「モペットは見た目が自転車だからバレない」?……それ、捕まりますよ!

運転が簡単で高性能なことから注目を集めているモペット。「ペダルをこがなくていいから楽そう」と購入を検討している方も多いのではないでしょうか。

しかし、「見た目が自転車っぽいから、無免許でもバレないでしょ」と安易に考えるのは非常に危険です。最近では警察による取り締まりが強化されており、「免許が必要だなんて知らなかった」という言い訳は通用しません。

そこで今回は、モペットとはどのような乗り物なのか、警察にモペットだと見抜かれてしまう理由、そしてモペット運転中に交通違反で捕まった場合の罰則について詳しく解説します。

さらに、モペットを安全に運転するために必要な準備や注意点についても説明していますので、「捕まりたくない」「法律を守って安全に乗りたい」と考えている方は、ぜひ最後までお読みください!

そもそもモペットってどんな乗り物?電動アシスト自転車とは何が違うの?

ここでは、モペットの定義や法律上の位置づけ、電動アシスト自転車との違いについて詳しく解説します。

モペットとは

モペットとは、総排気量50cc以下または出力600ワット以下のエンジンやモーターを搭載したペダル付きの原動機付自転車を指します。

ペダルと動力の併用が可能

エンジンやモーターを使用しなくてもペダルをこぐことで走行が可能です。一方、ペダルを使わずにエンジンやモーターの力だけで走ることもできます。

スロットルの装備

自転車とは異なり、ハンドルの右側にはスロットルがついています。

原動機付自転車に分類される

モペットは電動アシスト自転車とは異なり、法律上は原動機付自転車に分類されます。そのため、以下の義務があります。

・原付免許(またはそれ以上の免許)の取得
・自賠責保険への加入
・ナンバープレートの取得と装着
・前照灯や尾灯などの備え付け
・ヘルメットの着用

電動アシスト自転車とは

電動アシスト自転車は、正式名称を「駆動補助機付自転車」といいます。その名の通り、モーターがヒトのペダルをこぐ力を補助することに特化しており、モーター単独では走行できないのが特徴です。

駆動補助機能

ペダルをこぐ動作に応じてモーターが動き、走行をアシストします。モーターだけでは進むことができず、完全人力の自転車と同じ扱いになります。

免許不要

人力を補助する自転車であるため、運転免許は必要ありません。

速度制限

モーターによるアシストは時速24km/hで徐々に減少し、それ以上の速度ではアシストが停止します。この制限を超える機能を持つ場合は「電動バイク」に分類され、別の法規制が適用されます。

このように、モペットと電動アシスト自転車は共にペダルがついていますが、モペットはペダルをこがずにアクセルを開ければ走行でき免許が必要、電動アシスト自転車はペダルをこがないと進まず免許が不要、という点で違います。

モペットはバレない?……実は〇〇でバレる!捕まった場合の罰則・罰金は?

ここではモペットがバレてしまう原因と捕まってしまった場合の罰則・罰金について紹介します。

モペットがバレてしまう原因

タイヤが大きい

モペットの多くは、自転車よりもタイヤが太いのが特徴です。そのため、遠目でもモペットであることが分かりやすい場合があります。見た目からも自転車との違いを判断できる場合が多いでしょう。

普通の自転車にモーターを後付け改造している場合

一部では、通常の自転車にモーターを後付けしてモペット化されたものも存在します。このような改造モペットは見た目が普通の自転車に近いため、一見すると区別がつきにくい場合があります。

しかし、以下のようなことから怪しまれることが多いです。

ペダルを全くこがずに走行している

自転車なのに動力のみで進んでいることによりモペットだとわかってしまいます。

不自然に速い速度で走行している

特に電動アシスト自転車の速度制限(時速24km/h)を超えたスピードで走る場合、警察に疑われやすくなります。

無音で走行している

モペットの多くはモーターで走行するため、動力音がほとんどありません。そのため、ペダルをこがずにモーターのみで静かに走行していると、その特徴からモペットであることが分かってしまいます。

特に、電動アシスト自転車はペダルをこぐ動作が必要で、ペダルをこがなければモーターが作動しない仕組みになっています。一方、モペットはペダルを使用せずにモーターのみで走行可能なため、無音で進む様子が続くと、電動アシスト自転車ではないことが明らかになります。

捕まってしまった場合の罰則・罰金

無免許・免許不携帯

モペットを運転するには原付運転免許(またはそれ以上の運転免許)が必要です。自転車に似た見た目であっても、法律上は原動機付自転車に分類されるため、無免許での運転は厳しく罰せられます。

無免許運転の罰則
罰則:3年以下の懲役または50万円以下の罰金
行政処分:違反点数25点(運転免許が取消処分となります)

免許不携帯の罰則
罰金:3000円

無保険

モペットは原付バイクと同じく、自賠責保険への加入が法律で義務付けられています。

無保険運転の罰則
罰則:1年以下の懲役または50万円以下の罰金
行政処分:違反点数6点

また、事故が発生した場合、自賠責保険だけでは被害者への補償が十分でないケースも多くあります。そのため、事故時のリスクを軽減するためには任意保険への加入も推奨されています。

ヘルメット・ナンバー・保安部品装着義務

モペットの運転には、原付バイクと同様にヘルメットの着用、ナンバープレートの装着、および保安部品の装備が義務付けられています。

ヘルメット未装着
行政処分:違反点数1点の減点

ナンバープレート未装着
罰則:5万円以下の罰金
行政処分:5,000円の反則金

保安部品の装備義務
保安部品とは、運転中の安全を確保するための装置です。
これらが正常に作動しない場合、整備不良とみなされ、それぞれの部品に応じた懲役や罰金・反則金があります。

・ヘッドライト
・ウィンカー
・ブレーキランプ
・クラクション

モペットに乗るには何がいる?どの免許があればいい?保険の加入は必要?

ここでは、モペットに乗るために必要なものを紹介します。

免許証

モペットは原付バイクと同様なので、50ccの原付第1種免許が必要です。また、普通自動車免許を所持している人は走行可能です。

ナンバープレート

ナンバープレートの装着が義務付けられています。ナンバーの発行も必要です。ナンバーは、住民票を置く管轄の市役所で手続きすることで発行されます。

自賠責保険の加入

自賠責保険への加入が必須です。自賠責保険は強制保険のため必ず加入しておきましょう。任意保険への加入もオススメです。また、近年では、保険会社だけでなく、コンビニエンスストアでも簡単に契約手続きが可能です。

ヘルメットと保安部品

原付バイクと同様にヘルメットの装着義務があります。ヘルメットはバイク屋さんやネットで購入できます。JISマークやPSCマークの安全規格をクリアしているヘルメットがオススメですよ。

保安基準に適合しているモペット

モペットは最初に紹介したように50ccの原付バイクと同様の扱いとなります。一部の製品では、「フル電動」「電動自転車」と宣伝されているものの、詳細を確認すると原付バイクに該当する記載が後から出てくる場合があります。

モペットを購入するときには原付バイクですとしっかりと記載してくれるバイク屋さんやネット業者から購入しましょう。

モペットは二段階右折が必要?歩道はダメ?他の交通ルールはどうなってるの?

ここでは、モペットの交通ルールを紹介します。

法定速度は原付と同じ

モペットの法定速度は原付バイクと同様になります。原付1種の30km/hまでのスピードを出すことが可能です。

16歳以上の年齢制限

原付免許の取得は16歳以上なので、モペットが運転できる年齢も16歳以上と決まっています。自転車と勘違いして無免許で乗らないように注意しましょう。

右折時は二段階右折が必要

モペットは原付バイクと同じルールが適用されるため、右折時には二段階右折が義務付けられています。二段階右折をしないと罰則となりますが、標識で禁止されているところもあるのでその場合は標識に従って右折しましょう。

歩道の走行や一方通行は不可

モペットは原付バイクなので歩道を走行することはできません。また、一方通行も逆走できません。標識によっては軽車両は除くと注意書きがありますが、モペットは軽車両ではないので注意です。

飲酒運転やながら運転はしない

自転車でもそうですが、モペットも飲酒運転はもちろん禁止されています。飲酒運転をすると懲役や免許取消もあるので絶対にしないようにしましょう。

スマホの操作などの、ながら運転も自動車と同じような形で罰則があります。気軽に運転できるのがモペットのいいところですが、しっかりとした車両に乗っているのだという気持ちでモペットに乗ることが重要です。

ペダルだけこいでいても原付扱いはかわらない

モペットはモーターを使わずにペダルだけで走ることができますが、この状態でも原付扱いになるので上記の交通ルールを守って走行することが義務付けられています。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は最近流行してきたモペットについて紹介しました。モペットは見た目が自転車に似ているため気軽に乗れそうな感じがありますが、区分上は原付と同じ交通ルールとなっています。基本的には原付の交通ルールに従って走行していれば、警察に捕まることはありません。

今回紹介したモペットに乗るのに必要な免許や自賠責保険、ヘルメットを用意し、運転中のNG行為や走行のルールを理解することで、最近増えているモペット関連の勘違いや交通トラブルを防ぐことができます。

便利なモペットの決まりやルール、マナーを守って正しく乗りこなしましょう。