バイクに乗るとしたら「どうせなら最初から大型!」と考える人も多いでしょう。
しかし、いきなり大型二輪免許を目指す前に、免許制度やリスク、メリットをしっかり理解しておくことが大切です。
ここでは、初心者が安全にバイクライフを始めるために知っておきたいポイントをまとめました。
バイク免許の種類について
原付(原動機付き自転車)
日本で乗れるバイクは、排気量ごとに必要な免許が分かれています。
最も小さいのが「原付免許(原動機付自転車)」で、50cc以下のバイクが運転できます。
16歳から取得でき、通勤や通学といった日常的な移動手段として便利な反面、最高速度は時速30キロに制限され、二人乗りや高速道路の走行はできません。
小型限定普通二輪免許
125ccまでのバイクに乗れるのが小型限定普通二輪免許です。
こちらも16歳から取得可能で、車体が軽く初心者でも扱いやすいのが特徴です。
燃費の良さも魅力で、街中での移動や通勤用として根強い人気があります。
この125ccという排気量帯は「原付二種」と呼ばれることもあります。
普通二輪免許
400ccまでのバイクに乗れるのが普通自動二輪免許です。
高速道路の走行やツーリングなど、より自由なバイクライフを楽しめます。
多くの日本人ライダーが、まずこの免許からバイク人生をスタートさせています。
以前は「中型二輪免許」と呼ばれていました。
大型二輪免許
すべてのバイクに乗れるのが大型自動二輪免許です。
18歳以上で取得でき、排気量の制限はありません。
ハーレーのような重厚な車体や、パワフルなスポーツバイクも自由に選べるのが魅力ですが、重い車体を支える体力と高度な技術が必要になります。
バイクの大型免許はいきなり取得できる?
大型二輪免許について
大型二輪免許を取得すると、原付から401cc以上の大型バイクまで、すべての排気量のバイクを運転できるようになります。
ハーレーや大型ツアラー、リッタークラスのスポーツバイクなど、憧れの名車に制限なく乗れるため、バイク好きにとっては究極の免許といえるでしょう。
排気量が大きい分、加速力やパワーは圧倒的で、高速道路や長距離ツーリングでも安定した走りを楽しめます。
ただし、車体の重量も増すため、取り回しや低速走行では高い技術が求められます。
大型二輪免許の取得
結論から言えば、いきなり大型二輪免許を取得することは可能です。
教習所によっては、普通二輪免許を持っていない人でも大型免許から取得できるコースを設けており、条件を満たせば誰でも挑戦できます。
普通二輪免許と大型二輪の取得方法やルートの違い
大型二輪免許を取得するルートには、大きく分けて2つあります。
一つ目は段階取得ルートです。
まず普通二輪免許を取得してから、後に大型免許へステップアップする方法です。
小〜中排気量のバイクで基本操作や交通感覚をしっかりマスターしてから大型車に進むため、最も一般的で安全性の高いルートといえます。
二つ目はいきなり取得ルートです。
免許を持たない状態から、最初から大型二輪免許の取得を目指す方法です。
短期間で憧れの大型バイクに乗れるというメリットはありますが、教習時間や費用が増えるため、難易度も高くなります。
特に、クラッチ操作や車体の重さに慣れていない初心者にとっては、かなりハードな挑戦となるでしょう。
バイクの大型免許をいきなり取得することのメリットとデメリット
大型免許をいきなり取得することには、憧れを最短で叶えられる魅力がある一方、初心者が見落としがちなリスクも潜んでいます。
実際に挑戦する前に押さえておきたいメリットとデメリットを見ていきましょう。
メリット
最大のメリットは憧れの大型バイクに最短で乗れることです。
普通二輪を経由しない分、ハーレーやリッタースポーツといったビッグマシンへの道のりが一気に縮まります。
教習所に二度通う手間も省けるため、トータルの時間と費用を抑えられる可能性があります。
取得後は排気量の制限がなくなり、乗りたいバイクを自由に選べるのも大きな利点です。
ロングツーリングや高速走行、二人乗りなど、バイクライフの楽しみ方を一度にすべて手に入れることができます。
デメリット
一方で、見過ごせないリスクも多く存在します。
まず、重量のある車体に慣れていないため、転倒の危険性が高まります。
発進時や低速走行ではわずかなバランスの乱れが命取りになり、立ちゴケしてしまうことも珍しくありません。
教習そのものも体力的・精神的に負担が大きく、長時間の集中が求められます。
クラッチやブレーキの基礎が身についていない状態で小回りやスラロームに挑むのはハードルが高く、挫折してしまう人も一定数います。
加えて、大型バイクは維持費や保険料、装備品も高額です。
操作に不安を抱えたまま無理に乗り続けると、恐怖心が強まり、バイクそのものへの自信を失ってしまうリスクもあります。
大型二輪免許のいきなり取得の難易度
大型二輪免許は、排気量無制限のバイクを運転できる最上級の免許です。
その分、教習内容や試験の難易度も高く、初心者がいきなり挑戦する場合は苦戦を強いられるケースも少なくありません。
教習所の卒業率を見ても、普通二輪を経由してから大型へ進む人に比べ、最初から大型を目指す人は途中で挫折しやすい傾向にあります。
技能教習の時間数
まず、技能教習の時間数に大きな差があります。
免許を持たない状態から大型を取得する場合、30時限以上の技能教習が必要になります。
対して、すでに普通二輪免許を持っている人なら12〜15時限ほどで済むため、体力的にも精神的にも負担が軽くなります。
教習所に通う時間も短縮できます。
教習課題が難しい
教習課題の難しさも、初心者にとっては大きな壁です。
一本橋、スラローム、坂道発進といった課題は、車体の重さとパワーの強さによって難易度が一気に跳ね上がります。
特に一本橋では、わずかなバランスの乱れで車体が落ちてしまうこともあり、非常に慎重な操作が求められます。
また、一本橋やスラロームは普通二輪よりも秒数が長く設定されているため、より丁寧で正確な低速操作が必要になります。
教習車両の重量が重い
教習車の重量も大きな課題です。
大型バイクの多くは250〜300kg前後あり、取り回しや押し歩きの段階で苦労する人も珍しくありません。
支えきれずに立ちゴケしてしまうケースもあり、体力とバランス感覚の両方が求められます。
以前はCB750のようなかなり重い車両が中心に使われていましたが、最近ではNC750といった軽量モデルを採用する教習所も増えてきました。
とはいえ、CB750を使用している教習所はまだまだ多いのが現状です。
このように、いきなり大型免許を取得するのは不可能ではありませんが、実際には難易度が高く、途中で諦めてしまう人も多いのが現実です。
しっかりと基礎を身につけ、自信を持って教習に臨むためには、段階的に経験を積む方が安全で確実な場合もあります。
大型二輪免許がもたらすメリットとは?
大型二輪免許を取得すると、バイクライフの幅が一気に広がります。
ここでは、大型免許を持つことで得られる具体的なメリットを見ていきましょう。
様々なバイクに乗ることができる
最大の魅力は、排気量の制限なくどんなバイクにも乗れる自由を手に入れられることです。
大型二輪免許があれば、ハーレーやBMW、Kawasaki Zシリーズといった世界中の名車すべてが、乗るバイクの選択肢に入ります。
圧倒的な存在感、鼓動するエンジン音、走行時の安定感など、大型ならではの醍醐味を味わえるのは、この免許を持つ人だけの特権です。
長距離ツーリングができる
大型バイクは長距離ツーリングに非常に適しています。
車体に重量がある分、直進安定性が高く、高速道路でも風にあおられにくいのが特徴です。
加速性能や巡航性能にも優れており、エンジンに余裕があるため長時間走っても疲れにくいという魅力もあります。
キャンプツーリングや日本一周といった、旅をメインに楽しみたいライダーには理想的な選択肢です。
重量があることによる安定感
大型バイクの重さは、そのまま安定感につながります。
低速走行や二人乗りでも、どっしりとした車体が安心感を与えてくれます。
最初は取り回しの難しさに苦労するかもしれませんが、慣れてくると重さゆえの安定性に魅力を感じるようになる人も多いです。
ライディングスキルの向上
大型バイクに乗ることで、自然とライディングスキルも向上します。
大きな車体を自在にコントロールできるようになると、クラッチやブレーキ操作の精度が格段に上がり、どんなバイクにも余裕を持って乗れるようになります。
軽量車から重量級まで、あらゆるバイクを操る技術を身につけた証といえるでしょう。
ステータス
大型二輪免許には、ステータス性もあります。
大型バイクは多くのライダーにとって憧れの的であり、免許を取得したという達成感や、大型バイクを所有したときの満足感は格別です。
ひとつの夢を実現した誇りを、深く実感できるものになるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は初心者の大型二輪免許の取得について紹介しました。
初心者がいきなり大型免許を取得することは制度上可能ですが、難易度は高く、技術的にも体力的にも大きな負担がかかるのが現実です。
安全にステップアップしたいのであれば、まず普通二輪で経験を積んでから大型へ進む方が安心で効率的と言えます。
大型バイクは重く扱いづらい一面もありますが、得られる自由と達成感は格別です。
今回紹介した、いきなり取得する場合と段階を踏んで取得する場合の違い、それぞれのメリット・デメリットをしっかり理解したうえで、自分に合った免許取得の道を選びましょう。
















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