤンチャさんに遭遇します。同じバイク乗りとしては「恥ずかしいからやめて!」と思うのですが、勘違いしてるライダーって結構いたりするんですよ。

車もそうですけど、トンネル内で他人の車やバイクの車種を気にする余裕はないですからね。

④なんとなく怖くなる

一番多かったのが「暗くて圧迫感がある」「ソロで夜走ると、何か出そうで怖い」など恐怖心が出てきてしまうという声です。トンネルって心霊スポットにもよくあるので、なんとなく不安というか思い出しちゃうんですよね…。

トンネルの怖い点への対策

トンネルが近づいてきたら早めにライトを点灯しましょう!急に暗くなるより、前方が照らされた方が光量の差が少なくて目が慣れやすいです。

また、ひと呼吸おいたら減速し、前の車両との車間距離を少し長くすること。
トンネルに入る前には減速する車が多いので、衝突を避けるためにもゆるやかに減速しておきます。

水たまりに関しては、あまり左によらないように車線の中央の位置におしりを置く、を心掛けましょう。「バイクは端を走った方が…」と遠慮しなくていいです。原付バイク以外は、車線の中央の位置におしりを置くを意識して走行してくださいね!

急な減速は追突事故につながるので、基本トンネル内では制限速度を守って追い越さないように注意します。ライトを点灯すれば、前方の異常にも気づきやすいので姿勢を崩さずに前をしっかりみて走り抜けてください。

無理な追い越しを仕掛ける車やバイクもいますが、はた目にはダサいしカッコ悪い行為ですし、危険で周囲にも迷惑です。カッコいいと思っているのは本人だけ…ただの迷惑行為ですし、高齢者や女性ドライバーに恐怖を与える乗り方って恥ずかしいですよね。

マナーを守ることは安全運転にも繋がるので、追い越されても気にせずにマイペースで走りましょう。「なんとなく怖い」については、最初から怖いと思ってバイクを走らせてしまうと、余計に怖く感じてしまいます。

トンネルがあることが事前に分かっているのであれば、その手前で小休憩し背伸びして深呼吸するなどしてリラックス。

「怖い」「何かいる」と思い込むことが一番良くないので、無心で走り抜けるか歌を歌いながら走るのがおすすめです。アンパンマンのマーチは歌いやすいですし、元気がでるのでトンネルも怖くなくなりますよ!

ツーリング中の怖いスポット②:大きい橋

景観がよく解放感溢れる大きな橋は、ツーリングでも度々お世話になることが多いスポットですよね。青空の下、バイクを走らせるのは最高に気持ちがよく解放感いっぱいですが、どうして怖いと感じてしまうのでしょうか。

大きい橋の怖い点

大きな橋は距離も長いので、強風の煽りを受けることで車体がふらついたり走行がしにくくなります。初心者は特に不安に感じてしまいますし、橋の継ぎ目の振動をダイレクトに感じるので「うわっ!揺れた!」とびくついてしまうこともあるでしょう。

車とは違って「衝撃」や「風」を肌で感じることに慣れていないことが、恐怖心となって強く心に残ってしまうのです。

また、「絶景橋」と呼ばれる橋の多くは高さがあるので、高所恐怖症の人にとっては難易度が高いといえるでしょう。兵庫県の明石海峡大橋は、海面上約300mと東京タワーとほぼ同じ高さですし、瀬戸大橋でも高さ31m(ビルの7階・8階相当)あります。

景観としては非常に素晴らしいものがありますが、そこをバイクで走るとなると高いところが平気でも腰がひけてしまうのは仕方がないのかもしれません。

大きい橋への対策

ツーリングに出かける前には、必ず天気予報で翌日の天気だけでなく風速を確認しましょう。
風など自然の影響を受ける地域には、必ず電光掲示板等があり「注意表示」などが点滅します。一度吹いた風は、同じ方向へ何度でも吹いてくるので渡り始めてから後悔しても遅いんです!

恐怖を感じながら橋を渡ってしまうことでトラウマになると、ツーリングが楽しくなくなってしまいます。橋の継ぎ目は気にしないのが一番ですが、安全に確実に渡るのであればスリップの危険性のある雨の日は走らないのが無難です。

また、継ぎ目が見えてきたらゆっくり減速し、一気に渡り切りましょう。スピードさえ抑えておけば、スリップしたりコケたりする心配はありません。

高いのが苦手、怖いなら無理にバイクで渡らずに最初から別の交通手段を使うか、迂回できる道を走るのが得策です。海を渡るならフェリーもありますし、高速料金と比較してもそこまで高額ではありませんよ。

恐怖心から運転できなくなったり、事故に繋がるような走りになるくらいなら、お金を払ってでも心の平安を優先すべき。「ちょっと怖いかな」くらいでいけそうなら「下は見ない」「視線はまっすぐ」走りましょう。

車のお尻を顔に見立てたり(カーズみたいに)、前の車のナンバープレートだけを見て走る……という手段もあります。

ツーリング中の怖いスポット③:舗装されていない道(砂利道)

日本の道路は舗装もきれいで安全といわれていますが、迂回したり下道を走っているとたまーに砂利道に遭遇してしまうことがあります。
普段から慣れていないと、ちょっと恐怖を感じてしまいますよね。

舗装されていない道の怖い点

砂利道も色々で、細かい砂利道であればそこまでハンドルを取られることもないのですが、砂利が大きかったり不揃いの場合にはハンドルを取られ、スリップしやすくなります。

中には舗装がはがれているところにタイヤがはまってしまい、どうすればいいのか焦ってしまうこともありました。(近所の農家のおじさんが助けてくれました)

秋から冬にかけては一斉に道路工事が始まるので、正直どこで出くわすか分からない恐ろしさがあります。

舗装されていない道への対策

とにかく「焦らない」「ギアを落とし、一定速で走行する」のが基本です。
減速はリアブレーキを使い、カーブはバイクが真っすぐ立った状態でゆっくり曲がるようにします。落ち着いて走ればコケることもないので、焦らずに落ち着いて行動しましょう。

スーパースポーツのような前傾姿勢のバイクは、砂利道では非常に走りにくさを感じます。
砂利道でタイヤをとられてしまった時には、慌てて急ブレーキをかけないことです。

まずは、体の力を抜き低速走行で、ゆっくりとスロットを開きながらバイクを前進させます。力を抜いてある程度ステアリングに任せておけば、自然と抜け出すことができます。

最後に、ある程度自分でツーリングコースの情報収集をしておくこと。
とは言っても、舗装工事情報はリアルタイムで確認することができませんよね。

砂利道は「どこにあるかわからない」から怖いのであって、わかっていれば回避もできるし走らなければいいわけです。ある程度は、砂利道の走り方を覚えて遭遇した時に焦らないようにしておきましょう。

まとめ

ツーリングでトンネルや橋を渡るのが怖いのは、苦手意識があることもそうですが「バイクに慣れていない」ことも恐怖心に繋がってしまうのだと思います。

誰でも最初は慣れない場所にツーリングに出かけるのは怖いものです。
失敗やトラブルは成功への一歩ですから、安全運転を心がけてツーリングを楽しみましょう!