ブレーキのかけ方がうまくなれば、バイクの運転もうまくなる!
つい「なんとなく」でかけてしまうバイクのブレーキ。前輪ブレーキを効かせすぎて、ヒヤッとした経験がある方も多いはず。
そんなときは、ブレーキ操作を見直してみましょう。不安定になりがちな二輪車を安全に停止させるにはブレーキの使い方が重要です!
かけ方の基本をマスターするだけで、もっと運転が上手になりますよ!
今回は、バイクのブレーキのかけ方を基本から解説します!
上手なブレーキのかけ方を学んで、思い通りに運転できるようになりましょう!
目次
バイクのブレーキの種類
二輪車のブレーキは3種類あります。この3つのブレーキのそれぞれの使い方と特性を理解していきましょう。
前輪(フロント)ブレーキ
前輪(フロント)ブレーキレバーは、ハンドル右側のレバーです。
フロントブレーキは強く効くので、ブレーキレバーを握り過ぎると前のめりになってしまい、バイクとライダーの姿勢が崩れてしまうので注意が必要です。
後輪(リア)ブレーキ
後輪(リア)ブレーキはAT車やMT車で位置が違います。
AT車はスクーターが多いですが、自転車と同じでハンドル左側のレバーを握ります。
MT車ではハンドル左側のレバーはクラッチレバーとなり、ブレーキは右足です。
リアブレーキはフロントブレーキよりも効きにくくなっています。
しかし、思い切り握ったり踏んだりするとブレーキがロックしてスリップする場合があるので、注意が必要です。
エンジンブレーキ
エンジンブレーキは、フロントやリアブレーキのようにブレーキ装置が付いているというわけではありません。
エンジンブレーキとは、エンジンの回転数を利用して減速をする方法のことです。
スロットルを戻したりギアを下げたりすることによって制動力が発生し、低速ギアになればなるほど急激なエンジンブレーキがかかります。
これら3種類のブレーキを同時にかけることによって、バイクを減速・停止させることができるのです。
バイクのブレーキ操作の基本
二輪車のブレーキの種類を紹介しましたが、ただブレーキをかけるだけでは上手く止まれません。
ブレーキ操作の基本を知って、事故やトラブルを避けられるような運転を心がけましょう。
ブレーキ操作の基本
二輪車でブレーキをかける時は、車体が真っ直ぐな状態の時にかけます。
車体が曲がっている時にブレーキ操作をすると、タイヤがロックして転倒してしまったり、バランスを崩して曲がり切れなくなることがあるからです。
そうならないよう、曲がり始める前までにブレーキ操作をし、充分に減速をしましょう。
ブレーキのかけ方
まずはフロントブレーキレバーを少し強めに握りましょう。握り過ぎるとバランスが崩れてしまうので注意しましょう。
スロットルを戻してフロントブレーキをかけ、減速し始めたらクラッチを切ってギアをダウンさせ、ギアを繋ぎ、さらに減速していきます。
その後、リアブレーキをかけて減速を完了させます。
フロントブレーキだけだと前のめりになって転倒の危険がありますし、リアブレーキだけ使ってもブレーキが効かずに思うように止まることができません。
ブレーキは前後とも一緒にかけることが重要です。
リアブレーキはバイクを安定させる
基本的にはフロントブレーキを先にかけ始めます。
ただし、街中や交差点などを低速で通過したい時にフロントブレーキを握ってしまうと、バランスを崩して転倒しそうになることもあります。
低速でブレーキをかけたい時には、フロントよりもブレーキが利きにくいリアブレーキをかけることでバイクを安定させ、確実に減速しましょう。
また、リアブレーキはバイクの姿勢を安定させてくれるので、フロントブレーキのみをかけた時にバイクがギクシャクする場合、リアブレーキをかけて安定させましょう。
エンジンブレーキの強さ
エンジンブレーキを上手に使えるとさらに上手く素早く減速することができます。
ただし、操作を間違えると衝撃によって前のめりになってしまったり、ライダー自身がバランスを崩してしまうことがあるので注意が必要です。
エンジンブレーキはスロットルを戻すだけで効きますが、ギアを下げるとさらに制動力がかかります。
速度やエンジンの回転数にもよりますが、ギアは下げずにそのままにするか、1段下げるくらいが丁度いいです。
一気に数段下げてしまうと後輪がロックし、スリップしてしまいます。
スクーターなどのAT車のエンジンブレーキはMT車ほどエンジンブレーキは効きません。
そのため、スクーターなどギヤがないバイクの場合は、MT車よりも早めに前後輪のブレーキをかけましょう。
バイクのブレーキの握り方・かける指の本数
ブレーキの握り方によってもブレーキの操作に影響が出ることがあります。
ここではブレーキレバーの握り方と、それぞれの特徴について紹介します。
4本がけ
親指を除いた4本指でブレーキレバーを握る「4本がけ」は、教習所で教わることが多いやり方です。
4本の指を使いブレーキレバー全体を握るので、強い力でブレーキがかかります。
その反面、強く握りすぎて急ブレーキになってしまったり、ブレーキ操作の為にスロットルから指が離れ、操作が難しくなってしまうため、注意が必要です。
3本がけ
「3本がけ」は、親指と人差し指を除く3本指でレバーの外側を握ることができるので、強いブレーキをかけることができます。
ただしこちらも4本指と同様にスロットルを握れないので、操作がしづらくなる場合があります。
2本がけ
「2本がけ」は、人差し指と中指でレバーを握る方法です。
レバーも握りやすく、スロットル操作もしやすいです。
バイクレースなどのスポーツ走行では、2本掛がけが主流です。
スポーツ走行では、回転数を合わせてシフトダウンをするテクニックなどを使用する為、繊細な動きができる2本がけをします。
ただし、2本指で根元を握ると力が入らない、端の方を握ると握り過ぎてしまう、ということもあるのである程度の慣れも必要です。
1本がけ
人差し指をレバーに当てながら走行する「1本がけ」は、いざという時にすぐにブレーキをかけることができます。
ツーリングやワインディングでの速度調整に便利です。
このようにブレーキレバーは指の本数を変えることで操作性を向上させることができます。
自分に合った握り方で安定したブレーキテクニックを身につけましょう。
カーブを曲がるときのブレーキ操作のコツ
カーブを曲がる時は、交差点などを低速で曲がる時とは違い、しっかりとブレーキ操作をしないと膨らんでしまったりスピードが落ちすぎたりするので注意しましょう。
コーナリング中のブレーキ操作ではリアブレーキを使いましょう。
カーブの前には充分減速する
カーブに差し掛かる前に充分に前後輪のブレーキをかけて減速しましょう。
必要に応じてシフトダウンも済ませておき、カーブを曲がるだけの状態にしておきましょう。
バイクを傾ける
カーブに差し掛かったらカーブの度合いによってバイクを傾けましょう。
レースのように体を投げ出すように傾けなくても大丈夫です。充分に減速していれば安全にカーブを曲がることができます。
目線をカーブの先に
カーブを曲がっている時は、目の前ではなくカーブの出口を見ます。
目の前のガードレールなどを見ていたら、そこに吸い込まれるような運転になってしまうので注意しましょう。
二輪車は目線を向けたところを曲がっていくので、カーブの先の進行方向を見て、障害物がないか、安全に曲がれるかを確認しながら走行しましょう。
アクセルは一定、コーナリング中はリアブレーキを使う
コーナリング中はアクセルは一定に保つのが基本です。
バイクが傾いた状態でアクセルやブレーキ操作をすると、転倒や曲がり切れないといったことになりかねません。
コーナリング中にバイクのスピードが早すぎると、外側に膨らんだりしてしまいます。
その時は、リアブレーキをかけてスピードを落としましょう。
ただし、アクセルを急に戻した後に急にリアブレーキをかけると、バイクの姿勢が大きく崩れる可能性もあり危険です。
どちらも徐々に操作をするようにしましょう。
コーナリングが終わり直進になり車体が真っ直ぐになってきたら、徐々にアクセルを開けていきましょう。
コラム:ブレーキが握りづらいときは、レバーを調節!
「自分の手が小さくてブレーキレバーが遠い」など、ブレーキの握りづらさによって操作性に影響が出ることもあります。
そんな時はレバーの調整をしましょう。
ノーマルの状態で調整が出来るバイクは、レバーの根元にダイヤルが付いています。
数字が書いてあるので、握りやすい数字に合わせることでブレーキ操作がしやすくなりますよ。
調整機能が付いていないバイクの場合、社外品のレバーを使うことで調整が可能になります。
社外品のレバーだとブレーキの調整はもちろん、レバーをロングやショートなどから選ぶことができます。
先ほど紹介したような2本掛けのブレーキ操作がしやすくなるため、自分好みのブレーキ操作ができるようになります。
ブレーキレバーの調整だけで二輪車の乗り味や上達速度もあがるので、レバーの調整もしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はバイクのブレーキのかけ方について紹介しました。
二輪車は車と違い、前輪と後輪が独立した操作になっているので慣れるまでは難しい操作になります。
前輪ブレーキだけをかけて走行するライダーは意外と多いです。
前輪ブレーキだけだとバイクもライダーもバランスを崩す可能性があるので、安全のためリアブレーキも同時に使うようにしましょう。
また、カーブや交差点など、バイクを傾けて曲がる時にブレーキ操作をすると、転倒する可能性があります。
曲がる前に充分に減速させるように操作しましょう。
正しいブレーキ操作を行い、スムーズかつ安全にバイクを走らせることで、今まで以上にバイク趣味を楽しんでいきましょう!