ヴィンテージと聞くと「高級ワイン」や「ヴィンテージジーンズ」など、オールドルックなものを思い浮かべますよね。バイクの世界でも当然ヴィンテージは存在しており、観賞用として趣味でヴィンテージバイクを購入する人達もいます。

また、最近のバイクの傾向として「高性能」「安全性」「環境配慮」したものが多くなったことから、昔ながらのバイクの方が乗り回しやすいと感じる人がいるのも当然です。特にベテランライダーは、「最近のバイクはつまらない」「ガツンとしたバイクがいい」と中古でヴィンテージバイクを探す人も増えています。

とはいっても、ヴィンテージバイクは簡単に見つかるものではありませんし、手に入るバイクも限られています。今回はヴィンテージバイクの魅力、おしゃれなヴィンテージバイクをご紹介します。

ヴィンテージバイクの魅力に迫ります!!

ヴィンテージバイクの魅力

ヴィンテージバイクとは
ヴィンテージは一般的に、販売から10年以上経った商品を指していう言葉ですが、バイクの場合には、生産終了後に手に入る台数が希少なものをヴィンテージバイクと呼ぶそうです。特に60年代から90年代のバイクだけではなく、部品なども手に入りにくいために中古でも希少価値が高い傾向にあります。

ヴィンテージバイクの魅力
ヴィンテージバイクの魅力は、現代のバイクにはない斬新なデザインやエンジン。進化して乗りやすく、走りやすくなると同時に無駄なものがそぎ落とされている現代のバイクとは真逆にあるものです。また、当時の職人のこだわりやボディパーツ、操作性などもオールドファンにはたまらないのだとか。

また、現代のバイクとは違い「手作業による製造」「当時の時代を感じさせるデザイン」「コンパクトでシンプル」なことも、ヴィンテージバイクの魅力です。古いバイクは「当時の日本人の体型」に合わせて作られていますので、コンパクトでシンプルなデザインです。また、海外のバイクの影響を受けてデザインが変化していく過程もバイクから見ることができます。

70年代のカワサキのZシリーズのホンダのCB、イギリスのトライアンフやノートン、BSAやロイヤルエンフィールドなどがあります。中には戦前50年代から60年代モデルなども現存し、かなり高価で簡単には手に入らないバイクなど、ヴィンテージバイクには夢が詰まっているのです。段違いのパワーやエンジン音などにも魅力を感じる人もいて、ヴィンテージバイクのどこが好きなのかは人によって違いもあります。

魅力を語り始めたらキリがありませんね・・・


販売している店では定期的なメンテナンスが行われ、パーツなども交換して公道で走れる状態になってはいます。しかし、すでに生産終了しているヴィンテージバイクですから何らかの故障をした場合、部品の取り寄せが困難です。

また、ヴィンテージバイクはプレミアであることからメンテナンスにも費用がかかりますので、ある意味「趣味の領域」で楽しむものです。ヴィンテージは基本的に高価になる傾向にあり、中古バイクとはいえ「余裕のある大人の趣味」であることは間違いありません。

おすすめのヴィンテージバイクを5車種紹介

ヴィンテージバイクの中には国内での販売台数が少なかったもの、色合いや形がレトロで現代のバイクとは異なり個性的なバイクが多くみられます。1960年代などの本格派ヴィンテージはもちろんですが、モデルチェンジを繰り返しながらも生産中止や販売中止になった人気モデルなど、ここからはおすすめヴィンテージバイクをご紹介します。

ホンダ GB250クラブマン

スッキリしたボディで女性に人気のあるホンダGB250クラブマン。1960年代をイメージした伝統的なスタイルで空冷・4サイクル・DOHC単気筒エンジン独特のライディングが楽しめます。

1987年のマイナーチェンジによって、マフラーが2本から1本に変更。タンクの形状も何度か変更になるなど1997年まで販売されていた人気単気筒ロードバイク。GB「Kingdom of Great Britain」だけあって伝統的なスタイルを崩さずに変革してきた素晴らしいバイクです。

カワサキ 900 Super4(Z1)

ヴィンテージバイクの中でも不動の人気のカワサキのZ1。1967年に開発が始まり「N600」のコードネームと呼ばれていました。68年にホンダCB750(直列4気筒)が発売されたことで排気量903㏄のツインカムヘッド900 Super4が誕生しました。

Z1はカワサキの型式名称。テールカウルはシート後方、丸い燃料タンクなどデザイン的にも画期的でクラシカルなデザインはヴィンテージバイク好きにはたまらない1台です。海外向けのバイクで国内流通も少なく中古では数百万円台でも安いくらいだそうなのでなかなか手に入れることは難しいようです。

カワサキ エストレヤ

ビンテージバイクとしての歴史は浅いですが、1950年代に製造された「メグロ」スピリッツを継承したモデルです。ボディに「エストレヤ(星)」を配したカワサキの名車。

1992年に発売されたエストレアは目黒製作所が生産していた250ccモデルをモチーフにした美しく伸びやかなボディが魅力。空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンの最高出力は20psと存在感抜群の1台です。2017年9月に新排ガス規制が施行され、ファイナルエディションの発売を最後にその歴史に幕を閉じました。

ホンダ CB750FOUR

「ナナハン」の代表作ホンダCB750FOUR。1969年に作られたCB450やスズキT500、カワサキ650W1を超えた最高速度200㎞/hスーパーバイクの登場です。当時は今のように道路が舗装されているわけでもなく、ヘルメットの着用義務もありません。

そんな時代をかきわけるように登場したCB750FOURはまぎれもないモンスターバイクで「ナナハンは暴走族の乗り物」のイメージも当時は話題になりました。1975年には漫画「750ライダー」が少年チャンピオンで連載開始。高校生の主人公の早川光がCB750FOURに乗る姿に憧れて大型二輪免許を取得した人も多いのではないでしょうか。

世界最高級の超高性能オートバイCB750FOURはズバ抜けたパフォーマンスと圧倒的な存在感で、警視庁管内の交通機動隊「白バイ」として交通警察のトップにも君臨しています。

スズキ GS400

1976年発売のスズキGS400はスズキ初の4サイクル400㏄バイクです。すでにホンダやカワサキが400㏄バイクを発表する中、遅れての発表だったために渾身の技術を満載しています。

DOHCエンジンを搭載したオーソドックスなスタイルですが180度クランクを採用し、振動を抑えるためにバランサーも内蔵。スズキ独自のギヤポジションインジケーターも装備するなど乗りやすさを追求したバイクになっています。

どうせ乗るなら装備品も気にかけたい

ヴィンテージバイクを手に入れたら、やはり街中を存分に乗り回したくなるものです。クラシックなバイクには当時を彷彿させるような装備にもこだわってみましょう。ヘルメットに手袋やウェアにブーツなどバイクにマッチした装備をご紹介します。

ヘルメット

ヴィンテージバイクにフルフェイスのヘルメットでは雰囲気はぶち壊しです。おすすめのデザインはジェットヘルメット。クラシックな雰囲気だけでなく、カスタマイズなども可能です。

ヴィンテージバイクはもちろんですが、アメリカンバイクとの相性も抜群でバイクゴーグルと併せて使用するとおしゃれです。ヴィンテージのヘルメットを手に入れることができますが、頭部損傷を避けるための大切なアイテムですので新品のヘルメットを購入することが欠かせません。ステッカーなどでヴィンテージ風にカスタマイズすれば、バイクともマッチするのでカッコよく乗り回せます。

グローブ

バイクはステアリングから路面状態やエンジンなどを判断するため、グローブの存在は非常に重要です。軍手やカジュアルな手袋を使う人もいるようですが安全のためにもしっかりしたグローブを選ぶべきです。衝撃や摩擦から手を守りながらステアリングをしっかり感じるには王道のレザーのグローブを選びましょう。ヴィンテージ仕様のデザインやワックスレザーなどもおしゃれですね。

アルパインスターズの本革のバイク用グローブはオールドスタイルが印象的。ヴィンテージバイクによくマッチしますし、クラッシックなデザインがおしゃれです。見た目だけでなく通気性も良くオールシーズン使えるのもいいですね。

ネオクラシックな感じであれば、イギリスのプロテクターメーカーKNOX(ノックス)のグローブもおしゃれです。本革で見た目にはレトロな雰囲気なのですが機能性も高く、SPSプロテクションシステム付き。ヴィンテージ風なのに高性能でカッコいいですよ。

装備までを本物のヴィンテージでまとめてしまうのもいいのですが、装備は古すぎると安全性に問題が生じますので、あくまでもヴィンテージ風で揃えるのがいいでしょう。この他にもレザージャケットやブーツなどをバイクのイメージに合わせてチョイスしてみましょう。

まとめ

今回はヴィンテージバイクの魅力や人気のヴィンテージバイク、装備をご紹介しました。特に紹介したバイクは、中古でも比較的手に入りやすい人気のヴィンテージバイクです。バイクの年代にもよりますがヴィンテージバイクは新品バイクよりかなり高額です。

数百万程度で購入できるものもあれば、値段がついていないものまで様々。また、状態がよく乗りやすいものからそうでないものまで、ヴィンテージバイクの存在価値も違います。「懐かしい」「なんとなくピンときた」ヴィンテージバイク。もしかしたらそれは、遠い昔、あなたのご先祖様が乗り回していた型のバイクかもしれませんね。