タイヤは最強のカスタム!?自分にピッタリのタイヤを見つけよう

バイクの性能を変える最強のカスタムは、タイヤ!?

愛車をカスタムするのは、バイクオーナーにとってものすごく楽しい時間。愛車の性能を存分に発揮させようと試行錯誤することもしばしば……。そんなバイクを愛する皆さん、最強のカスタムがあるのをご存じでしょうか。

それはなんと……タイヤです!実はタイヤを替えたり、空気圧を調整するだけで乗り心地は大きく変わるんです。また、タイヤの種類によって気になる燃費も変わってきますよ。

そこで今回は、バイクのタイヤについて解説します。「日常的に支えてもらっているけど、詳しくはあんまり知らない……」そんなタイヤの世界を覗いてみましょう!

バイクのタイヤの仕事って何?今更聞けないタイヤの役目

バイクや車についているタイヤには以下のような役割があります。

  • ①バイクやライダーを支える
  • ②路面からの衝撃を和らげ、スムーズに走行できるようにする
  • ③駆動力・制動力を路面に伝える
  • ④車体の方向転換や維持など、進みたい方向に車体を導く

                    

①バイクやライダーを支える

タイヤ内の空気圧を使って車体やライダーを支えます。適切な空気圧を保つことが重要です。

②路面の衝撃を和らげ、スムーズな走行が出来る

乗り心地に影響します。適切な空気圧とゴムの弾性によって、タイヤ全体で衝撃を和らげます。

③駆動力、制動力を路面に伝える

バイクが進む時や止まる時のエンジンやブレーキの力をタイヤに伝えます。これにはゴムの摩擦力が使われていて、駆動力や制動力が限界を超えるとタイヤが滑り始めます。

④車体の方向転換や維持など、進みたい方向に車体を導く

ライダーが行きたい方向へバイクを曲げ、直進では方向を維持します。 速度が速いままだと、カーブではタイヤがバイクの傾きと接地面を合わせる事ができずスリップの危険性が増します。

タイヤの種類で燃費が変わる!?種類の違いを解説!

タイヤはサイズが違うだけで後は全て同じに見えてしまいますが、実は製造方法に違いがあり、 バイアスタイヤとラジアルタイヤの2種類に分かれます。

バイアスタイヤ

バイアスタイヤは、中心線に対して30〜40度の角度(バイアス)で骨格となる層(カーカス)に保護と剥離を防ぐ層(ブレーカー)を貼り合わせる方法で製造されたタイヤです。
ラジアルタイヤに比べて設計の自由度は少ないですが、剛性を上げる事が出来ます。

接地面が変形することで衝撃を吸収しますので、低速での乗り心地が良く、アメリカンタイプのバイクやスクーター等快適性を重視するバイクのタイヤに使われます。構造が簡単なので価格も安いですが、寿命がラジアルタイヤよりも短いです。

ラジアルタイヤ

ラジアルタイヤはカーカスのコードがタイヤ側面からみて放射線状(ラジアル)に並んでいます。ベルトは中心線から0〜20度の角度で取り付けられています。
ラジアルタイヤの剛性はベルトだけで決められるので、デザイン(トレッドやサイドウォール)のラインナップが幅広いです

バイアスタイヤよりも柔らかいグリップ力のあるゴムを選択できるなど、設計自由度が高いのが特徴です。高速耐久性に優れていて、ほとんどのオンロードスポーツバイクに採用されています。また、安定感があり燃費も良いのも特徴です。構造が複雑で値段も高いですが、グリップ力がバイアスタイヤよりも高いです。

タイヤは水はけも大事!トレッドパターンについて解説!

タイヤの部分のうち、路面に接するところのことをトレッドと呼びます。

トレッドには摩耗やスリップを防止する為、様々な模様(トレッドパターン)が刻まれています。トレッドパターンは、雨天時のタイヤと路面の間の排水、駆動力や制動力の増加、ハンドリングの安定性や放熱性の向上に貢献しています。また、デザインもいろいろありますので、ファッション性を高めるのにも役立ちます。

トレッドパターンは左右対称・左右非対称の2パターンのデザインがあります。

左右対称のデザインパターンは、溝や切り込みにワンウェイの方向性を持たせることで排水性を高め、左右非対称のデザインパターンは左右で溝のデザインを変える(一般的に外側のブロックを大きくする)ことで、コーナリング性能を高めています。最近は運動性能や快適性が高い非対称パターンのトレッドパターンが多いです。

またトレッド面にはスリップサインと言ってタイヤの摩耗限界を知ることのできるマークがついています。タイヤの側面を見ると▲マークがあり、それに沿ってトレッド面を見ると溝の中に0.8ミリ盛り上がった部分があります。その部分がトレッド面と同じ高さになると使用限界となります。

スリップサインが露出してからもさらに使用を続けると走行中にバースト (破裂)したり、グリップが無くなって転倒したりなど重大な事故を起こす可能性があります。
※バイクの車検は0.8ミリ以上のタイヤ残量がないと合格できません。

タイヤの空気圧で乗り心地が変わる?空気圧をセルフチェック!

タイヤはゴムで出来ているため空気は漏れないのでは?と思っているライダーは意外と多いです。しかし、タイヤはパンクなどの異常がなくてもごくわずかな隙間から徐々に空気が減ってきます。タイヤの空気圧が減るとバイクの押し引きが重くなり、走行中も車両が安定せずに乗り心地が悪くなり危険です。そして路面に接する部分と重さが広がる為、燃費も悪くなります。

バイクにも車と同じく「指定空気圧」があります。
大体のバイクはスイングアームの左側に1人乗車用と2人乗車の時の指定空気圧が記載されたシールが貼られているので確認しましょう。スイングアームがカスタムしてある場合や、劣化などでシールが無い場合は取扱説明書やネット、バイク販売店で確認しましょう。

空気圧の点検は、バイクに久しぶりに乗る時だけでなく、最低でも月に1回はした方がいいでしょう。
家で出来る空気圧の点検では、自転車用の足踏み式の空気入れが使えます。使用の際には、先端を自転車用の英式から米式バルブ用にしないとバイクには使えませんので注意してくださいね。また、自転車用空気入れはゲージがついているものが少ないので、別でタイヤゲージを購入する必要があります。

ガソリンスタンドでは、コンプレッサーを使ってゲージを見ながら素早く空気を入れる事が出来ます。バイクのエアバルブはホイールの中央についている事が多いので車よりもエアバルブまでのアクセスが難しいです。

そんな時は、90度に曲がっているものや斜めに角度のついたエクステンションバルブを使ってみてください。自分で調整する時やガソリンスタンドで店員さんに入れてもらう時も、スムーズに空気を入れる事が出来るので、バイクに乗る時は準備しておくことをオススメします!

使わないタイヤはどう保管するのが正解?屋根なしの場所に放置はNG!

バイクの場合、雪道を走るのは危険すぎるため、車のようにスタッドレスタイヤに交換…などはそもそもしないと思いますが、中にはサーキット用と日常用を使い分けて保管されてる方もいるかと思います!

また、車を運転される方(特に雪が降る地域にお住まいの方などはスタッドレスタイヤが必須のため)の中には、自宅でタイヤを保管しているという方も 多いのではないでしょうか?

実は、保管場所や保管状況によってはタイヤの傷みが早くなってしまいます。

例えば、タイヤは紫外線や、雨や水などの水分が多い所、熱やオゾンを発生させる機器の近くに置いておくと劣化がかなり進みます。
屋外の保存は、直射日光や寒暖差、湿気などで劣化が速く進んでしまうので、できれば屋内保管することをおすすめします。

しかし、タイヤは大きいので屋外や倉庫に置かざるを得ないことも多いですよね。屋外保管をする際のポイントがいくつかあるので紹介します!

タイヤワックスを綺麗に拭き取る

タイヤのゴムは吸油性がありますので、保管前にタイヤワックスを綺麗に拭き取りましょう。拭き取らないままにしておくと、サイドウォールにヒビが入ってしまうこともあります。

タイヤカバーをつける

タイヤは裸で保存するのではなく、タイヤカバーをつけましょう。そうすることで紫外線やオゾン、熱源からタイヤを守る事が出来ます。

乾燥した場所に保管する

高温多湿でゴムが加水分解を起こすことがあるので、保存は乾燥した場所を選ぶようにしてください。雨が続く梅雨の時期などは特に気をつけるようにしましょう。

積み重ねて保存する場合

タイヤを積み重ねる場合は、下に段ボールなどを敷いてタイヤの油分を床に付けないようにしましょう。
タイヤラックがあるとタイヤを収納した後に移動させる事が出来るので便利ですよ。

番外:パンクしたら、早めにタイヤ交換を!

道路を走る上で避けられないのはパンクですよね。
釘やボルト、最近では電子タバコが刺さっていたりと「道路にこんなものが落ちているのか ……」と楽しいツーリングが一気に残念なものに変わってしまいます。

雨の日の翌日や工業地帯周辺のトラックが通る箇所は、パンクの可能性が高くなるので注意しましょう。
道路の端を走ると色々な物をタイヤで踏んでしまうと思いますが、運悪くパンクしてしまうと徐々に空気が抜けていってしまうため、そのままにしておくのは危険です。
近くのバイク屋を見つけてパンク修理をしてもらい空気圧を調整し直してもらいましょう。

刺さっている箇所がタイヤのトレッド面の端過ぎたり、サイドウォールに刺さっていたり、大きすぎるものが刺さっていたりするとパンク修理は不可なので、まだタイヤに溝があったとしても交換が必要です。また、スリップサインが近くなってきたタイヤもパンク修理剤が上手くつかないので、これもタイヤ交換が必要になります。

パンクを補修で修理しても、これはあくまで応急処置です。修理してもらっても通常のタイヤに戻るわけではないので、タイヤがたとえ新品だったとしても長く使わず、早急にタイヤ交換をするようにしてくださいね。

まとめ

いかがでしょうか?タイヤと一言でいっても製造方法の違いやサイズ、自分の使うバイク、走るスタイルによって様々な種類があります。
バイク屋さんに行くとカタログがあり、走るスタイルによるタイヤのクラス分けなど多くの情報が得られます。店員に聞くとより早く自分の求めているタイヤが分かるので、悩んでいる方は質問してみてください。

また、空気圧は自然と減っていくものなので定期的な空気圧チェックをし、安全で快適な運転にしていきましょう。
是非タイヤに興味を持って調べてみて、マッチするタイヤを付けてみてください。バイク乗り換えた?と思えるくらい走りに違いを感じることができますよ。妥協せずにタイヤ選びをしていきましょう!