人生に一度は、2ストのカッコいい旧車に乗りたい!

公道を走れるレーサーバイクとして人気を博したホンダのNSR250Rや、ナナハンキラーの異名を持つヤマハのRZ350など……
2ストバイクには、魅力的な車種がたくさんありますよね!

そんな2ストの旧車に憧れて、4ストバイクからの買い替え・2台目としての購入を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、現代の4ストバイクから、2ストの旧車バイクに乗り換える際の注意点について解説します!

2ストバイクに乗るのが初めての方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

▼2ストと4ストの違いを動画で知りたい方はこちらをご覧ください!

 

2ストバイクと4ストバイクのエンジンの違い

2ストバイクに乗る前には、まず「2ストバイクと4ストバイクは、エンジンの構造がかなり違う」ということを頭に入れておきましょう。

普段皆さんが乗っている4ストバイクのエンジンは、下の図のような流れで動いています。

ですが、2ストバイクのエンジンは、4ストとは構造と動き方が異なります。

構造の違いによって生まれる2ストバイクの特徴としては、次の点が挙げられます。

・2つの動作を1回で行えるので、加速が早い
・オイルを内部に貯めておくことができないので、都度給油が必要
・オイルとガソリンを混ぜて燃やすため、排ガスに不純物が混ざりやすい

ここからは、2ストバイクならではの注意点について解説します。

 

注意点①:走るのに専用オイルの給油が必要

2ストバイクは、エンジンでガソリンとオイルを一緒に燃やして走っています。
そのため、2ストバイクで走ろうと思うと、ガソリンだけではなくエンジンオイルを別途購入する必要があります。

この辺りは、「エンジンオイルは交換するもの」という感覚の4ストバイクとは、大きく異なる部分ですね。

しかし、なぜ2ストバイクはオイルの給油が必要なのでしょうか?

その理由は、2ストエンジンの構造にあります。

2ストエンジンは、構造上吸気孔とクランクケースが繋がっているため、仮に液体のオイルを入れたとしても、クランクケースの中にオイルを貯めておくことができません。

そのため、2ストのバイクはガソリンとオイルを混ぜてエンジン内に吹きつけることで、部品の滑りを保っています。

エンジン内に吹き付けたオイルはガソリンと一緒に燃えてしまうので、適宜給油してあげる必要があるのですね。

また、オイルを切らしてしまうと、エンジンが焼き付いて走れなくなってしまうという弱点もあります。

2ストバイクで出かける際には、予備のオイル缶を持っていくと安心ですよ。

出先でオイルを切らしてしまった場合は、ガソリンスタンド・ホームセンターなどで購入することができます。

ですが、2ストバイクが少なくなるにつれて、オイル缶を取り扱っているお店も減ってきています。
毎回、自分で予備のオイル缶を持っていくのがベストですね。

また、2ストバイクにオイルを給油するときは、2スト用のオイルを入れるようにしてください。

「同じバイクのエンジンオイルなんだから、4スト用でもいけるんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、4スト用と2スト用のオイルは粘度が違います。

簡単に違いを説明すると、「2スト用のオイルはサラサラ、4スト用は粘度高め」という感じですね。

4スト用のオイルは再利用される前提なので、ベースとなる油に耐久性・粘度が高くなる成分を混ぜて作られています。

それを「オイルは燃やすもの」という前提で動いている2ストエンジンに入れてしまうと……
4スト用オイルに含まれる粘度を高くする成分が、エンジンの部品に焼き付いてしまうんですね。

そうなるとエンストだけでなく、エンジン自体の故障にも繋がってきますので、必ず2スト用のオイルを使うようにしてください!

※間違えて4スト用のオイルを入れてしまった場合は、エンジンをかけずに(かけてしまった場合はすぐに止めて)、バイク屋さんに相談しましょう。

 

注意点②:エンジンブレーキが効きにくい

2ストのバイクは、4ストのバイクと比較するとエンジンブレーキが効きにくいです。

「カーブを曲がるとき、エンジンブレーキをよく使っている」という方は、特にご注意を!
4ストバイクと同じ感覚で操作すると、思ったように曲がれない可能性があります。

2ストバイクを運転するときは、ギアチェンジ+リアブレーキ・フロントブレーキを中心に使い、早めの減速を心がけてくださいね。

また、2ストのバイクは4ストと比べて加速が早いので、今まで乗ってきたバイクと同じ感覚でアクセルを開けると、スピードが出過ぎてしまうこともあります。

2ストバイクのエンジン出力に慣れるまでは、普段よりゆとりを持った運転を心がけるようにしましょう。

 

注意点③:排ガスのにおい、汚れが4ストよりきつい

2ストバイクはエンジンオイルを燃やしながら走るので、4ストバイクより排ガスに不純物が混ざりやすくなっています。

そのため、2ストバイクに乗っていると、4ストバイクよりもウェアや髪の毛が排ガスで汚れがちになります。
白いウェアを着ていくと、帰りにはドロドロになっていることも……。

2ストバイクでお出かけする際は、汚れても洗濯しやすいウェアを選んだり、帰ったらすぐお風呂に入れるようにしておいたりと、汚れた後のことを考えておくと良いですね。

また、誰かと一緒にツーリングに行くときは、できるだけ後ろを走るのがオススメです。

いかに同じバイク好きといえども、「2ストバイクの煙はちょっとキツい……」と感じる方もいらっしゃいますからね。

ツーリングに出発する前には、「自分のバイクは2ストで煙がきついから、後ろで走らせてほしい」と正直に伝えましょう。

前もって伝えておけば、お友達・ツーリング仲間も「分かった!気を遣ってくれてありがとう」と言ってくれますよ。

 

2ストバイクのココが楽しい!2ストバイクの魅力を解説

ここまで2ストバイクに乗る際の注意点について解説してみましたが、いかがでしょうか?

4ストバイクとだいぶ仕様が違いますので、その違いに戸惑っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

ですが、2ストバイクにはそんな戸惑いを吹き飛ばすほどの魅力がありますよ!!

2ストバイクの魅力は、主に次の3つです。

・加速が早い
・2ストエンジン独特の音を楽しめる
・運転も手入れも面倒くさいからこそ、一層愛おしく感じる

ここからは、筆者の思う2ストバイクの魅力についてお話させていただきます。

加速が早い

2ストバイクの魅力は何といっても、加速の速さ。

4ストバイクから乗り換えた方は、その加速度にビビること間違いなし!
あまりにもスピードが出るのが早すぎて、「うおおおおぁぁ!?」と叫びたくなるほどです。

また、2ストバイクは4ストバイクと比べて車両重量が軽いことが多いので、面白いようにスピードが伸びますね。

カーブに入るときや、前の車との車間距離があまりないときは急な加速にヒヤッとすることもあると思いますが……

他の車やバイクが少ない道で乗ってみると、2ストの魅力を存分に味わえるのではないでしょうか。

※スピード違反には十分ご注意を!

 

2ストエンジン独特の音を楽しめる

エンジンの音が独特なところも、2ストバイクの魅力です。

どう表現したら良いのか迷うのですが、言葉にするとしたら「高くパリパリした音」という感じでしょうか。

最初は「ボボボボ……」という音から始まりますが、エンジンが温まり、スパークプラグに付いた汚れが吹き飛び始めたあとは、「ブーン……ブォーン…」と高い音が鳴り始めます。

車種によっては、「パパパパパ……」といった小気味良い音が鳴るものもあります。
金属の筒を内側からテンポよく鳴らすような音は、聴いていてテンションが上がりますよ。

……すみません、音を文字で説明するには限界がありました(苦笑)
気になる方はYoutubeなどで2ストバイクのエンジン音を聴いてみてください。

きっと「テレビとか映画で聴いたバイクの音が、そのまま鳴ってるみたいだ!」と感じると思いますよ。

 

運転も手入れも面倒くさいからこそ、一層愛おしく感じる

こんなことを言うと怒られそうですが、2ストバイクはちょっと面倒くさい乗り物です。

少し乗らずに放置しただけで、エンジンがかからなくなったり……
上手に乗らないと、エンストしてしまいますし。
オイル代も長い目で見れば、塵も積もれば何とやら……で馬鹿にならない額になります。

ですが、手がかかるバイクだからこそ、愛着も湧きやすいというもの!

2ストバイクは4ストと比べてどうしても手がかかりがちなのですが、「今度はどこが悪いんだよ~」と思いながらあちこち確認しているうちに、どんどんそのバイクが好きになっていきます(笑)

趣味のものには時間を使いたい・好きなものに対してどっぷり没頭したいという方にピッタリのバイクですね。

また、2ストバイクは「今はギアが3速だから、この回転数をキープして……」と常に考えながら乗る必要があります。

頭を使って乗るバイクだからこそ、「このバイクはこう運転すれば、気持ちよく走れる!」という乗り方を掴めたときの達成感が深くなる部分もありますよ。

多少のレストア・修理はいとわない方、バイクが好きでたまらない方は、ぜひ一度2ストバイクに乗ってみてほしいですね。

まとめ

今回の記事では2ストの旧車バイクに乗り換える際に気を付けたいポイントについて解説しましたが、いかがでしょうか?
2ストならではの特徴・魅力を知って、もっとバイク趣味を楽しんでみてくださいね。