本記事では、バイクのLEDテープ取り付けに関する規則や、LEDテープの取り付け方について解説していきます。

LEDテープを取り付けることは違法?

バイクにLEDテープを取り付けること自体が直ちに違法となるわけではありません。

ただし取り付け方法などに問題があると「灯火装置・その他灯火装置」とみなされ、保安基準に抵触すると判断された場合は違反となる可能性があります。

ここでは、違反になった場合の影響や注意点について紹介します。

道路交通法

道路交通法にはLEDテープに関する直接的な規定は存在しません。

ただし、LEDテープの取り付け位置、発光色、点滅パターンなどが他の灯火装置や信号と誤認される可能性がある場合、灯火類の不備や整備不良として取り締まりの対象となる可能性が高くなります。

道路運送車両法

道路運送車両法の保安基準では、灯火・照明類に関して色・明るさ・点滅などの制限が設けられています。

LEDテープをその他灯火類として扱うケースが多く、その中で適合性が問われます。

例えば、下記のような規定があります。

  • 点滅や高度の増減を伴う演出は禁止
  • 後方・後面方向で白色発行は禁止
  • 前方や側方で赤、橙、白での発光は禁止
  • LEDテープの明るさは300cd以下

このような基準に違反する場合、保安基準不適合として取り締まりの対象となります。

車検時の影響

車検では道路運送車両法に基づく厳密な検査が実施されます。

点滅機能、光度の変化、過度な明るさなどは車検に合格できない原因となるので気を付けましょう。

運輸支局によって判断基準に若干の差異があり、LED自体をグレーゾーンとして扱う場合や、光源が直接視認できる状態を不適合とする場合もあります。

LEDが装着されている場合、点灯確認が実施されます。

もし、不点灯や不安定な点灯だった場合、灯火不備として指摘されます。

車検合格後であっても、路上での取り締まりで指摘される可能性もあるので、注意しましょう。

取り締まりのリスク

夜間や暗所での走行時、LEDテープの点灯は非常に目立ちます。

ウィンカー、非常灯、警告灯と誤認される可能性がある場合は取り締まりの対象です。

特に、交通安全の強化月間中であったり、赤や青などの緊急車両を連想させる色を前面といった目立つ場所に使っていたりする場合には、取り締まりのリスクが高まります。

バイクのLEDテープ取り付けに関する規則

道路運送車両法の保安基準第218条ではその他灯火類について詳しい説明がなされています。

ここでは、バイクのLEDテープの取り付けに関する具体的な規則を紹介します。

保安基準①:色の制限

保安基準では発光色に厳格な制限があります。

前方・側方への赤色・橙色・白色の発光は、緊急車両(救急車・警察車両など)との混同を防ぐため、禁止または厳しい制限対象となります。

後方向きの白色灯火も原則として認められていません。

色の規制は特に厳格で、警察の取り締まりや車検時のトラブルの主要因となっています。

保安基準②:点滅や明度変化の制限

ウィンカーなどの灯火類を除いて、LEDテープなどのその他灯火類は、「点滅する灯火・または光度が増減する灯火を備えてはならない」と規定されています。

ストロボ発光や残光ユニットによるゆっくりとした点滅など、光度変化を伴う演出は保安基準違反となります。

保安基準③:明るさの上限

明るさに関しても明確な上限が設定されています。

イモビライザーなど盗難防止装置の表示灯(0.5cd以下)を除き、LEDテープを含むその他灯火類の明るさは300cd以下でなければなりません。

実際の路上取り締まりでは光度測定機器を携帯していないケースが多いため、極端に明るくない限り即座に取り締まりを受ける可能性は低いものの、車検時には厳格に測定される可能性があります。

保安基準④:既存のライト類を遮らない

LEDテープの取り付け位置にも制限があります。

テールランプ、ナンバー灯、ウィンカー、ヘッドライトなど法定灯火類を遮ったり隠したりするような位置への取り付けは明確に禁止されています。

LEDテープの取り付けには、このように詳細かつ厳格な保安基準が存在します。

これらの基準に適合しない取り付けは、警察の取り締まりや車検不合格の原因となるので、装着を検討する際は、法令遵守と安全性を最優先とする考えを持ちましょう。

LEDテープで夜間走行

ここでは、LEDテープの夜間走行での問題点やリスクを紹介します。

眩惑・視界妨害

過度に明るいLEDテープは、対向車や後続車のドライバーに眩しさを与え、視認性を著しく低下させる危険性があります。

特にLEDの強い光は拡散してギラギラとした反射を起こし、路面の白線や道路標識の視認性を損なう可能性があります。

これは単なる迷惑行為ではなく、重大な交通事故の原因となりうる危険行為です。

誤認、煩わしさ

LEDテープの発光パターンや色が、ウィンカー、非常灯、警告灯と混同される可能性があります。

特に、赤色や青色など強い印象を与える色を目立つ位置で使用すると、緊急車両と誤認されるリスクが高まります。

電気的なリスク、信頼性のリスク

夜間や雨天時は湿潤、結露、水滴といった影響を受けやすく、LEDの配線が短絡してしまったり、断線したりするリスクがあります。

LEDテープが使用しているうちに過熱してきたり、接続端子が緩んできたりするなどして点灯不良や漏電などの電気的トラブルが発生する可能性もあります。

違反を指摘されるリスクが高い

LEDテープは日中よりも夜間のほうが目立ちます。

夜間に明るいLEDや疑わしい色のLEDなど目立つLEDテープを光らせていると、警察の目に留まりやすく、チェックされたり指摘されたりする可能性が高まります。

バッテリーへの負荷増大

LEDテープは省電力ですが、バイクの電源を使って点灯させているので電力を消費していることに違いはありません。

夜間は、他にも灯火類を多く使うので、バッテリーへの負荷が増大します。もし、充電が追いつかない場合、バッテリー上がりのリスクも高まります。

多くのLEDを同時に点灯させる場合にはバッテリやバイクの電力管理に注意しましょう。

このように、夜間走行時はLEDテープの問題点が顕在化しやすく、他の交通参加者の安全を脅かす可能性、取り締まりリスクの増大、電気系統のトラブルなど、複合的な危険性が存在します。

このようなリスクを十分に理解した上で、装着の是非を慎重に判断する必要があります。

LEDテープの種類

ここでは、LEDテープの種類について紹介します。

単色固定(単一カラー)

最も一般的なタイプで、単一色のみを発光するシンプルな構造です。

赤、青、白など豊富なカラーバリエーションがあり、制御回路もシンプルなため、点滅や明度変化をさせなければ比較的保安基準に対応しやすい特徴があります。

ただし、色選択には注意しましょう。

前方・側方への赤色や白色の使用、後方への白色使用など、保安基準で禁止されている配色を避ける必要があります。

防水タイプ

シリコンコーティングやチューブ封入により防水性能を持たせたタイプです。

雨天時や水はねに強い屋外仕様のため、バイクへの装着に適した構造となっています。

デメリットは柔軟性に欠けることです。

防水構造の代償として曲げ伸ばしに制限があるものが多いため、取り付け位置の形状に合わせにくい場合があります。

SMDチップ型

SMDチップ型はLEDチップを基板の表面に直接固定されているタイプのLEDです。

小型のLED素子を使っており、高密度で、均一な発光を実現しています。

メリットは、コストパフォーマンスがよく、発光に均一性があるので見栄えが良く、省電力である点です。

デメリットは1個当たりの明るさが控えめで、一部が故障した場合でも、テープ全体の交換が必要になるケースが多いという点です。

RGB型

RGB型のLEDは複数のカラーを点灯させるタイプのもので、色の変化を楽しむことができます。

メリットは色変化やフェードなど素敵な演出ができることです。

デメリットは点滅や明度変化禁止の保安基準に抵触するリスクがあることです。

このように、LEDテープには様々な種類がありますが、どのタイプでも適切な色選択、取り付けをしなければ違反となる可能性があるので、注意しましょう。

LEDテープの取り付け方

ここでは、LEDテープの取り付け方について紹介します。

手順①:LEDの種類、色の選択

まずは、LEDを取り付ける箇所に最適なLEDの種類と色を選択します。

バイクは雨天走行や水はねのリスクがあるため、防水性が必要か、必要でないかを優先的に考えましょう。

赤や橙、白色などの色を使うときには保安基準に照らして慎重に選びましょう。

手順②:取り付ける場所の選定

LEDを正式に取り付ける場所を選定します。

既存の灯火に干渉しない位置(カウルの隙間やステップの裏、フェンダーの裏など)に取り付けるようにしましょう。

手順③:配線のレイアウトを考える

LEDテープの配線のレイアウトを考えます。

LEDテープ→運転席に増設したスイッチ→12Vの+電源のレイアウトで配線を考えましょう。

スイッチを介することで、バッテリー負荷を軽減できます。

マイナスの配線はボディーアースよりもバッテリー端子にアースをしたほうが点灯が安定します。

また、+側の配線にはヒューズを装着して回路や配線の保護をしましょう。

手順④:実際に配線してスイッチを取り付けて点灯確認をする

イメージや材料がまとまったら作業を開始しましょう。

配線加工はしっかりと行い、端子カバーやビニールテープ配線を隠すなど、防水、防汚加工も実施します。

スイッチまで加工が完了したらスイッチをオン・オフして正常に点灯しているか、点滅していないかをしっかりと確認して作業は完了です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はバイクに取り付けるLEDテープについて違法性やメリットデメリットなどを紹介しました。

LEDテープを取り付けること自体は違法ではありませんが、保安基準に適合するよう慎重に取り付けたとしても、警察の取り締まりや車検時の判断はケースバイケースであり、グレーゾーンとして指摘される可能性はあります。

今回紹介したLEDテープについての基準や取り付けのコツを理解して、LEDテープを使った合法カスタムを楽しみましょう。