二輪教習所
映画アベンジャーズでは、ハーレーの電動バイク「LiveWire」、ミッション・インポッシブル2にはTriumphの「Speed Triple T509」。トップガンではKAWASAKIのGPZ900R、映画を見た後には「自分も大型免許を取得しよう!」と教習所のパンフレットを取り寄せる人も少なくありません。ただ、排気量が大きな大型免許は、普通免許を持っていても免許取得までには時間を要します。「だったら、普通二輪免許でいいんじゃないか」とも考えましたが、大型二輪免許を持っていれば後々メリットもたくさんあります。今回は、そんな私が大型二輪免許取得するまでを日記に書き残すことにしました。この日記が、大型二輪免許取得を検討してる人の参考になればと思います。

大型二輪免許取得のきっかけ

高校の先輩がKAWASAKIのNinjaに乗っていたのがきっかけで大型二輪には興味がありました。KAWASAKIならドゥカティ・トライアンフ、ハーレーならLiveWireなど気になる大型もあるので、いずれは免許を取得する計画を建てて頑張ることなります。丁度、会社でバイク部が発足しメンバーを集めていると耳にしたことで、一念発起して大型二輪免許にチャレンジすることにしました。
通う教習所は、社長がみきわめ教習でガッツリ落とされた実績のある葛西橋自動車教習所です。社長は「緊張してたから」といっていましたが、やはり大型二輪免許ともなると審査も厳しいのかとドキドキしています。葛西橋自動車教習所では毎月キャンペーンをやっていて、普通二輪卒業5年以内・前回実施から9か月以内なら適性検査免除、安心パックの利用で7万3千円ほどの費用でいけました。
安心パックは、技能教習を何時限オーバーしても、技能検定を何回受けても追加料金を必要としないお得なコースです。
ぎりぎり39歳で、税込11,000円だったのはラッキーです。40歳オーバーは、税込22,000円になるのでこの差は大きいですよ。通年二輪は人気なので、入所の際には「混んでますから、時間かかりますよ」といわれましたが、そうでもなく余裕で予約が入れられました。

実技1日目~教習所ルール~

入校して初めての実技、久しぶりの緊張感が気持ちを引き締めてくれます。実技に必要な、両あし、両ひじ、胸背中のプロテクターを装着して教習を受ける仲間と雑談していました。中型免許にも時間が掛かったので自信がない学生さんや、彼氏とタンデムしたことでバイクにハマって大型にチャレンジする女性など色んな人が教習場に来ています。軽い準備運動を済ませたところで、担当教官と顔合わせ。
教官の自己紹介から始まり、中型免許と大型免許の違いや心構えを聞いたところで実技教習が始まります。白い教習車NC750Lを前に取り扱いに注意点の説明があります。中型二輪免許の取得が前提となっているので、引き起こしやセンタースタンドなどの一連の動作はできるものとして教習が始まりますが、本体が大きく重いので「気を引き締めて行うように」釘をさされました。
教官曰く「中型二輪免許があるからと甘くみてバイクの下敷きになる」生徒が必ずいるそうです。その言葉を聞いて、全員の身が引き締まりました。特に大型バイクは想像以上に体を持っていかれるので、細心の注意が必要です。特に教習所特有のルールがあり、検定ではそれが満たされていないとみきわめ不良で何度もやり直しが起きます。
ここで、細心の大型免許取得のコツをいくつか紹介しておきます。
教習生

サイドスタンドは乗る前に外し、おりてからかける

中型バイクに乗車する人の中には、乗車してからスタンドを外す人がいますが、これをやると減点されるので注意です。左ステップが足に当たると転倒のおそれがあるので、必ずサイドスタンドを外してから乗車すること。とにかく車体が大きくぶれやすいので、サイドスタンドを外す時にはハンドルをまっすぐにして、バイクを一気に前に押し出します。外した後にフロントブレーキを軽く掛けると安定して転倒しません。ハンドルがぶれると、車体が流れるのでついフロントブレーキをガッツリかけてしまいますが、これではバランスを崩してしまう危ないので減点対象になります。

発進は左足をついた状態で(右足をついた状態から発進しない)

大型バイクは、重量がある分バランスをとるのが難しのですが、速度に乗ると安定します。早く安定させたいがために、低速の発進時に左足をステップに上げてしまうと非常に危うい状態となってしまいます。大型二輪免許の教習では、適切なアクセルやクラッチワークはもちろんですが「安全面」からも発進時には左足をしっかりつけておくように指示されます。一番不安定な状態だからこそ、足は地面に着いたまま発進すること。不思議なことに、下半身を意識することでスムーズな発進できます。

つま先はギアアップ時以外はペダルの上に

運転中は足をシフトペダルの上に乗せて運転するものです。ですが、ギアアップの時につま先がペダルの下に入りにくいと、かかとだけをペダルに乗せて走ったり、つま先をペダルの下に入れたまま走りがちです。
かかとだけをペダルに乗せていると、ギアアップのタイミングでつま先がペダルの下にしっかり入らなくなるのでワンテンポ遅れてしまいます。
また、つま先をペダルの下に入れたまま走行すると、左バンクの角度が大きくなった時に、つま先が地面に接着し怪我する可能性があるからです。
ペダルに足を乗せないことで、膝が開いてしまうと走行中のバランスが悪くなり左右のバンクで転倒する危険性も高くなります。
バイクペダル

ブレーキ/クラッチレバーは指四本でにぎる

バイクの排気量によって二本、三本で握る人もいますが、大型二輪免許の教習では四本で握ります。昔は前輪のディスクブレーキの効きがあまり良くなかったのですが、今のバイクは性能も格段に上がっているので、細かいアクセル操作には向いていないかなとは思いました。ただ、実技でこれを守らないと「いつまでもみきわめがもらえない」ので…教習では必ず守ってください。

実技1日目~走行開始~

基本的な動作を確認したら走行教習に入ります。先ずは教官がお手本となる走行を披露。滑らかなスタートに、滑らかなコーナリングに教習生全員が見とれてしまいました。引き続き、教官の後ろについて慣らし運転の実技です。中型免許取得後にはホンダのCB125Rを乗り回していたので、圧倒的なパワーの違いに驚きながら所内をまわります。やはり40km加速+3回ブレーキ練習は、バランスが取り切れずにかなり苦戦しました。あとは、クラッチレバーとチェンジペダルが重くてカクカク。乗り慣れると、これがたまらないんだろうけど、教習中は気持ちを引き締めてかかります。車体の重さをいかしたコーナリングは、中型二輪免許取得時には感じなかったもの。これを体感すると、大型二輪免許を取得をしたくなる気持ちが分かってもらえると思います。坂道発進は、エンジン音を聞きながらゆっくりクラッチレバーを離せスムーズに発進します。
中型免許取得後に公道で練習してきたので、焦ることもなく実技が終了。なんとか1時限目はクリアできたのでホッとしました。2限目は、一本橋などのバランス項目に実技になるので、不安であれば再履修にもできるとのこと。中型の時は緊張していたのもあり苦戦しましたが、次も一発クリアを目指したいので次に進むことにしました。
ただ、自信だけで進んでしまうと怪我にも繋がるので、少しでも違和感があるなら再履修でもいいかもしてません。偉そうに日記にしていますけど、けっこう教習中はビビってました。

大型免許の取得条件・取得日数をおさらい

大型二輪免許はライダーたちの憧れの免許。高速道路やツーリング等の長距離移動は中型二輪よりも楽ですし、排気量問わず趣味のバイクを乗り回せます。ただ、大きな車体を扱うための技能はもちろんですが、大型バイクを取り扱うためのメンタルや意識も教習ではチェックされるので簡単には取得できません。
取得日数・取得条件・取得費用をおさらいしますが、あくまでも平均的で「大型二輪免許の取得はさせられない」と判断されると時間も費用もかかるので注意してください。
メンタル

取得日数について

普通二輪免許MT取得の場合、技能教習は12~16時間。スムーズにいけば約2週間で大型二輪免許の取得できます。普通二輪免許AT取得の場合、技能教習は9~10時限。約1週間で大型二輪免許の取得できます。どちらも1日2時限教習を受ければ、半分の日数で取得可能だと思います。ただし、みきわめがもらえずに乗り越しすると延長されます。

取得条件について(年齢など)

18歳以上の普通二輪免許所持者で、身長は特に記載はありませんがバイクにまたがった時に左足の親指の付け根が地面に付けば女性でも大丈夫です。視力は、片眼が0.3以上・両眼で0.7以上でコンタクトレンズ、眼鏡でもOK。信号機の識別ができることが条件です。免許取消、など処分を受けたなど、処分歴がある人は入所手続き前み受付に申し出て下さい。

取得費用について

教習所によって料金は異なります。葛西橋自動車教習所で免許取得する際の費用です。
【大型二輪MT車】
・普通二輪MT車の免許所持の場合
一般・・・126,400円 (税込139,040円)
葛西橋自動車教習で普通二輪を卒業し5年以内・・・90,037円 (税込99,040円)
・普通二輪AT車の免許所持の場合
一般・・・143,200円 (税込157,520円)
葛西橋自動車教習で普通二輪を卒業し5年以内・・・106,837円 (税込117,520円)

【大型二輪AT車】
・普通二輪MT車の免許所持の場合
一般・・・113,800円 (税込125,180円)
葛西橋自動車教習で普通二輪を卒業し5年以内・・・77,437円 (税込85,180円)
・普通二輪AT車の免許所持の場合
一般・・・118,000円 (税込129,800円)
葛西橋自動車教習で普通二輪を卒業し5年以内・・・81,637円 (税込89,800円)

教習内容について

車体が大きく重いので、バイクの引き起こしのコツから始まります。その後は、外周、発進加速、停止、進路変更のタイミング、スラローム、一本橋などの課題走行を繰り返し安全に運転できる技術を学びます。大型二輪の場合、カーブで身体が流されやすいので下半身での体重移動と身体全体での操作感覚を掴みバランスを崩さないように走行するのがポイントです。基本が身についたら、道路状況に応じた法規走行をの教習に入ります。事故が多い見通しの悪い交差点の安全走行や8の字、一本橋など順に学んでいきます。法規走行は、安全に走行する上で非常に重要な課題で事故を防ぎ命を守るために細心の注意を払いながら行います。試験中では、「後方確認」「ウィンカー操作」「サイドスタンドを立てる」など走行や操作技術とは違う運転のポイントがチェックされます。技術だけでなく、法規走行をクリアしないと大型二輪免許の取得が難しいので気が抜けません。
二輪免許の取得

まとめ

大型二輪免許があれば、小型・中型二輪はもちろんですが、空冷4気筒が魅力のKAWASAKI ゼファー750や世界中のライダーを虜にするSUZUKI Vストローム650、スタイリッシュなYAMAHA XSR700、憧れのハーレーダビッドソン・スポーツスターXL883にも乗れます!大型二輪MT免許ならすべてのバイク、AT限定ならATの大排気量バイクを運転することが可能です。ライダーとして恥ずかしくない運転やモラルを持ち、無事故無違反の安全運転を貫けるよう免許取得まで残り11時限頑張ります!

次回の記事:【教習日記】大型二輪免許取得までの道のり~教習所2日目~