バイクに乗っていると手が痛い……クラッチの握り方など、原因別に対策を解説!

バイカーに多いのが「腰痛」「肩こり」「脚のむくみ」に「お尻の痛み」です。
これに加えて、「手首が痛くなる」「腕が重くて上がらない」など「これって老化現象?!」なんてドキッとしたことはありませんか。

クラッチを切るときに、つい力が入ってしまいバイクを降りると疲労感でぐったりしてしまう人もいるはず。

今回は、バイカーあるあるな「手の痛み」の原因と対策を解説します!
あっ……と思い当たる節があるなら、これを読めば解決間違いなしですよ。

バイクに乗っていると、手が痛い!

バイクは眺めているだけでも楽しいですが、やっぱり運転しているときが一番ワクワクするものです。

ところが、ロングツーリングだったり、天候が悪く足場に注意が必要なライディングが続くと腕や手が痛くなりませんか?

「疲れたからかな?」と思ってストレッチしたり、手をぶらぶらさせてリラックスしたりしても、運転を再開すると、腕のだるさや痛みが襲ってくる……
そんなもやもやした状態では、楽しいはずのツーリングに集中できなくなります。

免許を取得してからしばらくは、「安全運転!」と気合を入れすぎてしまい、クラッチを握り過ぎることで、手の痛みが悪化して日常生活に影響が出てしまいました。

何事も「やりすぎは良くない!」ということで、本記事は、バイクに乗っているときに起こる手の痛みについて紹介しています。
自分の痛みはどこからくるのか?原因を知れば対策もできるはず!

原因別の対策も紹介していますので、しっかり改善し、健康なバイクライフを楽しみましょう!

手の痛みの原因①:グリップの握り方が悪い

バイクを運転していて手首が痛くなったり、手のひらがずしんと重くなったりしたときにどんな風に対処していますか?

多くの人は「手首を回す」「ツボを押す」などの、緊急対策を行っている方が多いでしょう。
瞬間的には軽くなりますし痛みもなんとなく治まりますが、グリップを握った時に違和感があったりすると心配ですよね。

グリップは力を入れずに握る

多くのライダーは、グリップの握り方に問題があります。
もちろん、ライディングポジションが悪い、慢性的な運動不足やスマホの使いすぎなども関係しますよ。

教習所では「卵を軽く握るように」と指導された記憶がありますが…卵って握ります?
漠然としたイメージでグリップを握るので、自然と力が入ってしまい「じゃんけん握り」になっている人が多いんです。

じゃんけんの「グー」した状態で、手首を上下に動かしてみてください。ロックがかかったように可動域が狭くなっていませんか?
腕も固くなるので、この状態でグリップを握り運転すると、上半身が固定され背中まで疲れてきます。

疲れた体を楽にしようとグリップを押し出すと悪循環となり、手首にはさらに負担がかかるようになります。

痛みの改善と対策

親指に力が入らないと日常生活が送りにくくなるといわれるくらい、体のバランスに必要なものです。
ところが、ここに力を入れすぎてしまうとライディングそのものに影響を与えてしまいます。

野球やテニス経験がある人ならわかると思いますが、グリップは小指と薬指を中心に握り、他の指は角度や方向をコントロールするために使います。大谷選手やイチロー選手のバットの握り方を見ればわかりますが、小指と薬指を支点にしてバットコントロールをしています。

自分は剣道をやっていたこともあり、イメージが掴めていたので実践も難なくできました。実際にやってみるとライディングが楽になったので、是非実践してみていただきたいです。

親指の付け根下(ふっくらとしている場所)が痛い人は力が入りすぎているので、クラッチを小指から軽く握り、親指は添える感じで走ってみてください。

手の痛みの原因②:クラッチレバーの操作の仕方が悪い

クラッチを握ると手の真ん中あたりにピリッとした痛みがある人はいませんか?
これはクラッチ操作に力が入りすぎてしまい、左手の真ん中あたりが痛くなるのです。

クラッチ操作は手首と指を柔軟に

上記で説明したように「グー握り」でクラッチ操作すると、親指がグリップのツバにグイグイ当たるので手首に力が入り手が痛くなります。手の小さな人は、クラッチをしっかり握らないと不安に感じるかもしれませんが、ハンドルはやや外側を握りましょう。

てこの原理で、内側に近い方が力を使うので、強く握らないとクラッチ操作がしにくくなります。
渋滞に巻き込まれたとき以外はクラッチを握り続ける動作はありませんから、臨機応変に握る場所や操作方法を変えてみるといいでしょう。

操作方法を変えてみる

渋滞や信号待ちなど、クラッチを握っている時間が長いときには、手首を返し指でレバーを引きます。この方法であれば腕を突っ張らず、リラックスしたライディングポジションを取りながら操作ができます。

運転中の素早いクラッチ操作のみ手首の返しを使うなど、使い分ければかなり楽になります。

使いやすいようにカスタマイズする

クラッチやブレーキレバーの高さを調節できるのであれば、やってみてはいかがでしょうか。
自分が運転しやすいようにクラッチ・ブレーキレバーをカスタマイズしてしまう方法もあります。

人によっては純正よりも握りやすいと感じるので、カスタマイズに興味があるならチャレンジしてみましょう。

グローブがフィットしていないと、ハンドル操作はもちろんクラッチやブレーキ操作がもたつきますし、疲れてしまいます。
ちょっと高くても、操作性がよくなるグローブに取り換えるのもいいですね。

手の痛みの原因③:クラッチ周りの部品が劣化している

ライディングポジションのクラッチレバーの握り方には全く問題がない!なのに左手だけが痛いなら、部品の劣化を疑ってみましょう。
最初からクラッチが重い車種もありますが、そうでない場合には部品損傷や劣化を疑いましょう。

ワイヤーの油が切れている

ワイヤー式クラッチの場合、油が切れてしまうとクラッチがどんどん重くなっていきます。
取り付け部分のネジに油がなくなっている場合には、ボルトを外して汚れを落としグリスアップして戻します。

クラッチ動作を確認して軽くなっていれば問題なし!これでも重さを感じる場合には、アウターケーブルのオイル切れが考えられます。
ワイヤーはドライタイプのオイルを差す、茶色の油が出てくるようならワイヤー交換しましょう。

錆や劣化はクラッチが重くなる、走行中にワイヤーが切れる原因にもなります。
非常に危険ですから、定期的なメンテナンスを行っておきましょう。

クラッチレバーの位置や遊びに問題がある

バイクのシート高は一定ですから、身長によってはクラッチレバーの位置が高い、低いといった悩みが出てきます。
特に下向きすぎているクラッチは、操作がしにくく手に力が入ります。

レバーを調整するだけで握りやすくなりますし、左手が疲れたり痛みを感じなくなるでしょう。
ワイヤー式であれば、アジャスターを調節して適度に遊びを持たせると軽くなりますが、多いとクラッチが切れなくなるので注意してください。

手の痛みの原因④:腱鞘炎になってしまっている

「何をするわけでなくても手首が傷む」「ずしんと左手が重い」「ひじから下がおもりのように重くて辛い」
ここまできてしまうと腱鞘炎になっている可能性が高いです。

腱鞘炎かそうでないかは、親指を手のひら側に動かして痛みがあるかないかでわかります。
親指を動かして痛みがないのであれば、手首の疲労や腕がこっているために痛みを発症していると考えられます。

腱鞘炎とは

手首から指先にかけて、手指の骨と筋肉をつないでいる腱(けん)があります。
この腱が動いていることで曲げたり伸ばしたりの動作ができるのです。

腱はゴムのような働きをする組織で、腱鞘によって骨から離れることなく動きます。曲げたり伸ばしたりすると、腱鞘の中を腱が行ったり来たりしていると考えてもらえばいいでしょう。

これが、何らかの原因によってこすれてしまうと炎症を起こし腱鞘炎になります。
バイクのクラッチ操作が原因で起きる腱鞘炎は、親指側の腱鞘に炎症が起こる「ドケルバン」と呼ばれるものです。

親指を動かすと手首まで痛みが出たり、悪化すると腫れてきたりするので早めの対策が必要です。

手首をよく使う人は要注意

クラッチ操作だけでなく、仕事でデスクワークが多くパソコン作業で手指を動かす人は要注意です。料理人など、職業的に鍋のように重くて大きなものを毎日使う人もなりやすい傾向があります。

腱鞘炎になってしまったら「悪化させないようにする」のが一番です。
治療法としては「血行を促す薬」を処方してもらって安静にするのが一番ですが、仕事でどうしても手指を動かす必要がある場合には「サポーター」を使います。

サポーターは市販の物より、整形外科で症状にあったものを購入した方が早く治ります。
腱鞘炎を甘く考えていると、手術が必要なまでに悪化するので、無理して動かさないようにしてください。

腱鞘炎にならないために

腱鞘炎になりやすい・そうでない人の違いは、運転に力が入りすぎているか、うまく力を抜いているかです。運転に自信がなく力が入ったり、安全運転を意識しすぎて体の筋肉が緊張しやすかったりする人は要注意です。

腱や筋肉も加齢と共に衰えていきますので、適度な運動習慣で筋肉を柔軟にしておきましょう。
軽く痛みが出た時に安静にするのはもちろん、1時間に1回程度のストレッチを取り入れると予防になります。

できるだけシャワーではなく、入浴で血液などの循環を高め腱鞘をやわらかい状態にするのが大切です。

まとめ

腱鞘炎になると完治するまで時間がかかりますし、サポーターはあくまでも添え物で「治すために使う」ものではありません。
ここまでひどくならないためには、「痛みの原因」を特定し早めに対策を取ることです。

左手が痛くてバイクの運転ができなくなった……なんてことにならないためにも、違和感を感じたらすぐにケアしてください。

バイクを長く楽しむためにも、バイクのメンテナンスだけでなく自分自身の体をしっかりとケアしましょう!