バイク免許を取得したら自分のバイクが欲しくなります。自宅に倉庫やガレージがあれば、そこに納車できますし玄関口にスペースがあればバイクを置くこともできるでしょう。ここで確認しておきたいのが「バイクの車庫証明」です。
通常、車の場合には必ず車庫証明を提出しなければいけません。これは法律で決まっていますので提出しないのは法律違反となるからです。ですがバイクの車庫証明書というのは耳慣れないので、新規に購入する人も転勤なので引っ越しを検討している人は困ってしまうかもしれません。
この記事では、バイクの車庫証明は必要なのか、必要であれば取得するための方法や場所はどこかなどについて解説しています。
目次
車庫証明(しゃこしょうめい)とは
車を持っている人でも「車庫証明なんていつ取ったっけ」と思うくらいに正式名称が浸透していません。新車の場合には「ナンバーをどうしますか」と聞かれるように、車を購入した際にはナンバー登録が必要になります。このナンバー登録に必要な書類が「車庫証明」です。
正式名称は「自動車保管場所証明書」と言って、車を買うに当たって保管場所が確保されていることを証明する書類のことです。
車庫証明はどうして必要なのか
車庫証明は、「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の第1条に「自動車の保有者等に自動車の保管場所を確保し、道路を自動車の保管場所として使用しないよう義務づける(一部抜粋)」と定められているからです。
法律で定められているということは車庫証明を取得することは自動車を保持する人すべてが守らなくてはいけないということです。
では、なぜこれが必要なのでしょう。自動車の大きさはまちまちですが玄関先に車を駐車しておくことは違法です。自宅に車庫があれば車庫にそうでない場合には月極駐車場を借りるなどして保管しなければいけません。
なぜなら皆が勝手に家の前に路駐したり空き地があるからと勝手に駐車してしまうと秩序の維持ができなくなるからです。また、無法な駐車で万が一トラブルになっても補償されません。違法駐車を防ぐためにも自分の財産である車を守るためにも車庫証明は必要なのです。
車庫証明が必要な時
車を購入した場合、ナンバーを取得するまでに車庫証明を取得しなければいけません。引っ越しや契約駐車場を変更する場合は変更から15日以内の取得が必要です。引っ越しや仕事で手続きができない場合には委任状を準備すれば家族の代理でも可能です。車の購入時は販売店が代理で行うことが多いため、任せることが多くなるのですがしっかり確認しておくといいでしょう。
実は、軽自動車に関しては車庫証明が必要ありません。ただし以下に住居がある場合は車庫証明が必要になります。
- 各都道府県の県庁所在地である
- 人口が10万人以上の市町村
- 都心部から30km圏内の市町村
引っ越し先で車庫証明及び「保管場所届出」が必要なのかは、各都道府県の警察署ホームページに記載されていますのであらかじめ確認しておきましょう。
車庫証明を取得するための条件
車庫証明、いわゆる「車を駐車し保管する場所」は原則として車を使用する自宅や事務所は直線距離で2キロメートル以内と決まっています。あまる駐車場は遠すぎる場合には車庫証明が取得できなくなります。
車庫証明の取得方法
車の購入はもちろんですが駐車場を変える時にも届けが必要になります。こちらも駐車場のオーナーや代理店が代行してくれることもありますが、自分で手続きが必要になるケースもあるので注意が必要です。
警視庁HPから以下の書類をダウンロードします。また、地域の警察署でも申請用紙はもらえます。
- 自動車保管場所証明申請書
- 保管場所標章交付申請書
- 保管場所の所在図・配置図
- 保管場所使用権原疎明書面
これらに必要事項を記入し、最寄りの警察署に提出します。申請してから交付まで約1週間かかりますので早めの申請をおすすめします。
バイクに車庫証明は必要なのか
車庫証明が必要な理由やどんな時に必要なのか申請方法はわかりましたか?自動車は必ず車庫証明が必要なのです。しかし、バイクは排気量に関わらず車庫証明を必要としません。これは「自動車の保管場所の確保等に関する法律」の第2条で定めており、原付も大型バイクも排気量問わず車庫証明を必要としない証拠です。
サイドカーやトライクも対象外
トライクは見た目にもかなり大きく駐車場でも場所を取ります。またサイドカーがあるバイクも車扱いになるので車庫証明が必要なのでは?と思いますよね。
一部のトライクやサイドカーは道路交通法上は普通自動車の扱いになるので運転免許は車の免許が必要です。しかし、道路運送車両法では側車付き二輪車に該当するので車庫証明は必要ありません。
車庫証明は必要ないが駐車場は必要
バイクは排気量に関わらず車庫証明を提出する必要はありませんが、だからといって適当な場所に駐車してしまうのは違反です。それだけでなく、路駐や違反駐車すれば道路交通法違反になりますので、違反切符が切られますし罰金を支払わなければなりません。
それだけでなく、バイクが盗難にあったり、いたずらされてしまう可能性があります。最近では悪質な窃盗犯によって車庫や駐車場からバイクが盗まれる事件が起きています。車庫証明の必要はありませんが、バイクを駐車するスペースを自宅に用意するか駐車場を借りるなどして大切なバイクを守りましょう。
バイクを引っ越し先に持っていくときの手続き
転勤や進学などで引っ越しが決まった場合、バイクをどうやって引っ越し先に持っていくのか考えたことはありますか。また、住所が変わることでこまごました手続きが必要になります。バイクを引っ越し先に持ち込むために、どのような手続きが必要なのでしょうか。これから排気量毎のバイクの引っ越し、そして手続きについて細かく分けて紹介します。
原付バイク(125㏄以下)
125㏄以下のバイクは、市区町村の管轄となります。たとえば、実家を離れて市区町村内で一人暮らしするような場合には転居届を出せば自動的にバイクの住所変更が行われます。県外など住んでいた市区町村以外に引っ越しする場合には市役所でナンバープレートを返納し、廃車申告受付書をもらいます。必要な書類は以下になります。
- ナンバープレート
- 標識交付証明書
- 印鑑
- 代理人を立てる場合は委任状
- 身分証明書
- 軽自動車税申告書
次に引っ越し先の役所で新たに登録手続きを行ったら、新しいナンバープレートを発行してもらいます。
以下を持って廃車と登録の手続きを同時に行う必要があります。
-
- 廃車証明書
- 標識交付証明書
- 古いナンバープレート
- 印鑑
なお、ナンバープレートの返納手続きや取得手続きは住所変更後15日以内ですので手続きは早めに済ませましょう。
中型二輪(126cc以上250cc以下)
中型バイクと呼ばれるバイクは陸運支局管轄となりますので引っ越し先の陸運支局が同じか異なるのかで手続きが違います。同じ陸運支局の管轄内の場合にはナンバープレートは変わりませんので書類のみ提出となります。県外に引っ越す場合、陸運支局管轄が変更となりますのでナンバープレートを持って届け出しなくてはいけません。
申請の必要書類は陸運支局で入手できますので電話で問い合わせして郵送してもらうか、webサイトからダウンロードしましょう。
大型二輪(251cc以上)
大型バイクも陸運支局管轄となりますので必要な書類や手続きは中型二輪と同じです。どちらも、住所変更後15日以内の手続きが必要です。
運転免許証の住所変更
引っ越し後には運転免許証も住所変更が必要になります。転居先の運転免許更新センターや警察署で「運転免許証記載事項変更届」を提出します。運転免許証の更新期間に引っ越しする場合には同時に住所変更の手続きができますので運転免許センターに申し出ましょう。
必要な書類は以下になります。
- 運転免許証
- 住民票(新住所)
- 健康保険証及びマイナンバーカード
- 印鑑
なお、結婚して住所と名前が変わる場合には本籍が記載された住民票を提出する必要があります。
バイクの駐輪場探し
マンションやアパートに駐車場や駐輪場がある場合には問題はありませんが、中にはバイクの駐車を禁止しているケースもありますので引っ越し前の確認が大切です。駐車場は居住地から多少離れた場所でも借りることはできます。そもそもバイクの駐車場の絶対数が少ないので見つかりにくいというデメリットがあります。
最近はバイク専用の駐車場もできていますので、引っ越し先が決まったら早めに契約しておくことをおすすめします。
駐車場が見つからない場合、バイク専用のコンテナルーム(トランクルーム)を探してみましょう。屋根付きで鍵もかけられるので、安全性も高く盗難防止にもなります。また雨風からバイクを守れますので安心です。駐車場を探すよりも比較的簡単に見つけられるでしょう。
引っ越しの際のバイクの輸送
自分で運転して運ぶのが一番良いのですが、引っ越しの荷物や手続きなどやらなければいけないことがたくさんあります。県外などでナンバープレートを返納する場合には新しいナンバープレ―トがなければ運転できません。引っ越し業者によってはバイクの輸送を受けてくれるケースもありますが、バイク専門業者に頼む方が安心であることは確かです。
まとめ
今回はバイクには車庫証明は必要なのか、引っ越しの際にはどのような手続きが必要なのかを解説しました。引っ越しの準備だけでも大変なのにバイクを移動させるとなるとさらに手続きが必要になります。
車庫証明は必要ないものの、引っ越し先によってはナンバープレートの返納や新規手続きなどを行わなければいけません。また駐車場の手配も必要になるので、引っ越しの段取りはしっかり決めておきましょう。