「無料でバイクを引き取ります」という広告を見かけることがありますが、実際に依頼してみると想定外の請求をされるケースが後を絶ちません。
よくあるトラブル例として、長年放置したバイクの処分を依頼したところ、当日になって「不動車なので処分費3万円」「出張費2万円」などと突然請求されるケースがあります。
最初は無料と説明していたのにもかかわらず、現場で追加費用を要求する悪質な業者も実際に存在するのです。
このようなトラブルが起きる背景の一つに、契約内容が曖昧なまま作業が開始されるからという理由があります。
書面での契約もなく口約束だけで進めてしまうと、問題が起きやすいので注意しましょう。
目次
バイクの無料引き取りが怪しく感じる理由
後から追加費用が請求される
最も多いトラブルが、当日になって突然費用を請求されるケースです。
事前に「完全無料」と説明していたにもかかわらず、実際に引き取りに来ると「清掃費用」「点検手数料」「運送費」などの名目で追加料金を要求されます。
悪質な業者は、バイクの状態を理由に様々な費用を後付けで請求してきます。
「状態が悪いので処理費用が必要」「部品が破損しているので修理費がかかる」といった具合です。
特に深刻なのは、支払いを拒否すると「お金を払うまで帰らない」と居座られるケースです。
このような強引な手法で無理やり支払いを迫られ、困り果ててしまう被害者が後を絶ちません。
名義変更がされていない
バイクを引き取った業者が名義変更手続きを怠るトラブルも深刻です。
多くの業者は車検証やナンバープレート付きのままバイクを引き取っていきますが、悪質な業者はその後の名義変更を一向に行いません。
この問題が発覚するのは、翌年4月に軽自動車税の納税通知書が元の所有者に届いた時です。
引き取りから数ヶ月経っても名義が変更されていないことが判明し、税金の支払い義務が残ってしまいます。
さらに深刻なのは、そのバイクが第三者によって使用され、交通違反や放置車両の責任まで元の所有者が負わされる可能性があることです。
違反金の督促状が自宅に届くなど、想像以上の被害を受ける恐れがあります。
個人情報が悪用される
引き取り時に提出した免許証や身分証明書のコピーが、第三者に悪用されるリスクもあります。
個人情報が不正利用され、全く身に覚えのない契約に使われてしまう可能性があるのです。
また、連絡先や住所情報が営業リストとして売買され、しつこい営業電話やダイレクトメールが大量に送られてくるケースも報告されています。
無許可営業の業者による引き取り
バイクの引き取りや買取は、適切な資格や免許がなければできません。
もし買取をしてしまえば、それは違法行為となります。
こうした業者は不正転売や不法投棄といった違法行為を行う可能性が高く、最終的には元の所有者にも法的責任が及ぶ恐れがあります。
適切な処理がされないことで、環境汚染や不法投棄の責任を問われるリスクもあるのです。
悪質業者によるトラブル事例
「無料で引き取ります」という言葉を信じて依頼した結果、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうケースは少なくありません。
ここでは、実際に報告されている悪質業者による典型的なトラブル事例をまとめました。
①当日に清掃費や処分料を請求される
②契約後に無料では引き取りできないと言われる
③名義変更せずに税金や違反通知が届く
④連絡なしに自宅訪問され、断りにくい状況で料金を請求される
⑤引き取り後にバイクが犯罪に使われる
⑥許可なし業者による違法転売、不法投棄
こうした被害は「無料」という言葉の裏に潜む落とし穴です。
依頼者が知識を持たずに進めてしまうと、経済的・精神的な負担を背負うことになりかねません。
事前に注意点を押さえておくことが、自分のバイクと身を守るための第一歩です。
バイクの無料引き取りのトラブルを防ぐためには
ここでは、バイクの無料引き取りのトラブルを防ぐポイントを紹介します。
トラブル防止ポイント①:完全に無料かを確認する
「無料引き取り」と謳っていても、実際にはバイクの状態や車種によって条件が設けられている場合があります。事前に、引き取り条件をよく確認することが重要です。
多くの業者は、ホンダやヤマハなどの国産メーカーのバイクは引き取り可能としている一方、中国・台湾製のバイクや古いスクーターは対象外としていることがあります。
こうした条件は通常、業者のホームページに記載されているため、必ず事前にチェックしてください。
無料見積もりのサービスがある場合は、愛車の詳細情報を入力して確認しておきましょう。
許可、資格の確認
信頼できる業者かどうかを判断する最も重要なポイントは、適切な許可・資格を持っているかです。
バイクの買取・引き取りには古物商許可、廃棄物処理には産業廃棄物処理業の許可が必要です。
業者のホームページで許可番号を確認し、不安な場合は所管の行政機関で許可番号を調べておきましょう。
偽の許可番号を掲載している悪質業者も存在するためです。
バイクに価値があるか確認する
無料引き取りを依頼する前に、愛車の市場価値を調べてみることも大切です。
複数のバイク買取業者に査定を依頼してみると、意外な価値が判明することもあります。
もし買取価格が付く場合は、無料引き取りではなく買取を選択すれば、お金を受け取りながらバイクを手放すことができ、一石二鳥です。
廃車手続きをしてくれるのかを確認する
廃車手続きは平日の日中に市役所や運輸支局で行う必要があり、働いている方には大きな負担となります。
そのため、廃車手続きを代行してくれる業者を選ぶのが賢明です。
ただし、悪質な業者は廃車手続きを怠り、完了連絡もしないまま放置することがあります。
その結果、後になって税金の通知が届いてしまうという事態にも陥りかねません。
バイクの引き取りを依頼するときには、廃車手続きの代行もしっかりとしてくれるのか、完了後に連絡がもらえるのかどうかを確認しておくことが重要です。
信頼できるバイクの無料引き取り業者の特徴
ここでは、信頼できるバイクの引き取り業者の特徴を紹介します。
許可や資格を持ち、所在地がしっかりしている
信頼できる業者を見分ける第一のポイントは、適切な許可・資格を持っているかです。
古物商許可や産業廃棄物処理業許可などの公的な資格を取得し、その許可番号をホームページや名刺に明記している業者を選びましょう。
これらの許可を取得するには、明確な事業所の所在地が必要です。住所が曖昧な場合は要注意です。
実際にその住所に事業所が存在し、連絡が取れることを確認してください。
料金体系や一覧が載っている
優良業者のホームページには、無料引き取りの対象条件や、有料となる場合のサービス料金が明確に記載されています。
料金の透明性は信頼性の重要な指標です。
無料の見積もりフォームや、問い合わせメール、追加費用の説明など、充実した内容が記載されている場合は、信頼できる業者です。
曖昧な表現で無料ばかりを強調し、具体的な条件を示さない業者は避けましょう。
良い口コミや対応が丁寧
インターネットで業者を検索すると、ホームページや住所が表示されます。
そのなかに実際に利用した口コミの評価が良いと素敵な対応が期待できます。
契約書を交わしてくれる、質問にも答えてくれる、当日の対応も丁寧といった業者は優良業者です。
また、電話やメールでの受け答えや返信の速度や対応の丁寧さといったところからも、それは伺えるでしょう。
実際にコンタクトを取ってみて、優良な業者かどうか判断するのも一つの手です。
名義変更を確実にしてくれる
最も重要なポイントの一つが、名義変更手続きを確実に実行してくれるかどうかです。優良業者は名義変更完了後に必ず完了通知を送ってくれます。
「いつ名義変更が完了するのか」「完了後にどのような形で連絡をもらえるのか」を事前に確認し、書面で約束してくれる業者を選びましょう。
このように、信頼できる業者には特徴があります。
逆に、次のような業者は悪質である可能性が高いため、避けてください。
- 適切な許可・資格を持たない業者
- 料金体系が曖昧で「無料」ばかりを強調
- 口コミや評判が皆無、または悪評が多い
- アポなしの突然訪問や執拗な電話営業
- 契約書を用意しない
- 事業所の実態が不明
こういった特徴を頭に入れて業者選びをすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。
無料引き取りサービスを利用する前に試してほしいこと
指定引取場所
全国に160ヶ所ある指定引取場所である「自動車リサイクル促進センター」は、バイクを直接持ち込めば無料で引き取ってくれます。
センターでは、引き取ったバイクのリサイクルをしており、原付から軽二輪、小型二輪の引き取りをしています。
ホームページでは、二輪車の引き取り基準や対象バイクの全体の流れなどを調べることができます。
なお、自分での持ち込みが難しい場合は、廃車費用や運搬費用がかかってしまいます。
- 公式ホームページ:サイトはこちら
バイク買取専門業者に依頼
バイクにまだ価値がある場合は、無料引き取りではなく買取業者に査定をしてもらい売却することをオススメします。
年式が古い旧車、新車から10年以内などの年式が新しいバイクなどは、まだまだ需要があるので高い金額で売却することができます。
業者に依頼をすると自宅まで見積もりに来てくれます。
そのときに純正部品が残っていると査定金額が上がることがあるので用意しておきましょう。
また、その業者は買い取りだけでなく、廃車手続きも代行してくれます。
バイク処分専門業者
バイク処分の専門業者なら基本的にどのようなバイクでも引き取りをしてくれます。
壊れてしまって動かないバイクや古くて乗らなくなった放置車などを無料で引き取りをしてくれるだけでなく、状態によっては買い取ってくれることもあります。
ちなみに、引き取ったバイクは海外に輸出することで修理して使用することもあるようで、そのような業者が利益を上げています。
バイクの無料引き取りに関してよくある疑問
ここではバイクの無料引き取りに関してよくある質問を紹介します。
不動車や事故車も無料で引き取れる?
状態によっては無料引き取りが可能です。
エンジンが動かない不動車や事故で損傷したバイクでも、使えるパーツに価値があれば買い取ってくれる業者も存在します。
不動車や事故車の引き取り基準は、事前にホームページや問い合わせで確認しておきましょう。
車検切れや保険切れでも問題ない?
手続きや回収自体が可能な業者はあります。
場合によっては有料、引き取り不可な場合もあるので事前に確認しましょう。
バイクの引き取り時に必要な本人確認や書類は?
本人の運転免許証やバイクの廃車申告書、ナンバープレートを用意する必要があります。
その他に必要な書類は、多くの場合業者が用意したものに現場で記入することが多いです。
自分で廃車手続きをしたあとに引き取り依頼ができる?
バイクの廃車や一時抹消をした状態でも引き取りをしてくれる業者は多いです。
自分で廃車手続きやナンバーの返納をした場合には廃車証などの手続き書類はしっかりと残しておき、業者に渡せるようにしておきましょう。
こちらも業者に事前に相談することをオススメします。
まとめ
今回はバイクの無料引き取りについての問題や注意点を紹介しました。
バイクの無料引き取りは安心できる業者と怪しい業者があり、どちらにも特徴やポイントがあります。
今回紹介したバイクの無料引き取りの怪しい業者の見極め方と注意点を理解して、自分のバイクを安心して手放せるようになりましょう。