ニュースでごくたまに耳にするバイクの盗難は、バイクオーナーなら他人事ではありません。
SNSでもバイクの盗難に関するニュースを目にする方もいるのではないでしょうか。
悪質で巧妙な手口は、バイク窃盗団が絡んでいるのではないかとも言われていますが、その実情は謎のままです。
自分の愛車は自身で守るしかすべがない現代において、バイク窃盗団の手口を知るのが最も有効な防犯対策です。
これから、バイク窃盗団の手口について詳しく紹介しますので参考にしてください。
目次
減らないバイク盗難被害、あなたの愛車は大丈夫?
「ほんの少し目を離した隙に……」悪質極まりないバイク盗難被害。
特に耳にするのが大型バイクの盗難です。ほんの数分、玄関先に駐車しただけで盗まれてしまう事もあります。
そうなると、自分のバイクをどのようにして守れるかを考えることが欠かせません。
バイク窃盗団の手口がわからないので、予測できないのが防犯対策の難しいところです。
警視庁が発表している資料によると、平成31年1月〜令和元年12月までのバイク盗難数は11,255件あります。平成27年1月〜12月の35,486件と比較すると1/3にまで減少しているのは、防犯意識が高くなってきたからでしょう。
バイクのコンテナガレージの登場などで、盗みにくい環境づくりも影響があると考えられます。
窃盗犯は、私たちの防犯意識の斜め上から手を伸ばしてきます。「まさか、ここまではやらないだろう」のような、一般常識は通用しません。
実は、私もバイクのカウルだけを盗まれた経験があります。
バイクが盗まれなかったのは不幸中の幸いですが、「どうしてカウルだけ?」や「もしかしたら、今度はバイクごと盗まれるのでは」と恐怖心が強くなりました。
ロックチェーンや鍵はつけていましたが、盗難が怖くなって全部買い換えました。今はガレージハウスをレンタルして、そこに駐車しています。正体や手口がわからないと、愛車を守れません!
そこで、今回はバイク窃盗団の手口について解説します。窃盗犯の手口を知って、防犯意識を高めましょう!
手口①:鍵を壊してエンジンをかけ、そのままバイクに乗って盗む
バイク盗難の手段で、鍵を壊してエンジンをかけるのは一番オーソドックスな手口です。
特に原付バイクはキーシリンダーを破壊してからの乗り逃げが多く、中型や大型と異なり運びやすいため狙われやすくなります。
鍵を破壊されたバイクは、分解され部品となってバイク窃盗団ルートで売買されるようです。
時々、スーパーなどで鍵がついたままの原付バイクをみかけますが、あれは本当に危険ですから絶対に鍵を持っていくことを忘れないでください。
手口②:買取業者を装って、チラシを貼って下見をする
駐車したバイクに「バイクを買い取ります!」と書かれたチラシが挟まっていたことはありませんか?このチラシには「高価買取」と書いてあるので、本当に買取を希望している方には魅力に感じるでしょう。
でも、ちょっと待ってください!このチラシ、バイク窃盗団の罠かもしれません。
- バイクの買取とあるがバイクの写真がない
- 具体的な買取例がない
- 意味不明なナンバーが書いてある
- 電話番号はあるが住所が書いてない
一般的なチラシと比較して、なんかちょっと引っかかる……これは間違いなくバイク窃盗犯のマーキングです。
買取業者と見せかけて、持ち主の行動や生活パターンを探るためにチラシを配布しています。
チラシが取られていればバイクに頻繁に乗っているとわかりますし、そうでなければ盗むタイミングを計っています。
このようなチラシを見たら、関わらない・バイクの駐車場を変更するなどの対策を考えましょう。
また、現状よりも防犯対策を厳しくするなどバイク窃盗対策をしっかり取ってください。
手口③:ワイヤー・チェーンを切断して盗む
バイクの盗難防止に、ロックチェーンやワイヤーを使っている方はいませんか?
強力で効果がありそうですが、バイク窃盗団にはわけもなく破壊されます。
見た目には絶対切れそうにないのですが、「業務用油圧カッター」を持ってこられるとたまったものではありません。
直径2〜3cmのものは簡単に切られてしまいます。
業務用油圧カッターはホームセンターで普通に売られていますので、誰でも簡単に購入できます。
短時間で切られてしまうので、あっという間に盗まれてしまいます。
目星をつけたバイクにチェーンやワイヤーが装備されていると、用意して盗みにくるなど手口が狡猾です。
手口④:車輪を外す、台車に乗せる、クレーンなどを使って盗む
鍵を壊す、ロックチェーンやワイヤーを外す、単純な手口だけでは終わりません。
大胆に車輪を外し、台車やクレーンを使って盗み出すバイク窃盗団もいます。
犯行手口は多様化していて、バイクガレージの南京錠を壊しガレージごと盗み出すなどの大胆な手口もあります。複数人で手際よく作業し、専門業者がバイクを撤去しているように見せかけることもあるようです。
ここまでの窃盗手口から、窃盗犯は素人ではなくプロであり、バイクや部品を海外輸出するのが目的であると考えられます。
バイクの盗難は減少傾向にありますが、卑劣な手口を使った犯行を見過ごすわけにはいきません。
バイクの盗難の対策は、オーナーが意識を高く持って備えるのが一番有効な方法です。
「狙っているのはわかっているんだ」と強い態度を示すことが、バイクを守る有効手段といえます。
愛車を盗難から守るために、防犯グッズを活用しよう!
大胆かつ悪質化するバイクの盗難手口に、指を咥えて見ているわけにはいきません。
バイク窃盗団にバイクを盗ませないようにするには「盗難には時間がかかる」と思わせましょう。
そのためには、複数の防犯グッズを利用して簡単には盗めないような状態を作りましょう。
バイクは見せない!隠してしまう
愛車を守るためには、盗まれやすいと予想される環境にしない、対策をすることが重要です。
防犯カメラが設置された駐車場であっても、下見をされて死角から入りこまれてしまうと防ぎようがありません。
「バイクがあるから盗む」のであれば、バイクを見せないようにカバーをかけましょう。
カバーをかければ、車種や防犯グッズの種類・数を隠せます。防犯対策の基本をしっかり守りましょう!
バイクカバーについてはこちらの記事を参考にどうぞ!
複数のロックで愛車を守ろう
ロックをしても盗まれるからとロックをかけないのはよくありません。
バイク窃盗団は、破壊や切断に時間がかかる防犯グッズを嫌がります。万が一、人に見られたり怪しまれたりしたら元も子もなくなるからです。
切断やピッキングに時間がかかる、ロックを開錠しようとすると大きなアラームが鳴り響く商品も有効です。
太く固いワイヤーは切断に時間がかかりますし、カバーの下にそんな防犯グッズがあると予想していないと盗まずに逃げていきます。
異なるタイプのロックを複数併用して、タイヤが動かないように固定すると器具が入りにくいので簡単に壊せなくなります。
個人的には「デスロック」「地球ロック」「アラーム」の三種の神器がおすすめです。
バイクを守る防犯グッズをもっと知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
犯人の行動を予測!?
盗難の手口を知れば、その裏をかいて盗難防止・抑制効果を高められます。
窃盗の被害は、人気のない深夜や人目につかない場所、住宅街から離れた場所で起きています。
駐車場は住宅街で大通りに近く、深夜でも車の行き来がある場所を選ぶなどの工夫も必要です。
窃盗犯は「大きな音」「急な光」に弱く、時間がないと焦る傾向にあるので、そこをつく防犯対策を考えてみましょう。
グッズ不要!?今日からできる防犯対策!
防犯グッズを使うのは必然ですが、普段の心がけで愛車を守れます。
最初から「できない」とあきらめず、自分にできる対策から始めてみましょう。
危険!SNSから身バレ
気軽に投稿しているSNSに愛車の写真をアップしたり、ツーリング情報を載せていませんか?
近年は、SNSに投稿した写真から個人情報が特定されたり、ストーキングされたりと事件に巻き込まれる事例が増えています。
バイク窃盗団は写り込んだ風景から現在地を特定したり、過去の投稿をさかのぼって居住地まで絞りこんだりしてきます。
写真に映りこんだマンホールや電柱から住所を特定し、Google Earthでバイク情報を盗むなど狡猾なバイク窃盗団が存在します。
写真を撮影した際にデータにはGPSの位置情報が埋め込まれています。
最近では、投稿後に自動削除されるようになったようですが、ブログの場合は自由閲覧される可能性が高いので注意が必要です。
頼りになるのは人との繋がり
盗難予兆として注意したいのがバイクの下見です。
バイク窃盗団はバイクがどこにあるのか、盗みやすいのか、車種やロック状態、住民の在宅時間など綿密な下準備を行っています。
持ち主の行動パターンはもちろんですが、近隣住人の防犯意識や周囲への関心度なども細かくチェックしています。
普段から挨拶をしたりコミュニケーションをとるだけで、お互いの存在を意識するものです。
見慣れない人物が何度も家の前を行き来したり、バイクをジロジロ見たり触っていれば不審に感じるでしょう。
実際にバイク窃盗団の下見らしき姿を見たご近所さんが、バイクの持ち主に注意を促し難を逃れた実例があります。
ほんの小さな挨拶や親切が、あなたの愛車を守ることになるかもしれませんね。
まとめ
いつ・誰が・どんなきっかけで窃盗犯になるかはわかりません。
バイク窃盗団はいなくても「あのバイクが欲しい」と、魔が差して窃盗を働く人が近くにいないとは限らないのです。
防犯効果が高いグッズは、値段もそれなりにするので「そこまでお金をかけたくない」方もいるかもしれません。
対策を渋った結果、愛車が盗難にあってしまえばそれこそが大損害です。
自分だけは大丈夫と思わずに、窃盗犯が嫌がる複数の防犯対策をやりましょう。
「盗ませない」と強く願う防犯意識が、あなたの愛車をバイク窃盗団から守ります。