バイクが信号待ちでエンスト!原因は?
バイクに乗っていると急に起きる、怖~いエンスト。皆さんは、信号待ちでエンストしてしまったことはありますか?
信号待ちでエンストしてしまうと、後続車のことが気になって焦ってしまいますし、家に帰ってからも「今度バイクに乗るとき、また信号でエンストしたらどうしよう……」と不安になってしまう方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、バイクが信号待ちでエンストしてしまう原因と、その対策について解説します!信号待ちでのエンスト再発を防止したい方は、ぜひ最後まで読んでいってくださいね。
目次
バイクが信号待ちでエンストする原因①:クラッチが切れていない
信号待ちでのエンストの原因はさまざまあります。その原因の一つにクラッチが切れていない場合があります。
ここではクラッチが切れていないために起こるエンストについて紹介します。
クラッチが繋がったままになっていてエンスト
クラッチはエンジンの力をホイールに伝達してバイクを動かしたり、逆に伝達を切ったりするためのものです。
クラッチには半クラッチがあります。半クラッチはバイクを前に進めるためにミッションに徐々に力を伝えていくものですが、これには調整が重要です。
調整がずれていると、クラッチを切ったつもりが切れていない状態になってしまいます。
信号待ちで停車していると、半クラッチで前に進まずエンストしてしまう場合があります。
クラッチワイヤーが伸びている
クラッチレバーをいっぱいに握っていても1速に入れるとエンストしてしまうことがあります。
クラッチがワイヤー式のものは使っているうちにだんだんと伸びていきます。
それに気づかずに握り込んだ状態でもクラッチが切れなくなってしまいます。
油圧クラッチにエアーが混入、量が少ない
バイクの中にはワイヤーではなく油圧クラッチのバイクがあります。
油圧クラッチはディスクブレーキのようにオイルの力でクラッチ操作をするものです。
クラッチに使うオイルはブレーキオイルと同じものが多いです。
ブレーキオイルは水分を吸収しやすく、透明な色からだんだんと黒くなっていき、油圧がかかりにくくなることがあります。
また、クラッチ板の摩耗の影響でオイルが少なくなり、油圧系統にエアが入ってしまうことでクラッチが切れないトラブルが起こります。
このようにクラッチが切れていない影響でのエンストは、調整不足やメンテナンス不足によるものが多いです。
バイクが信号待ちでエンストする原因②:エアクリーナーが汚れている
バイクのエンジンが調子よく動くためには、空気を吸入させなければなりません。
ここでは、空気をエンジンに取り込む場所にあるエアクリーナーの汚れによるエンストについて紹介します。
エアクリーナーを長期間交換していない
エアクリーナーはエンジンに良い空気を送り込むところについているフィルターです。
このフィルターは空気中のごみをキャッチしてエンジン内に入らないようにします。
ごみやほこりで汚れたフィルターは、定期的な交換が必要です。
エアクリーナーは走行距離5,000〜10,000キロごと、もしくは1年ごとに清掃や交換が必要です。
個数は1台で1個または2個取り付けられています。
しかし、定期点検を怠ってしまうとエアクリーナーが詰まり、エンジンに供給される空気の量が少なくなり、エンジン不調を引き起こします。
最悪の場合、信号待ちなど停車中にエンストします。
エアクリーナーをカスタムしていると汚れやすい場合がある
エアクリーナーの種類を変更したりすると吸入抵抗がなくなるので、エンジンやキャブレター、インジェクションシステムを調整しなければなりません。
調整されたバイクに乗っているとレスポンスやパワーが上昇しますが、通常よりもエアクリーナーが早く汚れてしまうことがあります。
エアクリーナーを社外品のスポーツタイプのものに変更しているバイクユーザーは注意しましょう。
このようにエアクリーナーは汚れてしまうものですが、交換を遅らせてしまうとエンジン不調に陥り、最終的にはエンストが起こってしまいます。
バイクが信号待ちでエンストする原因③:スパークプラグが汚れている
エンジンはガソリンと空気の混合気を圧縮したところに火花を散らすことで動きます。
この火花を散らすための部品がスパークプラグです。このスパークプラグが汚れていることによるエンストについて紹介します。
スパークプラグを交換せずに汚れてしまっている
スパークプラグはエアクリーナーと同様に定期的な交換が必要です。
走行距離3,000〜5,000キロを目安に交換を推奨されています。
スパークプラグは気筒ごとに設定されているので、4気筒ならば4本、2気筒ならば2本あります。
エンジンによっては1気筒に2本のスパークプラグが使用されているバイクもあります。
スパークプラグを交換せずにいると、混合気を爆発させることができず、エンジンの調子が悪くなり、エンストしてしまいます。
エンストしなくても、うまく燃やすことができないので排気ガスが黒くなったり、臭いにおいがしてくるため、周りに迷惑がかかりますよ。
スパークプラグは全て交換する
スパークプラグを交換するときは、気筒分すべて同時に交換するのが良いです。
汚れているところだけを交換すると、エンジンの調子がかえって悪くなるので注意が必要です。
このようにスパークプラグが汚れていると、エアクリーナーと同様の症状でエンストします。
車検時や定期メンテナンス時には、エアクリーナーとスパークプラグをセットで交換するメニューになっていることが多いです。
バイクが信号待ちでエンストする原因④:キャブレターが詰まっている
最近のバイクは電子制御式のインジェクションになっていますが、少し前のバイクや90年代などの旧式のバイクは機械式のキャブレターです。
ここではキャブレターの詰まりによるエンストについて紹介します。
キャブレター内部にゴミや錆が詰まる
キャブレターは燃料タンクからのガソリンを少量ためながら、吸入空気と合わせた混合気がエンジンの負圧によってエンジン内部に引き込まれていきます。
キャブレターにはアイドリングを担当しているスロージェット、アイドリング以外を担当するメインジェットという小さな穴の開いた部品があります。
タンク内部のゴミや錆などが混じったガソリンがジェットを通過するときに詰まってしまいます。
そうなるとガソリンの通路がふさがれてしまうので、エンジンに混合気が入っていかずにエンストしてしまいます。
長期間乗らないとガソリンが腐る
キャブレターは長期間乗らないと不具合が出てしまいます。
長期間乗らない間に、タンクのガソリンが腐って固まることもあります。それがキャブレターの中でも起こります。
内部のジェットや燃料の通路などに残っているガソリンが腐ると、エンジンをかけることができなくなります。
キャブレター式のバイクで長期間乗らないときには、タンクのコックをオフにしてキャブレターの中にガソリンが残らないようにしましょう。
このようにキャブレターのつまりは長期間乗らないバイクに多いです。
燃料が供給されなくなり、エンストやそもそもエンジンがかからないなどの症状が出ます。
バイクが信号待ちでエンストする原因⑤:バッテリーの端子が外れている
バッテリーからとれる電力はヘッドライトやウィンカーはもちろん、点火システムや燃料供給システムを動かすためにも必要なものです。
ここではバッテリー端子の外れについて紹介します。
バッテリー端子のゆるみや外れ
バッテリー端子はプラス・マイナスに1本ずつ、ボルトやナットで取り付けられています。
バッテリーのねじは締めすぎると端子が壊れる恐れがあるので、ある程度の強さで締めなければなりません。
しかし、緩く締めすぎたり、斜めに締まっていると、走行中の振動で緩んでくることがあります。
そうなると、走行中にいきなりエンジンが切れてしまい、タイヤがロックしたりするので危険です。
また、端子が外れかかっていると衝撃が加わった時だけエンストすることがあり、次にはエンジンがかかることもあります。
キャブレターやキック式の旧式バイクはエンジンだけかかる場合もあり
キャブレターやキックでかかるバイクはキャブレター式を採用しており、バッテリーが上がってしまっているときにもエンジンをかけることができる場合があります。
その場合、走行中にヘッドライトやウィンカー、メーターなどが動かないことがあります。
古いバイクで走行中に電気周りがすべて消えてしまう場合、バッテリーの端子のゆるみを確かめましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、バイクのエンストについて紹介しました。
エンストの原因には、エアクリーナーやプラグなど定期的に点検するものやバイクに乗る頻度に関係するものなどがあります。
バイクは車よりもエンジン回転数が高いため、エンジン周りの部品が劣化しやすくなります。
半年から1年おきに点検することで、信号待ちや停止時の突然のエンストを防ぐことができます。
また、今回紹介した部品はDIYで交換する人もいますが、しっかりと確実に取り付けないとエンストの恐れがあるので注意しましょう。
バイクを調子よく乗れるように、今回紹介したエンストの事例と対策を理解し、不安なくバイクに乗れるようにしましょう。