原付バイクは、排気量50cc以下の原動機付自転車です。気軽に街乗りできるのはもちろん、コンパクトなサイズ感のため、足付きがよく安心感があるのではないでしょうか。ですが、バイクのデザインにこだわりたい、人とは違うバイクに乗りたいという方からみるとデザインの選択肢があまりありません。
そこでおすすめしたいのが、海外メーカーの50ccバイクです。ここでは、海外メーカーのおすすめの50ccバイクをご紹介します。
目次
魅力たっぷりの50㏄バイク
原付バイクには厳密にいうと原付一種(排気量50cc以下)と原付二種(排気量125cc以下)の二種類があります。原付一種は普通自動車免許で乗ることができますが、原付二種は小型普通二輪免許がないと乗ることができません。この記事では、排気量50ccの原付一種について取り上げます。
50ccバイクの魅力としてあげられるのは、まず普通自動車免許で乗ることができるだけではなく、短期間でかつ安価で取得できる原付免許で運転可能であること。ちょっとバイクに興味があるのであれば、気軽に乗り始められます。
また、購入するのにも維持するのにも、50cc以上のバイクと比較して最低限の費用で済むのも魅力でしょう。車両価格そのものが新車でも20万円程度と安価であり、軽自動車税は1,000~2,000円程度、自動車税もかかりません。燃費もかからないのでガソリン代も抑えることができます。
また、車体自体も軽量なので取り回しやすく、シート高も低く足付きがいいため女性にもおすすめだといえます。コンパクトなボディで小回りが利くため、街乗りにも最適です。
50ccバイクは最高速度が30km/hという制限があったり、二段階右折をしなければならなかったりなど、50cc以上のバイクと比較すると不便もありますが、それ以上に50ccバイクにしかない魅力があるといえるでしょう。
オフロード系のバイクを狙うなら
オフロード系のバイクは山道や砂利道などの悪条件で走行することを前提としています。大径のタイヤに高めの車高ですが、車体の幅は比較的細身です。また、軽量で小回りが利くのも特徴だといえるでしょう。
ガスガス MC50 (スペイン)
スペインのGASGAS(ガスガス)はFIMトライアル世界タイトルを15回獲得するなど、トライアルバイクの実績が評価されており、他社と比較して軽量であるのが特徴です。特に、モトクロスモデル「ガスガスMC 50(排気量49cc)」は、トライアルバイクで培われた技術力が詰め込まれており、堅牢ボディが魅力だといえるでしょう。
ハスクバーナ SM50(スウェーデン)
Husqvarna(ハスクバーナ)はスウェーデンの兵器工場から始まったオフロードバイクメーカーです。世界タイトルの獲得数は70以上にのぼります。また、農林器具メーカーとしても知名度がある点はカワサキと共通するかもしれません。ハスクバーナの「SM50」は北欧らしいスタイリッシュなデザインと、オフロード系バイクでは比較的タイヤは細径です。
スマートに乗りこなしたいのなら
コンパクトサイズの50ccバイクですが、スマートに乗りこなしたいのであれば、さらに車体幅もコンパクトで取り回しのいいモデルがおすすめです。いずれも長距離走行には向きませんが、狭い路地も通り抜けられるため、街乗りには最適だといえます。
ピアジオ CIAO-P(イタリア)
イタリアのバイクメーカービアジオのCIAO(チャオ)シリーズは、1967年から発売されているモペッドオートバイです。モペッドとはペダル付きのバイクのことで、日本ではペダル付き原動機付自転車に区分されます。排気量49.28ccです。クラシカルなデザインでバイクではなくサイクルのような構造が際立っています。
PHOENIX ガンナー50(タイ)
PHOENIX(フェニックス)は日本以上にバイクが普及している東南アジア・タイのオートバイメーカーです。特に、ガンナー50は極太チューブの燃料タンクが水平にレイアウトされた奇抜なデザインが特徴的。レジャーバイクらしくコンパクトに仕上がっています。
カラーバリエーションも東南アジアらしくビビッドな黄色、赤色、青色、緑色などがラインナップされています。
丸いフォルムでかわいいバイクがほしいなら
国内オートバイメーカーでは、ホンダの「スーパーカブ」やヤマハの「ビーノ」などのような女性から人気のある「かわいい」といわれるバイクは、全体的なフォルムだけでなく、ヘッドライトやミラーなども丸々としているのが特徴です。クラシカルなデザインともいえる丸いフォルムのかわいらしいバイクは、海外メーカーでも豊富にラインナップされています。
プジョー DJANGO 50 (フランス)
PEUGEOT MOTOCYCLES(プジョーモトシクル)はフランスのオートバイメーカーです。フランスらしいクラシカルなデザインながら、現代バイクの実用性を取り入れたバイクが特徴。DJANGO(ジャンゴ)50は1950年代のモデルを復活させたスクーターです。排気量は49.9cc。
DJANGO(ジャンゴ)の125ccが排気量のわりにビッグモデルなのに対し、50ccは取り回しやすいサイズ感が魅力だといえるでしょう。
ベスパ 50S vintage(イタリア)
Piaggio(ピアッジオ)のVespa(ベスパ)は75年以上の歴史を持つスクーターブランドです。ちなみに、ベスパとはイタリア語でスズメバチを意味します。イタリアの街並みに溶け込むようなレトロなデザインが特徴だといえるでしょう。特にS系は70年代のモデルを踏襲した角型ヘッドライトがポイントです。
シャープにかっこよく乗りたいなら
原付バイクというと先駆けである「カブ」のようなレトロ感あるデザインをイメージするかもしれません。男性にとっては抵抗感があるのも否めないでしょう。ですが、男性にもおすすめのスポーツバイクのようにシャープなデザインの50ccバイクが海外には豊富にラインナップされています。
アプリリア SR50(イタリア)
Piaggio(ピアッジオ)を親会社に持つイタリアのオートバイメーカーAprilia(アプリリア)は、モトクロス向きのオフロードバイクで素晴らしい実績を持っています。アプリリアのスクーターモデルSR50にも水冷2サイクルエンジン、前後ディスクブレーキをはじめとしたオフロードバイクの技術が活かされています。
オフロードバイクらしいレーシングデザインは一見するとスクーターには見えないほどです。
SYM Orbit III 50(台湾)
SYM(三陽機車)は台湾の三陽工業のオートバイブランドです。台湾ではスクーターが普及していることもあり、スクーターのラインナップが豊富だといえます。オートバイの製造販売の歴史は1960年代まで遡ります。本田技研工業が技術協力しており、過去にはホンダのライセンス生産もしていました。
Orbit III(オービットスリー)50は台湾よりヨーロッパで人気のモデルであり、スクーターながらスポーツバイクのようなスタイリッシュなデザインが特徴です。
公道走行不可・免許不要のバイク
競技用バイクは公道走行不可となっています。特にオフロードバイクを検討しているのであれば注意しなければいけません。なぜなら、競技用バイクはオフロードを中心に開発されているからです。なお、競技用バイクにはヘッドライト、ウインカー、テールランプといた保安部品がないなど、公道の走行ができない理由があります。
競技用バイクは公道走行不可であることに加え、免許不要で年齢制限もなく16歳未満でも乗車できます。ただし、公道を走らないことが条件です。そのため、こどもでもバイクに乗ることができます。
国内ではヤマハのPW50、スズキのDR-Z50など、小型バイクに強みを持つ主要メーカーからキッズバイクが販売されています。いずれも大人ではなく子供が乗ることを想定していることが特徴です。例えば、成長過程に合わせグリップの調整ができるなどの仕様があげられます。
また、キッズバイクとはいえバイクであることに変わりはないため、ヘルメット、プロテクターなどの防具は必須です。
海外メーカーの電動バイク
最近ではガソリンではなく電気だけで走行する「電気自動車」も、その存在が認知されるようになってきました。実は、バイクにも電気自動車にあたる「電動バイク」があるのです。電気自動車同様、電気だけで走行するバイクのこと。特に、電気自動車に関心が高い海外では電動バイクも選択肢となっており、ラインナップも豊富となっています。
ゴッチア GEV600(イタリア)
GEV600はイタリアのオートバイメーカーのベネリと中国の電気バイクブランドのGOCCIA(ゴッチア)が共同開発したスクータータイプの電動バイクです。日本国内では原付一種に分類されます。条件によって変わりますが、ECOモードでは航続距離70kmとなっており、車体重量も56kgと軽量で取り回しやすいです。
デザインはコンパクトかつ車体の幅もスリムで無駄がありません。
ハーレーダビッドソン ライブワイヤー(LiveWire)
Harley-Davidson(ハーレーダビッドソン)からも電動バイクのLiveWire(ライブワイヤー)が販売されています。電動バイクでありながら本格的なスポーツバイク仕様となっており、モーターショーでも話題となった電動バイクです。その魅力は電動バイクでありながら満充電で最大235kmで走れる点といえるでしょう。
また、電気バイクだからこそ約3秒で加速できるのもポイントです。メーカーアクセサリーも充実しているので、使い勝手のいいようにカスタマイズも可能です。
KTM SX-E 5(オーストリア)
KTM Sportmotorcycle AGはオフロードバイクで世界的に知られているオーストリアのオートバイメーカーです。特に、KTMのSX-E 5は初心者はもちろん本格的なジュニアライダーまでを対象とした電動バイクとなっています。本格的な競技用バイクですが、電動バイクなので騒音がありません。
また、ジュニアライダーの成長に対応できるよう、シート高をフレームの取り付け位置によって二段階で調整可能であることも特徴としてあげられます。
まとめ
排気量50ccのバイクは排気量に比例してリーズナブルであり、車体そのものが軽量で取り回しやすいのが最大の特徴です。長距離走行するのではなく、気軽に街乗りをしたい、そんな「原付バイクがちょっと気になる」という方は、日本国内メーカーはもちろん、今回ご紹介した海外メーカーの50ccバイクも視野に入れてぜひご検討ください。