バイクのポジションランプの役割
バイクの「ポジションランプ」は、昼夜問わず車両の視認性を向上させる重要な安全装備です。
この記事では、ポジションランプの基本的な役割から始まり、義務化の背景、最新の法規制、関連する改正点(サイドリフレクター・デイライト)について詳しく解説します。
さらに、LED化によるメリットと注意点、交換時のポイント、オススメ製品まで幅広く紹介します。
読み終える頃には、自分の愛車を安全かつスマートにアップデートする道筋がスッと見えているはずです。
目次
バイクのポジションランプ装着がなぜ義務化された?
ここでは、バイクのポジションランプがなぜ義務化されたのかを説明します。
ポジションランプの保安基準
ポジションランプには明確な保安基準が設けられています。
基本的な仕様は以下の通りです。
- 色:白色が基本(ウィンカー兼用の場合は橙色も可)
- 個数:2個または4個
- 視認距離:夜間300m先から確認可能
- 光度:300cd以下(5W〜30W相当、まぶしすぎず周囲の妨げにならない)
従来は、車幅0.8m以上のバイクにのみ装着義務がありました。
2023年9月の改正
ポジションランプについての基準は、2023年9月より改正がありました。
大幅な改正が実施されたので、確認しておきましょう。
- 車幅に関係なく全車種で装着義務化
- 2025年6月以降の新型車で装着義務化
改正前に生産された既存車両には装着義務はありません。
また、ウィンカーをポジションランプとして兼用することも認められています。
義務化の原因
バイクの視認性向上が最大の目的です。
二輪車は四輪車と比較して車体が小さく、他の交通参加者から見落とされやすい傾向があります。
ポジションランプの装着により被視認性を向上させ、交通事故の減少を図ることが狙いです。
他の改正点①:サイドリフレクターの追加
ポジションランプと同様に、2023年9月以降の新型車にはサイドリフレクター(側方反射器)も装着義務になりました。
これまでは、後部にリフレクターの装着が義務化されていましたが、この改正でサイドにもリフレクターの装着が必要になりました。
色はフロントにはオレンジ、リアにはオレンジか赤の指定があります。
ちなみに、外車には以前からリフレクターがついているバイクが多いです。
他の改正点②:デイライトの解禁
車ではデイライト(昼間走行灯)が装備された車両が多くなっていますが、バイクへの装着は保安基準では正式に認められていませんでした。
欧州車の一部にはデイライトを装備したバイクが存在していたものの、日本国内での法的な位置づけが曖昧な状況が続いていました。
今回の改正により、バイクでもデイライトの装着と使用が正式に解禁されました。
ただし、デイライトの運用には明確な制限が設けられています。
ヘッドライトとデイライトの同時点灯は禁止されており、ヘッドライトが消灯している状態でのみデイライトを点灯させることができます。
また、この切り替え動作は手動ではなく、自動で行われることが義務づけられています。
ポジションランプのLED化とは?
最近のバイクではLED仕様のポジションランプが標準装備されていますが、従来モデルではハロゲン球を使用していることが多いのが現状です。
ここでは、ポジションランプのLED化について詳しく解説します。
メリット①:LED化で電力消費を抑える
ポジションランプをハロゲンの電球タイプからLED電球に交換することで、消費電力を抑えることができます。
バイクはABSやメーター、ETCやUSB電源などの電装品が多い割にはバッテリーが小さくなっているのが一般的です。
そのような中、LEDにすることで消費電力を抑え、バッテリー寿命を延ばせます。
メリット②:寿命が長い
LED球はハロゲン球と比較して圧倒的に長寿命です。
ハロゲン球の数十倍の寿命を誇り、交換頻度を大幅に減らすことができます。
また、発光効率も高く、明確な光を放つため視認性の向上も期待できるでしょう。
メリット③:見た目のグレードアップ
LED球には様々な色温度が用意されていますが、多くの場合は白色への交換が人気です。
ハロゲン特有の黄味がかった光からLEDの白色光に変わることで、モダンで引き締まった印象を与えることができます。
デメリット①:LEDの色に注意
ポジションランプの色は、保安基準に沿った白(または黄淡色)に規定されています。
LED電球にはかなりの種類があり、中には青に光るものもあります。
青色はドレスアップ用として多くの店で売られていますが、保安基準や車検ではNGです。
また、赤や緑など様々な色がありますがこれも禁止されています。
見た目の魅力だけでなく、法規制への適合も必ず確認するようにしましょう。
デメリット②:明るすぎる
安価なLED球やインターネット通販で販売されている製品の中には、過度に明るい光を放つものがあります。
ポジションランプの光度は300cd以下と規定されているため、明るすぎる製品は保安基準違反となり、車検に適合しません。
デメリット③:安価なLEDは注意
低価格帯のLED球には品質面で問題があるものも存在します。
発光ムラやちらつき現象が発生する製品は、保安基準を満たさない可能性があり、車検不適合の原因となります。
また、安価な製品は謳われている寿命より早く故障することもあるため、品質と価格のバランスを慎重に検討することが重要です。
ポジションランプの交換方法
ここでは、ポジションランプの交換時期や金額、方法などを紹介します。
交換時期の目安
LED球は長寿命ですが、永続的に使用できるわけではありません。
特に、次のような症状が現れたら交換時期のサインです。
- 発光色が購入時の白色から黄色や青色に変化してきた
- 明るさが徐々に低下し、暗くなってきた
- 点滅やちらつき現象が発生する
こういった症状は性能劣化の表れであり、視認性や安全性の低下につながるため、早めの交換を検討しましょう。
LED電球の交換金額
LED電球は寿命が長く、光度も申し分ないですが、その分金額は高くなっています。
ノーマルと同様のハロゲン電球は数百円で購入できる場合がほとんどですが、LED電球は数千円かかるため、比較するとかなり高価です。
工賃は車種によって異なりますが、多くの場合、数百〜数千円となっていることが多いです。
長期的にはLED球の長寿命により総コストは抑えられますが、初期投資として考慮が必要だということを忘れないようにしましょう。
交換方法①:ヘッドライトの裏にアクセスする
ポジションランプはヘッドライトの近くにあることが多いので、まずはヘッドライトの裏にスペースを作るために必要なカウルやカバーを外します。
カプラーが視認できた後は、回して外すタイプもあれば、そのまま引き抜くタイプもあります。
交換方法②:電球を交換する
カプラーを引き抜くと電球が見えます。
カプラーの形状によって電球の外し方が違いますが、そのまま電球をまっすぐに抜くか、押しながら回すことで電球を外すことができます。
点灯確認をしてからカプラーを取り付ける
LED球には極性があるため、取り付け方向によっては点灯しない場合があります。完全に組み立てる前に、必ずキーオン状態で点灯確認を行ってください。
点灯しない場合は、電球を180度回転させて極性を入れ替えることで、解決することがほとんどです。初期不良を除けば、この方法で正常に点灯します。
また、LED球が明るすぎる場合は保安基準に適合しない可能性があります。
光度に不安がある場合は、バイク屋さんなどのヘッドライトの光度計で計測してもらいましょう。
バイクのポジションランプのおすすめ
ここでは、オススメのポジションランプを紹介します。
LED電球:M&H(マツシマ)T10タイプ拡散型
二輪車用の電球を販売しているM&HのLED電球は高品質なラインナップです。
ポジションランプで使うことを考慮すると、広いエリアを照らす拡散型がオススメです。
拡散型の中でも先端のLEDの数が一つだったり、複数で色々な角度に広がっているものなど照射パターンや価格帯が異なります。
色は選択できますが、保安基準と車検適合を確実にするため、ホワイトカラーの選択が推奨です。
- 商品名:M&H(マツシマ)電球型LED Lビーム
- バリエーション:L700、L706SP、L700F、L709H、L700DF
- 価格:税込825円~3,080円
- 公式ホームページ:サイトはこちら
スフィアライト LEDポジションランプ
スフィアライトのポジションランプは最大270度の拡散タイプで圧倒的な存在感を発揮します。
電球タイプはT10のみです。
色味もあるので、ヘッドライトと同時交換でのLED化をオススメします。
- 商品名:スフィアライト バイク用LEDポジションランプ
- バリエーション:T10(1個入り2個入り有り)、T10EX(1個入りと2個入り有り)
- 価格:税込1,100円~4,378円
- 公式ホームページ:サイトはこちら
LED電球とハロゲン電球の選び方
両者の特性を理解した上で、自分のニーズに合った選択をすることが重要です。
ここでもう一度、両者の特徴を確認しておきましょう。
- 明るく鮮明な白色光
- 長寿命(数年〜10年程度)
- 消費電力が少ない
- 初期費用が高い
- 温かみのある黄淡色
- 比較的短寿命(数ヶ月〜数年)
- 低価格
- クラシックな雰囲気を維持
LED電球は明確な白色光と長期的なコストパフォーマンスを重視する方に適しています。一方、ハロゲン電球は初期費用を抑えつつ、伝統的な雰囲気を保ちたい方にオススメです。
選択の際は、使用頻度、予算、求める光色、メンテナンス頻度などから総合的に検討してください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はバイクのポジションランプの義務化やおすすめのLEDランプを紹介しました。
ポジションランプの装着義務は段階的に拡大されており、従来は車幅0.8m以上の車両のみでしたが、2023年9月以降の新型車(原付は2025年6月以降)では車幅に関係なく全車種で装着が義務化されたことを学びましたね。
この法改正は、バイクの被視認性向上による交通事故減少を目的としており、サイドリフレクターの追加やデイライトの解禁も同時に実施されています。
LED化については、消費電力削減や長寿命といったメリットがある一方で、色温度や光度の規制適合、品質による性能差といった注意点もありました。
製品選択の際は、保安基準への適合を最優先とし、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。
今回紹介したポジションランプの法律や規則、選び方を理解して、自分のバイクを安全性重視にグレードアップしていき、より安全で快適にライディングを楽しめるようになりましょう。