頭部を守るヘルメットは、機能性や見た目のデザインだけでなく「フィット感」も大切ですよね。
しかし、密着度が高くなれば蒸れやすくなり、汗や皮脂がヘルメットに付着するのでにおいがするようになります。

特に、梅雨時期から夏にかけての湿度が高い季節は、汗の量も増えるのでヘルメットの中はサウナ状態といっても過言ではありません。

そのため汗をかきやすい人は、タオルやバンダナなどを頭に巻くなどして、汗が流れないような対策をしているのではないでしょうか。
しみ込んでしまった汗は悪臭の原因となるので、定期的なメンテナンスで解消しましょう。

部屋の中で保管していたはずなのに、なんだかヘルメットが臭い……

ここ数年は下降気流によって高気圧になりやすく、世界中の温度が高くなっています。
高温多湿な太平洋高気圧に覆われる日本の夏は、特に湿度が高く蒸し暑いのが特徴です。

バイクに乗っていなくても、保管場所や方法によってヘルメットの中が臭くなってしまうことがあります。これはヘルメットに装備されているパットに、汗がしみ込んでいるのが原因です。
汗には皮脂や汚れなども混ざり込んでいるため、特に梅雨時期には湿気でカビ臭くなってしまいます。

私は春のツーリング中にバイクで転び、足を骨折した経験があります。
足首だったので治りが悪く、暫くバイクに乗れなくて……久し振りにヘルメットを被ったらめちゃくちゃ臭かったですね。

ヘルメットが臭いとツーリングの気分がガタ落ちしてしまいますが、ヘルメットなしでバイクを運転するわけにはいきません。
大好きなバイクを運転するなら、清潔なヘルメットで気持ちよく走りたいですよね。

ということで、今回はヘルメットのにおい対策について解説していきます!
長時間被るヘルメットは外見だけでなく、内側もしっかりキレイにして、気持ちよくバイクに乗りましょう!

どうしてバイクのヘルメットは臭くなってしまうの?

バイカーの必需品、ヘルメットはどうして臭くなってしまうのでしょうか。
ここからは、ヘルメットが臭くなる原因を考えていきましょう。

通気性が悪い

1番の問題は、通気性の悪さです。
フルフェイスのヘルメットですと、特に問題になりやすいところですね。

ジェット式は顔の下半分が開いているので、フルフェイスと比べれば通気性は良いですが、雨が降ると首から顔まで濡れやすく、体温で蒸発した水分がヘルメットにこもってしまうという欠点があります。

フルフェイスと比較すれば、確かに通気性は良いかもしれませんが、雨が降ると首から顔まで濡れやすく、体温で蒸発した水分がヘルメットにこもってしまいます。

夏場はヘルメットの形がどうであれ、ヘルメット内の湿度に加え、体から発する熱や蒸気が溜まりやすくなるのです。

汗が臭い

夏場は冷房が効いた部屋にいる時間が長くなります。
夏の汗自体は実はサラサラしているのですが、冷房で体が冷えてしまうと体温調節がしにくくなり、汗の成分濃度が濃くなるため、結果的に汗が臭くなりやすいのです。

また、汗をかきやすい人はヘルメット内部のにおいを強く感じるようになります。

汗による雑菌の繁殖

ヘルメット内の汗は、タオルなどで拭いてしまえば簡単に乾いてしまいます。
しかし、頭部を守るパットには皮脂やアンモニアなどが混ざった汗がしみ込んでいるため、雑菌が繁殖しやすくなっています。

汗を拭いたタオルを、何日も放置していると雑菌の繁殖で臭くなりますよね?
ヘルメット内部もタオル同様に雑菌が増えていくので、何もせずに放置すればどんどん臭くなります。

お手軽簡単!消臭スプレーでにおい対策!

通勤や通学でバイクを利用する場合には、消臭スプレーを使ってにおいを撃退しましょう!
しかし、衣類用の除菌スプレーは、においをマスキングするだけで思うような効果を得ることはできません。

そこでオススメなのが、バイクグッズ用の消臭グッズです。
ヘルメットのにおいは、汗と皮脂・整髪料や化粧品などが混ざり合って発生します。

夏は日焼け止めなど、スキンケア用品が汗に混ざりやすい季節ですから、抗菌・除菌力があり、持続性が高い商品を選びましょう。

以下ではオススメの消臭スプレーを紹介します。

タナックス (TANAX) 消臭スプレー PG-210

エアゾールタイプで使いやすいうえに、コンパクトなので持ち歩きしやすいのが魅力です。
ヘルメットだけでなく、グローブやレザージャケットにも使え、強力に消臭します。

しかし主成分がエタノールなので、乾いたあとにエタノール臭が残るのがデメリット。
乾いた状態のバイクグッズにスプレーし、消臭剤が完全に乾いたら着用しましょう。

ヤマハ (YAMAHA) ヤマルーブ ヘルメット消臭剤

天然成分をメインにした消臭剤で、髪にも頭皮にも優しく安心して使えます。
アルコール成分も含まれていますが、においは気になりません。消臭剤の成分による髪の傷みを気にしなくていいのもオススメのポイントです。

鶴翔 (KAKUSYO) 消臭除菌スプレー 天然スーパーバイオ210

コロナ渦では、公的機関でも使用されていた商品です。
天然成分を独自に抽出した「スーパーバイオ」を主成分とし、ヘルメット以外にも使えるので便利です。持続性が高く、長時間の着用でもにおいをシャットアウトしてくれます。

スプレーでにおいが落ちないときは、内装を外して洗濯しよう!

消臭スプレーの効果はあくまでも一時的なので、汚れは洗い流すのがベストです。
スプレーでにおいが落ちなくなった・べたべたする場合には、ヘルメットの内装を外して洗濯しましょう。

ヘルメットの洗濯方法

フルフェイスは、チークパッド・センターパッド・アゴ紐が外れ、ジェット式ならイヤーマフ・センターパッドが取り外せます。
外した後は、ライナーをきれいに掃除しましょう。

①ライナーは発泡スチロール製のため、汚れはふき取っていきます。
洗剤をぬるま湯で溶かし、それを染み込ませたガーゼやタオルで優しく汚れを落としましょう。
2〜3回ふき取ったら、ぬめりがないかを確認して乾かします。

②基本的に内装は手洗いします。
洗濯機のドライコースなどで洗う人もいますが、万が一破損してしまうとヘルメットとして利用できなくなります。
命を守るヘルメットの内装を洗うには、丁寧に優しく手洗いをしてください。

③ぬるま湯に洗剤を溶かしたら、洗濯ネットに入れてつけ置きです。
30分ほどつけ置きしたら、上から軽く抑えるようにして押し洗いをはじめましょう。
内装のスポンジはデリケートな素材なので、もみ洗いすると劣化が早くなります。

④何度か水を変えてすすぎをしたら、洗濯ネットから取り出し洗剤が残っていないか確認します。
残っているようであればすすぎを繰り返し、洗剤がしっかり落ちたら、タオルドライで水分を落としましょう。

⑤水分が切れたら、日陰でしっかり乾かしましょう。
直射日光に当てると早く乾くと思われていますが、スポンジが収縮し劣化を早めます。
バイクの内装を洗濯するときは「焦らない」「時間をかけて丁寧に」を心がけましょう。

ヘルメットの頑固なにおいには、強力な酵素系漂白剤を使うのもアリ!

洗濯したけれど、汗臭い・カビ臭さが抜けない!ここまでくると、普通の洗濯方法ではにおいが落ちません。
そんな時には、強力な酵素系漂白剤の出番です!

オキシクリーン

最近は液体洗剤が主流ですが、汗のにおいを根こそぎ洗いたい・長い期間消臭スプレーで誤魔化してきた人には「粉末洗剤」をオススメします。その理由は、粉末洗剤の方が汚れやにおいをしっかり落とせるからです。

色柄物に使えて、においも汚れもスッキリ落とすオキシクリーンがあれば、酵素系漂白剤がなくても完璧です。

使い方は、粉末洗剤をぬるま湯に溶かし、バケツや洗面器に外した内装を付け置きするだけ!簡単ですね。
これだけで、嫌なにおいもしっかり落ちます。

洗った後は、また臭くならないよう蒸れ対策アイテムを使おう!

洗濯しても「におい戻りする」「汗かきなので、また臭くなる」と心配していませんか?
ヘルメットをきれいにしても、またにおいがぶり返すのは避けたいですよね。
清潔ににおいがつかないようにするには、蒸れ対策を実施するのが有効です。

以下では蒸れに効果的な便利グッズを紹介します。

インナーキャップ

ロードバイクなどの競技でも使われているインナーキャップは、メッシュ素材で通気性も高く年中快適に過ごせます。

また、ヘルメット内部が汚れにくいうえ、汗のべたつきを軽減する効果も期待できます。
水泳キャップタイプ以外にも、バンダナ風などデザインも豊富にあるので、比較して選んでください。

エアーヘッド

内装と頭部を物理的に離してくれるので、汗や皮脂、整髪料などがつきにくいだけでなく髪型をキープできる優れものです。
女性ライダーはもちろん、男性にもオススメしたいバイクグッズの1つ。

簡単に装着できてメンテナンスも取り外して洗うだけと簡単なうえ、カラーバリエーションも豊富です。
ヘルメットカラーに合わせて選ぶのもおしゃれですよ。

番外:ドライヤーで直接乾燥させるのは、ヘルメットを劣化させるのでNGです

ヘルメットの洗濯でも書きましたが、急激に熱を内装に当てるのは劣化の原因となります。
それと同じで、雨に濡れたから・内装を早く乾かすためにドライヤーを使うのはやめましょう。

衝撃吸収ライナーは発泡スチロールが使われており、98%の空気と2%のポリスチレンを原料とした独立気泡で構成されています。
90度以上の熱を加えると溶けてしまうため、ドライヤーで乾燥すると収縮が始まるのです。

衝撃吸収ライナーが縮めば、ヘルメットの機能が損なわれてしまいます。
どうしても早く乾かしたいなら、扇風機かサーキュレーターを使いましょう。自然乾燥なら、衝撃吸収ライナーに干渉しないので安心です。

まとめ

ヘルメットの中は密室状態のため、においが発生しやすくなっています。
汗をかくとにおいが強くなったり、目にも刺激が来たりと危険ですよね。

においの原因菌が頭皮についてしまうと、頭が臭くなったりフケが急に出たりするなど健康面にも不都合が生じます。
ヘルメットが臭いし、かゆくて運転できない!という状態を防ぐためにも適度な周期で洗濯し衛生を保ちましょう。

日常的なケアとしては消臭スプレーがオススメなので、今回紹介した商品を参考に利用してみてください。
ヘルメットのにおいが気になりだす前に、早めのケアで快適なバイクライフを楽しんでください。