「スリップオン」と「フルエキ」……何が違うの?

バイクカスタムの初歩として、よくオススメされるマフラー。

調べていくと、「スリップオン」や「フルエキ」といった言葉が出てきて、「どういう意味なんだろう?」と戸惑ってしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも大丈夫!この記事を読めば、意味や違いが分かるようになりますよ。

今回は、スリップオンとフルエキ(フルエキゾースト)の意味・違いについて解説します。

スリップオンとフルエキ(フルエキゾースト)の違い

スリップオンタイプのマフラーは、マフラーの後ろ側のサイレンサー部分のみを交換するものです。

フルエキゾーストマフラーは「フル」とあるように、サイレンサーだけでなくエンジンから出ているエキゾーストパイプ(エキパイ)も含めて全て交換するものです。

スリップオンの特徴

スリップオンマフラーとフルエキマフラーの違いを説明しましたが、ここではスリップオンタイプのマフラーの特徴を紹介します。

フルエキよりも安く交換できる

スリップオンマフラーは後ろのサイレンサー部分のみの交換なので、部品点数が少なく、フルエキゾーストマフラータイプよりも安く交換できることが多いです。

スリップオンタイプのマフラーは、メーカーごとに様々な価格のものがありますが、高価なものでも10万円以内で買えることが多いですよ。

取り付け、取り外しが簡単にできる

サイレンサー部分のみの交換なので、簡単に交換ができます。

ノーマルマフラーの取り外しやスリップオンマフラーへの交換、社外サイレンサーへの変更も、少ない工具で可能です。

自宅でも簡単に短時間でできますよ。

気軽にドレスアップができる

ノーマルマフラーは灰色で大きいものが多く、地味なものが多いです。

社外サイレンサーはチタンやステンレスで出来ているキラキラしたものや、青色の焼き色が付いているものが多かったりしますので、ドレスアップ度が増しますよ。

気軽にドレスアップができる

音質の向上

スリップオンのサイレンサーはノーマルのものと比べて見た目が変わるだけでなく、音も変わります。ノーマルよりも少し音が太く大きくなります。

マフラーの音が変わるとバイクの運転がより楽しくなりますね。

フルエキ(フルエキゾースト)の特徴

フルエキゾーストタイプのマフラーは、スリップオンのサイレンサーとはまた違う魅力があります。

ここでは、フルエキゾーストタイプのマフラーの特徴を紹介します。

エンジン特性が変わる

フルエキゾーストマフラーの場合、サイレンサーだけでなく、エキゾーストパイプまで変わります。ここまで変わると、エンジンの特性が変わります。

低速に粘りが出たり、高回転までエンジンを使ったときにパワーが上がったりなど、まるで違うバイクに乗りかえたような感覚になりますよ。

軽量化でき、乗り心地が変わる

ノーマルのフルエキゾーストマフラーは、バイクにもよりますが大体はスチール製のものが多く、結構な重量があります。

社外のフルエキゾーストマフラーは、チタンやステンレスなどの軽く、強度があるものが多いです。

重さは、エキゾーストパイプからサイレンサーまで片手で持てるほどのものが多いです。

フルエキに交換して軽量化するとバイク全体の重量も十数kg程軽くなるので、加速度が上がります。

また、サイレンサーも軽くなるので、コーナリングに影響する慣性力を減らすことができ、旋回性能を上げることができますよ。

音量・音質がスリップオンよりもさらに向上

フルエキゾーストタイプのマフラーは、各メーカーが排気効率やいい音量・音質を求めたエキパイやサイレンサーを製作しています。

そのためノーマルよりも格段に音が大きくなり、良い音質になりますよ。

コストは高いが個性を出せる

フルエキゾーストマフラーは様々な見た目のものが多いです。

例えば、ノーマルよりもキラキラしているもの、焼き色が付いているもの、また、2本出しマフラーやカーボンサイレンサーなどがあります。

好きなメーカーのフルエキゾーストマフラーを取り付けると、スリップオンと比べて倍以上のコストがかかってしまいます。

ですがその分、人とは違うバイク作りができて個性を出すことができますよ!

フルエキゾーストマフラーはマフラーを丸ごと交換するので、交換前と交換後の違いがはっきりわかります。カスタムのしがいがありますね!

スリップオンとフルエキ(フルエキゾースト)、どちらがオススメ?

スリップオンとフルエキ(フルエキゾースト)のそれぞれの特徴を紹介しました。

ここではスリップオンとフルエキゾーストマフラーがオススメな人をそれぞれ紹介します。

スリップオンがオススメな人

ドレスアップが目的の人

マフラーの見た目を変えたいだけであれば、スリップオンマフラーがオススメです。

灰色のスチールのノーマルサイレンサーでは味気ないと思っているのであれば、交換するだけでドレスアップできるのでオススメです。

気軽にカスタムを楽しみたい人

スリップオンマフラーはフルエキゾーストマフラーよりも安いため、ほとんどの人が一度は交換、もしくは検討したことがあるかと思います。

高価なフルエキゾーストマフラーと比べて、1/2〜1/3ほどの金額で購入することができます。

まずはカスタム入門として気軽にカスタムしてみたい人にオススメです。

大きすぎないマフラー音でバイクに乗りたい人

住宅街やマンション・アパートに住んでおり、バイクの騒音は気になるけどカスタムしたいという人や、うるさすぎないマフラーを求めている人にもスリップオンマフラーはオススメです。

フルエキゾーストマフラーがオススメな人

バイクの性能を上げたい人

バイクのパワーやトルクなどの性能を上げたい人は、フルエキゾーストマフラーに交換することをオススメします。

フルエキゾーストマフラーにするとスリップオンの時よりも排気効率が良くなるので、明らかにパワーが上がります。

性能重視の人はフルエキゾーストマフラーに交換するといいでしょう。

マフラーによっては低速のトルクが無くなったり、燃料と空気のバランスが崩れることがあります。

そういう時はコンピューターの調整をすると、さらにバイクの性能があがります。

コストがかかってもカスタムを楽しみたい人

フルエキゾーストマフラーはエキパイからサイレンサーまで丸ごと交換するので、20〜30万と高価なカスタムになります。

コストはかかりますが、その分自分だけのバイクを作ることができます!

迫力のある音を楽しみたい人

フルエキゾーストマフラーに交換すると、アイドリングから高回転まで良い音質のマフラー音を聞くことができますよ。

車検に合格できるJMCA認証マフラーを取り付ければ、合法で迫力がある音を手に入れることができます。

社外品に取り替えた後の純正マフラーの保管方法は?

マフラーを社外品に交換した後は捨てずに保管しておくことをオススメします。

ここでは純正マフラーを保管する目的や保管方法を紹介します。

車検で純正マフラーに戻す

合法のマフラーを取り付けている場合も、劣化により排気ガスの濃度が合格する数値よりも濃くなってしまうことがあります。

また、JMCA認証のガスレポートを失くしてしまうと再発行が必要となります。

再発行はメーカーによっては時間がかかるので、車検に間に合わない場合はノーマルに戻すことがあります。

カスタムの仕様変更をする時

マフラーを交換したはいいものの、自分のイメージと違っていたり、他のカスタムパーツとの兼ね合いで仕様変更をしなければならない時など、純正マフラーに一旦戻す事も考えられます。

純正マフラーは大事に保管する

マフラーを交換すると、純正マフラーに興味が無くなって捨ててしまったり、適当に保管して傷やサビなどが付いてしまうことがあります。

取り外した純正マフラーを保管する時には、ネジやボルトには薄く潤滑スプレーを塗ってサビを防ぎましょう。

また、交換した時のバイクの走行距離や日付、交換した自分のバイクの名前を記録して緩衝材で包み、段ボールに入れるなどして保存しておきましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回はバイクのマフラーカスタム、スリップオンマフラーとフルエキゾーストマフラーの違いやそれぞれの特徴を紹介しました。

スリップオンマフラーは、フルエキタイプよりも安く、手軽にドレスアップができます。

フルエキゾーストマフラーは高価ですが、バイクの乗り味や、マフラー音、見た目が大幅に変わるのでカスタムを心ゆくまで楽しめるという利点があります。

カスタムの第一歩としてスリップオンを取り付けて、ステップアップでフルエキを取り付けるという人も多いです。

スリップオンマフラーとフルエキマフラーの違いを理解して、自分のカスタムの方向性やイメージ、予算と相談してどちらのマフラーにするか決めましょう。

好みのマフラーに交換して、自分なりのバイクカスタムをしていきましょう。