新車だとしても中古だとしてもバイクには維持費がかかります。バイクを維持するためには、保険料、駐車場の料金、メンテナンスの費用だけでなく、排気量によっては自動車税もかかるのです。実際にどのくらいの維持費がかかるのか、初心者ライダーにとっては想像しにくいですよね。
そこで今回は、バイク購入後の気になる維持費について、具体的にどのくらいかかるのかくわしくご紹介します。これからのバイクライフにぜひお役立てください。
購入後のバイクにかかる費用
念願だったバイクを購入したのはいいけれど、想定していたより維持費がかかってしまい、せっかく買ったバイクを手放すことにならないように、バイク購入後の維持費はしっかり把握しておくようにしましょう。ということで、さっそくバイク購入後の維持費を算出してみました。
・保険料(自賠責保険、任意保険)
・自動車税(軽自動車税と自動車重量税)
・メンテナンス費用(車検)
・駐車場費用
・ガソリン
必要な項目と不要な項目があるはずなので、いらないものは引き算してください。例えば、排気量250ccのバイクを購入したとします。この場合、排気量250cc以下のバイクは車検不要であるため車検はかかりません。さらに、マンションの管理会社に確認してみると、駐輪場の空いているスペースにバイクを駐車していいともいわれました。だとすると、駐車場費用もかからないですよね。
このように、必要な項目と不要な項目をきちんと振り分け、概算が取れるようにしておきましょう。
バイク維持費(税金と車検)
自動車にかかる車税と車検の負担額から、バイクの自動車税と車検はいったいどのくらいかかるのだろうと不安になるかもしれません。結論からいうと、バイクの自動車税と車検は、自動車と比較すると比較的安価です。また、排気量によっては車検不要となっています。まずは、気になるバイク維持費の税金と車検についてくわしく説明します。
自動車税
バイクの自動車税は2種類あります。
「軽自動車税」と「自動車重量税」です。
バイクなのに自動車税がかかるの?と驚かれるかと思いますが、自動車とバイクは共に、「軽自動車税」と「自動車重量税」で税額が定義されています。
バイク初心者にとって「軽自動車税」と「自動車重量税」はわかりにくいかもしれません。「軽自動車税」は排気量に関係なくかかりますが、「自動車重量税」は排気量によってはかからないということをポイントとして押さえておきましょう。
また、自動車重量税に「重量」と付いていることから、車体そのものの重量だと誤認されることがありますが、これは排気量を意味しています。
「軽自動車税」はすべてのバイクにかかります。
二輪の小型自動車(排気量250cc超)は6,000円、二輪の軽自動車(排気量125cc超~250cc以下)は3,600円です。さらに、原動機付自転車(第二種)は排気量90cc超~125cc以下は2,400円、排気量50cc超~90cc以下は2,000円、原動機付自転車(第一種)は排気量50cc以下で2,000円です。
なお、軽自動車税の税額は1年間につきとなります。
「自動車重量税」には排気量125㏄越~250㏄以下、250cc超のバイクが該当します。
「軽自動車税」とは違い、登録後からの経過年数によって税額が変わる点に注意が必要です。二輪の小型自動車(250cc超)は登録後18年以上は2,500円、登録後13~17年は2,300円、登録後12年までは1,900円(すべて1年間につき)です。また、二輪の軽自動車に分類される排気量125cc超~250cc以下は届出時に4,900円を納税する形になっています。
なお、「自動車重量税」は自家用と営業用で税額が違いますが、ここでは自家用車の税額でご紹介しています。
例えば、250ccのバイクを購入したとします。「軽自動車税」は年間3,600円、「自動車重量税」は登録時のみ4,900円かかるということになります。
メンテナンス費用(車検)
排気量251cc以上のバイクは車検が義務付けられています。法定費用が約40,000円~60,000円となっているので、50,000円前後かかることは間違いありません。依頼する業者によって車検費用は前後するでしょう。
車検が義務付けられていない排気量250㏄以下のバイクも、車検ではなく法定点検があります。車両故障やトラブルの発生を防ぐための点検です。法定点検は義務ではありませんが、走行中の事故を防ぐためにも、定期的なメンテナンスは必須です。
法定点検は依頼する業者によって費用が異なりますが、国産バイク(逆輸入車含む)の法定1年点検の場合、排気量125cc以下は5,000~7,000円前後、排気量126cc~250ccは8,000円前後、排気量251cc~850ccは10,000円前後、排気量851cc以上は10,000円以上と見積もることができそうです。
なお、外車の法定点検は国産車より1,000~2,000円ほど高額になる傾向があります。
バイク維持費節約の術
ここまで、バイクの自動車税と車検にどのくらいかかるのかをご説明しましたが、想像以上に費用がかかる……と不安になった初心者ライダーもいるのではないでしょうか。自動車税や車検を抑えるためには、あらかじめ排気量の低いバイクを選ぶ他ありません。そこでここからは、バイクの維持費を節約しやすい、保険料と駐車場の費用について解説します。
保険料
すべてのバイクは「自賠責保険」の加入が義務付けられています。そのため、強制保険ともいわれています。「自賠責保険」のように義務ではないものが「バイク保険」です。強制ではないので任意保険といわれるものです。「自賠責保険」でカバーできないところを「バイク保険」でカバーするというイメージを持つとわかりやすいかと思います。
「自賠責保険」の保険料は2021年4月1日の改定後、排気量125cc以下は7,070円、125cc超~250cc以下は7,540円、250cc超は7,270円です。なお、この保険料は離島以外の地域かつ12ヶ月のものです。離島地域他、沖縄県ではこれより安価になります。
バイク保険の加入率は、自動車の任意保険の加入率の50%以下となっています。
「自賠責保険」は加入しているけれど「バイク保険」には加入していないバイク所有者が相当数いることを意味しています。バイク事故の発生率は自動車事故の発生率を大きく上回っているため、本来であれば加入しておくべきなのです。
「自賠責保険」は節約できませんが、「バイク保険」は必要な項目と不要な項目を吟味して、必要な項目のみで契約をすれば保険料が抑えられます。保険会社によっても価格が違うため比較することをおすすめします。
「自賠責保険」はどの排気量のバイクであっても10,000円以下の保険料ですが、「バイク保険」の場合は、排気量125cc以下は約28,000円~約74,000円、排気量125cc超~250cc以下は約43,000円~約133,000円、排気量250cc超は約43,000円~約133,000円程度が相場としてあげられています。
また、バイク保険加入者の年齢でも保険料が変動するため気を付けましょう。運転者の年齢に関係なく補償するタイプと一定の年齢以上の運転者のみを補償するタイプがあり、運転者の年齢に関係なく補償するタイプは高齢になるにつれて保険料が割安になります。これは、運転経験のないライダーほど、若い人ほど事故を起こしやすいからです。
一定の年齢以上であるのなら、運転者の年齢を関係なく補償するタイプがよいでしょう。ただし、自分以外(例えば息子や娘など)が運転する場合は運転者の年齢に関係なく補償するタイプがおすすめです。例えば、30歳以上を保証するバイク保険が適用されたバイクで23歳の息子が事故を起こしたとしても補償対象にならないのです。
また、「バイク保険」にも自動車の保険と同様、等級があります。例えば、1年間無事故でバイク保険を利用しなければ、翌年には等級がひとつアップします。等級が上がれば上がるほど割引率が高くなるため、なにより自分自身の安全のためではありますが、安全運転を心がけ無事故でいることが、なによりの「バイク保険」の節約になるはずです。
さらに「バイク保険」をおさえたいのであれば、インターネット申込みによる割引なども活用するといいかもしれませんね。
駐車場費用
バイクの駐車場は、戸建住宅であれば敷地内、マンション、アパートなどの共同住宅であれば、駐車場や駐輪場、あるいは敷地内となります。しかし、共同住宅では、すでに駐車場や駐輪場が埋まっていたり、バイクの駐車自体が禁じられていたりすることもあります。その場合は、近隣のバイクが駐車できる月極駐車場を契約しなければいけません。
特に、東京都内をはじめとした都市部では、共同住宅にバイクを駐車できず、納車日前後に慌ただしく月極駐車場を契約することもあるほどです。地方都市では、マンションやアパートであっても、敷地内に駐車できる確率が高いといえます。
ニリーンの月極駐車場は、こうしたマンションやアパートの敷地内の物件が多いですが、その訳は、一般的な駐車場より割安で駐車場をご提供できる点にあります。また、マンションやアパートの敷地という特性上、セキュリティ的にも人の目がある場所に置かれるので安心というメリットもあります。
月極料金の駐車料金は区画の面積と設備によって左右されやすいため一概にはいえませんが、月極駐車場であれば月額5,000円~15,000円、敷地内の駐車場であれば2,000円~3,000円以上とおおよそ見積もれるでしょう。やはり、敷地内に置けるのであれば駐車費用の節約になりそうですね。
まとめ
今回はバイク購入後の気になる維持費についてご紹介しました。
結論としては、自動車税、車検費用、さらに燃費効率を考えると、排気量が低ければ低いほど、維持費が優秀だといえますね。原付であれば、相当維持費を抑えられることは間違いありません。ですが、原付は「速度制限」しなければなりません。さらに、「二段階右折」など、原付限定の決まりがあるので、バイクの利用目的によっては不便になってしまいます。バイクの維持費をおさえるのであれば、低排気量のバイクがおすすめですが、通勤・通学などの街乗りだけなのか、それとも長距離ツーリングもするのか、バイクの利用目的に応じて必要最低限の排気量のバイクを購入することをおすすめします。