原付は主に移動手段として使われますが、その手軽さなどを理由に、趣味として楽しむこともできます。無趣味でこれといった休日の過ごし方を持っていない方でも、ここで紹介する原付の良さを知れば、これまでと違う新しい生活を始めることができるでしょう。

趣味として原付をおすすめするポイント

“趣味としての原付がおすすめできる理由”をいくつか挙げていきます。

ポイントは、
始めるにあたってのハードルが低いこと、費用があまりかからないこと、手軽であることなどです。
詳しく見ていきましょう。

車の免許で乗れる

中型バイクの場合、中型用の免許を取得しなければなりません。自動車より少し短い期間で取得できますが、こちらを趣味とするには、始めるまでに相当の期間を要してしまいます。大型バイクに乗ろうとするのであればさらに期間が必要です。費用もその分多く発生します。
しかしバイクに比べて車の免許を持っている人は多く、その免許の範囲内で原付は乗ることができます。そのため原付だと、わざわざ別途免許を取得する手間がかからなくて済むケースが多いのです。
仮に車の免許を持っていない場合でも、原付だけの免許であれば何週間も教習所に通うこともなく、取得が可能です。

中古であれば手ごろな価格で購入できる

原付は、他の乗り物に比べてかなり低価格で手に入れられます。この点も趣味としてのハードルを下げる大きな要因といえるでしょう。
新車でも15~20万円程度で買えるものが多く、中古車だと10万円程度で購入できるものが多いです。特に原付だと中型以上のバイクより流通が多く、同じ中古でも新車に近いものから、かなりの距離を乗った格安のものまで、選択肢が多いという特徴も持ちます。
ただ、その際は価格のみならず、メンテナンスやその後の修理の必要性などとのバランスも考慮しなければなりません。5万円を切ってくるとすぐに故障してしまうリスクも高くなってきますし、格安の場合にはその理由をショップで確認することが大事です。

車検がない

原付に限った話ではありませんが、エンジンの大きさが一定以下の2輪では車検が不要です。定期的に車検に出して大きな費用をかけたり、面倒な手続きを行ったり、という必要もありません。

燃費が良い

乗り物の維持費として重要になってくるのがガソリン代です。そしてそのガソリン代を左右するのが燃費です。燃費が良いほど少ないガソリンで長く移動することができますので、維持費を抑えることができるのです。
そして原付の場合、自動車や他のバイクと比べても燃費が良いという特徴を持ちます。それも微妙な差ではありません。相場で言うと、1.5~2倍ほどの差はあります。中型バイクの燃費はおよそ40km/Lとされており、大型バイクだと20~30km/Lほどと言われています。これに対し原付は70~80km/Lほどの燃費を持ちます。
もちろん、乗り方や車種によって変わってきますが、平均的には圧倒的な差をつけて燃費が良いのです。

小さく扱いやすい

原付は車体が小さく、重量も軽く、非常に扱いやすいです。エンジンを付けず、ついて歩く場合でも難なく運べます。中型バイク以上で同じことをしようとすると、力の弱い方だと転倒のリスクが高くなり、一度倒れたバイクを立て直せないというケースもあります。
原付の場合、誰でも扱いやすく、転倒による怪我や車体に傷がつくリスクを下げることができるのです。

原付バイクを楽しむための費用

原付は車や中型以上のバイクに比べて、購入にかかる初期費用やその後のガソリン代が少なくて済むと説明しましたが、それでも費用がかかるのは事実です。そこで以下では“原付を楽しむために要する必要はどれほどなのか”ということを紹介していきます。

免許取得費用

まずは最初のハードルとなる「免許取得費用」です。ただ、自動車免許を持っている人は上述の通り別途取得する必要はありませんので、コストはゼロです。

何も運転免許を持っていない方は原付免許を取得しなければなりませんが、こちらは1万円以下で済むケースが多いですので、それほど問題になることはないでしょう。
教習所の料金設定にもよりますが、普通自動車免許の取得だと30万円ほどかかるのが一般的です。これと比較すればいかに低コストで取得が目指せるか、分かるかと思います。

なお、免許の取得資格としては「16歳以上」「視力0.5以上」「身体機能障害がないこと」その他聴力や色の判別能力といった要件もありますので、注意しましょう。

ガソリン代

ガソリン代についてはすでに説明したように、燃費に大きく左右されます。
しかし原付だと燃費が非常に良いため、他の乗り物に比べてかなり少なくて済みます。例えば燃費を70km/Lとした場合、毎日10kmの移動をしたとしても1Lを消費するのに1週間かかります。タンク容量を考慮して、4Lをガソリン補充の1サイクルだとすれば、1ヶ月に一度ガソリンスタンドに立ち寄ることになります。

そして、レギュラーガソリン1Lはおよそ150円ですので、この想定で計算すると1月のガソリン代は約600円ということになります。毎日10km乗り続けても月に600円ほどしかかからないのです。

駐車場代

自宅に原付を置く場合や、移動先での駐車場・駐輪場に要する費用が発生します。原付だと駐輪場に置かせてもらえるケースが多く、駐車にかかるコストも抑えられますが、駅に停める場合などには料金を支払わなければならないことが多いです。
料金内容はその施設や地方によっても大きく変わってきますが、原付だと例えば月に1,500円や3,000円、5,000円といった費用がかかることがあります。詳しくは近くの駐車場情報を調べる必要があるでしょう。

税金

原付にも税金がかかることは覚えておきましょう。
必要なのは「軽自動車税」の2,000円です。中型バイク以上だと「自動車重量税」が発生しますが、原付には課税されません。

また、税金ではありませんが、同じ法定の費用として自賠責保険料もあります。
自賠責における費用は加入期間の設定によって大きく変動しますが、期間を伸ばすほどお得度がかなり上がるため、特に手放す予定がないのであれば最長の5年間を選択すると良いでしょう。1年間のみだと7,500円であり、これを毎回更新していたのでは5年後37,500円がかかります。しかし最初に加入期間を5年にしておけば約17,000円となり、20,000円ほどコストカットができます。
さらに、何度も更新の手続をする必要もなくなります。

原付バイクはインドアとアウトドアの要素を兼ね備えている

原付バイクが色んな人におすすめできる理由としては、“インドアとアウトドア両方の要素を兼ね備えているから”ということも挙げられます。原付を使った楽しみ方はその人によって様々ですので、自分に合った楽しみを見つけると良いでしょう。
以下では、どのような点がインドア要素・アウトドア要素にあたるのかを上げていきます。

インドア要素

インドア要素としては、「バイクを自分好みにカスタムできること」が挙げられます。外に活発に出て活動をするだけでなく、乗らなくても楽しむことはできます。その代表がカスタムです。自分の乗り物を好きなようにアレンジし、好きな見た目、好きな機能性に仕上げることができます。
法に触れないようにしなければならず、行き過ぎたカスタムは避けなくてはなりませんが、ショップで一般に売られているようなパーツであれば基本的には問題ありません。
特にホンダの「カブシリーズ」や「モンキー」だとカスタマイズをしている人が多いため、パーツが多いですし、同じ仲間も見つけやすいです。
例えば、よくカスタムされるパーツとしては以下が挙げられます。

メーター
グリップ
シート
テールランプ
フロントバスケット
ヘッドライト
ハンドル
ウィンカー
タンク

既に装着されている部品の形状を変えたり、カラーを変更したり、もしくは元々備え付けられていない収納アイテムを付けるといったこともできるでしょう。

アウトドア要素

アウトドア要素としてはやはりツーリングができることでしょう。
単なる移動手段として活用するだけでも使い勝手が非常に良く、優れた乗り物であると言えますが、趣味として使うのであれば、ぜひツーリングをしてみましょう。
制限速度は30km/hですし高速にも乗れないため、1日で移動できる範囲には限りがありますが、ゆっくり景色を楽しんだり、近場のスポットを巡ったりするには十分な機能を持っています。原付であれば行先の駐車場所で悩むことも少なく、ストレスもあまりかかりません。
気軽にいつでもツーリングに行ける環境にすることで、紅葉などの季節イベントもより楽しむことができるようになります。

原付は大人に人気の趣味を一層楽しむためのギアとしても使える

車体へのカスタマイズやツーリングなど、原付そのものを趣味の1つとして組み込むこともできますが、他方で別の趣味をより一層楽しむためのアイテムとして活かすことも可能です。
例えば登山やキャンプを趣味に持っている方であればツーリングとの相性も良いです。道中も原付でツーリングしつつ、到着後、登山やキャンプを楽しむこともできるでしょう。釣りやBBQなども同様です。こういった、自宅から離れて自然の中で楽しむ趣味との相性は良いため、原付を持っておくことで相乗効果が得られます。

まとめ

ここで紹介したように、原付はただ通勤・通学で使うだけのものではなく、趣味としても無限大の可能性を秘めています。車種も豊富で、購入や維持費にそれほど大きなコストも必要ありません。中型バイクなどを持つ場合に比べて手軽ですし、車の免許で乗れることなどからも導入ハードルが低く、おすすめの趣味ですよ。