バイクのエンジンがかからない・急に止まったときの原因と対処法を解説!

出先でバイクが動かなくなった……レッカーを呼ぶしかない?

突然やってくるバイクの不調。その中でも特に焦るのが「エンジンがかからない」「急にバイクが止まった」ではないでしょうか。
ツーリング中に急にバイクが動かなくなったら焦りますし、これから出かけよう!という時にエンジンがかからないと予定が台無しに……。

とはいえ、バイクが動かない・エンジンがかからない原因にはガス欠だけでなく、単なるうっかりミスもあるんです。
この記事を読んで、まずは簡単なポイントからチェックしてみましょう。

バイクが動かなくなったら、まずココをチェック!

楽しくツーリングしている最中や、お昼休憩をして「さあ出発だ!」という時にバイクが動かなくなってしまう……。考えるだけで怖いことですが可能性がない話ではありません。よくあるトラブルの対処法を事前に知っておくと、不安を減らすことができます。

バイクは車と違って、エンジンをかける順序や方法が複雑な場合があります。例えば、エンジンがかからないと焦ってしまい、ずっとセルボタンを押し続けてしまうライダーは多いです。セルボタンを押し続ける前に、簡単なチェックをしてみましょう。

ガソリンの量が少ない(ガス欠)

まず最初にチェックするのはガソリンの残量です。ガソリンが少ない場合至急給油が必要ですが、バイクのエンジンが新しい電子制御式の「インジェクション方式」か、古い機械式の「キャブレター方式」かによって、日頃から心掛けることが変わってきます。

キャブレター方式のバイク

最近のバイクだとガソリンメーターは当たり前についていますが、昔のバイクはガソリンメーターがついていないのも珍しくありません。
昔のバイクは「キャブレター方式」と呼ばれるもので、メインタンクとリザーブ(予備)タンクが分かれていました。(実際には1つのタンクの中でメインとリザーブを切り替えます。)

ライダーは、バイクのリッター当たりの燃費と走行距離から計算して、空になる前に給油をする必要があります。給油が間に合わない場合は、キャブレターのリザーブコックの切り替えで、リザーブタンクからガソリンを供給する事ができます。

コックが「ON」の状態でガス欠しているときは「RES(リザーブ)」に切り替えてからエンジンをかけ、早めにガソリンスタンドを目指しましょう。給油した後はコックを「ON」の状態に戻しておきましょう。

インジェクション方式のバイク

「インジェクション方式」のバイクは、ほとんどのバイクにガソリンメーターがついています。そのメーターを気にしていればほとんど問題なしです。
ただ、キャブレター方式と違ってメーターのガソリンがなくなったら本当の意味でガス欠になってしまうので、メモリが点滅する前にガソリンを補給しましょう。

また、バイクの傾き具合や坂道などで残量のセンサーが勘違いして燃料量が誤って表示される場合があります。
ガソリンが少なくなると、バイクが傾いたり加速や減速をしたりすることで、ガソリンのメーターのメモリが増えたり減ったりが短い時間で起こります。

メーターの動きが安定していないと感じた時は燃料が残り少ない場合が多いです。余裕をもってガソリンスタンドを探しておきましょう。

エンジンストップスイッチがONになっている

セルボタンの上には赤いボタンがあります。これは「エンジンストップスイッチ」と言って、転倒などで強制的にエンジンを切りたい時に使うボタンです。

高速道路の料金所などで、ギアが入った状態ですぐにエンジンを切りたい時にも使える便利なスイッチですが、普段はそこまで使用する機会は少ないです。

バイクに乗る時はグローブをしているので、何かの拍子にこのスイッチに触ってしまったり、いたずらで押されてしまうこともあります。ストップスイッチが押されているときは、電気周りは動きますが、セルを押しても何も反応がないことが多いです。

エンジンストップボタンはセルボタンのすぐ上にあるので、スイッチがONになってしまってないか確認しましょう。ちなみにですが、最近のバイクでセルボタンとストップスイッチが一緒になっているタイプのバイクでは、この確認動作は不要です。

ギアがニュートラルではない、サイドスタンドの出しっぱなし

サイドスタンドをたたんでいるか、ギアがニュートラルに入っているか確認しましょう。特に初心者さんは、片方を気にしすぎてもう片方を見ていなかった……というパターンがありがちなので、注意してみてくださいね。

ギアがニュートラルかどうかはメーター内に「N」のランプが光っていればOKです。それから、サイドスタンドがきちんとたたまれているか、中途半端になってないか目視か足で確認しましょう。一つ一つの動作は簡単ですが、集団での移動などで緊張していると意外と忘れがちなポイントになります。冷静になってバイク全体や状態をよく確認しましょう。

音はするのに、エンジンがかからない……それなら、バッテリー上がりかも?

エンジンが掛からない原因はバッテリー上がりも考えられます。

バッテリーは定期的な交換が必要です。バイクのバッテリーは上手く使うと5年くらい使用できますが、大体は2〜3年で交換時期になります。

バッテリー上がりは、気温が下がる真冬に起こりやすいです。バッテリー上がりの特徴は、キーを回したらヘッドライトや電気はつきますが、セルを押すと「カチカチ」や「キュルル…」弱くセルが回る音がするなどが挙げられます。ひどい時は電気もつかず、全く反応がない事もあります。

電圧計でバッテリーの状態をみたいところですが、普段はあまり持ち歩きませんよね。バッテリーが上がった時の解決方法は以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧ください!

▼バッテリー上がりの解決法について詳しく見る!▼
バイクの困ったを解決!バイクのバッテリーが上がった時にするべき対応と上がらないための予防 | バイク月極駐車場検索「ニリーン」

ヒューズ・キャブレター等……その他のチェックポイントも確認!

簡易的にできるバイクの点検はまだ他にもあります。

ヒューズボックス

シートを外すと、バッテリーがあったり、ヒューズボックスがあったりと色々なものが見えると思います。「ヒューズボックス」は建物でいうブレーカーの役割をしているものです。バイクのヒューズも、何か異常な電流が流れると切れてしまいます。

ヘッドライトやウィンカーなど様々なヒューズがありますが、エンジンの始動にかかわるイグニッションなど、エンジンをかける為に大切なヒューズもあるので、車載工具で外して確認してみましょう。

切れていた場合、バイクに予備のヒューズがついていることが多いので、交換してみましょう。偶然切れたのか何かが原因で切れたのかは後日必ず確認するようにしてくださいね。

スパークプラグ

セルを回してエンジンが掛かりきらなかったときは、エンジンに火花を飛ばす「スパークプラグ」が濡れてしまっていることが原因で動かなくなってしまっている場合があります。

「スパークプラグ」を簡単に交換できそうなバイクは、シート下やバッグに予備の「スパークプラグ」を忍ばせておきましょう。

その他にも、エンジン本体や周辺から油漏れやガソリン、水漏れ、変なにおいがないかも確認しましょう。

自力では処置できない場合は、早めにロードサービス・バイク店に連絡!

簡単にチェックするところを確認してもエンジンが掛からない場合や、自力では対応が難しい場合は、ロードサービスやバイク店に早めに依頼する事をオススメします。

自分でなんとかしようとしたけど時間がかかり過ぎてしまい、助けを呼ぼうとした頃にはバイク店が閉店してしまって連絡が取れなくなってしまった……。なんてことがないよう、故障の見当がつかない時や工具がない時は、諦めてすぐに助けを呼びましょう。

JAF

JAFに加入すると、利用回数の制限なしでパンク修理やバッテリー上がりの復旧などのトラブルを無料で対応してくれます。さらに、15kmまでなら無料でレッカー移動をする事ができます。
とはいえ、ツーリングで遠出をすることが多い方は、自宅や近くのバイク屋までで15kmを軽く超えてしまう事があるので、利用の際は注意が必要です。

任意保険のロードサービス特約

任意保険にはロードサービス特約を付ける事ができます。これを使う事でさらに遠方まで無料でレッカーができます。条件はご自分の任意保険の特約で調べてみてください。

バイク店に直接連絡するのもいいですが、店舗での作業の都合もあるので回収に向かう時間が遅くなることがあります。レッカーはライダー自身で手配できればスムーズにバイク店に運んで修理をしてもらうことが出来ますよ。

コラム:バイクをエンストさせない乗り方

バイクに乗っている時に起こるトラブルの原因は色々ありますが、多くは転倒によるものです。転倒するとステップが折れたりブレーキペダルが曲がってしまったり、運が悪いと致命的な場所が壊れてしまうということも少なくありません。

転倒の原因として多いのは、疲労からクラッチ操作がルーズになりエンストを引き起こし、その後急激に停止することでバランスを崩して転倒をしてしまう事です。

バイクは様々な部品がむき出しなので、破損してしまうと多額の修理費用がかかります。エンストを防ぐためには、エンジンの回転数を高めに維持して発進するようにしましょう。

初心者はもちろん、ベテランライダーでもツーリングで疲れてきたり、前のバイクに続いて急いで交差点を曲がろうとしたりするときにエンストして転倒しやすいです。遠くまでツーリングに来たり、山道など絶対に転倒したくない時は、いつもよりゆっくりとクラッチレバーを離し、長めの半クラッチでより確実な発進を心がけましょう。

また、長時間走っていると無意識でクラッチ操作をしている事も多いです。疲れているときは一旦休憩してから運転し、安心安全に自宅まで帰りましょう。

まとめ

いかがでしょうか。今回はバイクが動かなくなった時の対処方法を紹介しました。
エンジンがかからない時はまずガソリン残量を気にしてしまうかと思いますが、自分が普段触らないスイッチのチェックや、エンジンを切る前に自分が何をしていたかを思い出してみましょう。

ギアのポジションやサイドスタンドの位置など、普段あまり気にしない部分が原因になっている可能性があります。また、バイクはいたずらで触られることもあるので、人通りが多い所に駐車するときは、全体を見渡して異常がないか確認しましょう。

少し古いバイクは工具を積んでおくことで簡易的に様々なところの点検ができますが、最近のバイクは電子制御が盛り沢山で、メーターにチェックランプが点灯するだけであまり点検出来ることがありません。点検、確認してもバイクのエンジンがかからない時はすぐに気持ちを切り替えて、速やかにロードサービスに電話をして予定を立て直しましょう。

トラブルにしっかりと対処できるとバイクへの自信が増し、ツーリングや愛車のカスタムなどをもっと楽しめるようになりますよ。