「排気量が多いとカッコイイ」とは言われますが、そもそも排気量って何なのでしょう。

バイクの購入を検討するときに、気になる排気量。排気量の大きいバイクを見ると、「かっこいい!」と感じることも多いですよね。

皆さんの中には、「排気量の小さいバイクはちょっと……」「せっかく買うなら大きい排気量の方が」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。ですが、排気量は必ずしも大きくなければいけないというものではないんです。

というわけで、今回は排気量の意味と、目的に適した排気量について解説します!排気量の大小にこだわらず、好きなバイクでバイクライフを楽しみましょう!

排気量とは、エンジンのパワーの指標!

排気量とは、エンジンのピストン運動により燃料を燃やしてエネルギーを生み出す容積のことです。もっと簡単に言うと、エンジンが吸いこめる空気と燃料の総量です。単位は「cc」で表します。「ml」と同じ単位なので、500mlのペットボトルは500ccと考えるとわかりやすいですよね。

排気量は絶対ではなく、バイクのエンジンの性能の1つです。50cc〜2,000ccくらいまで幅があり、排気量が同じでも乗り心地は異なります。また、同じメーカーでもエンジンのフィーリングが違いますので、排気量の違いは「性格が違うバイク」という程度に思っておくと良いでしょう。

目的別のオススメ排気量

排気量は小さなものから大きなものまでありますが、目的に合わせた排気量を選ぶのが一般的です。

通勤・通学

通勤や通学で人気なのは50cc〜125ccの排気量のスクーターです。
シート下に広めの収納があるので、レインコートやヘルメットの収納などに便利です。小回りが利くので街中でも便利ですよ。

50ccの原付1種(白ナンバー)は普通自動車免許を所持していれば乗ることができますし、自賠責や任意保険、税金などの維持費も安いです。バイク自体も軽量なので、押し引きも難しくありませんよ。

ただし、時速30キロの速度規制があったり、交差点で2段階右折が必要になるという点ではデメリットがあります。

125ccの原付2種(ピンクナンバー)は普通二輪小型限定免許以上が必要になるものの、50ccの原付1種にある30キロ制限や2段階右折からは解放されるので、最近は特に人気を集めています。

ショートツーリング

短い距離のツーリングには126cc〜250ccの排気量のバイクがオススメです。
126cc以上のバイクは、普通自動二輪免許が必要になります。125ccまでの原付は市区町村役場の管轄、126cc〜250cc以上のバイクは陸運局の管轄となります。

この排気量のバイクは高速道路に乗ることもできますが、国道や県道などの下道をツーリングするのにオススメです。ガソリンタンクも小さいものが多いです。

また、250ccまでのバイクは大型のバイクと比べると軽いので、大きなバイクが怖い、押し引きに不安がある初心者ライダーなどにオススメです。

ミドルツーリング

400ccのバイクは250ccよりもパワーがあり、安定した走行ができます。バイクが250ccよりも重いので、扱うのに技量が必要になってきたり、押し引きの重さも目立ってきます。

400cc以上のバイクはナンバーに緑の枠が付いており、車検が必要になります。400ccは普通自動二輪免許でのれる最大排気量のバイクです。ある程度長い距離を走行しても静かに走行したり、燃費走行したりすることができます。

高速道路も充分に走行できますが、400ccでも車種によってはエンジン音がうるさく感じたり、振動を感じることがあります。それが長い時間続くと疲労に繋がってしまうので、長い距離のツーリング時は体調に注意して乗るようにしてくださいね。

ロング・高速ツーリング

401cc以上のバイクは、低回転から大きなトルクで走行することができるのでエンジンを酷使することなく、ロングツーリングに最適です。

排気量が大きくなるにつれてエンジンのパワーが上がっていくので、トップギアに入れて時速100キロくらいで走行すると、アイドリングに近い状態で走行できます。

エンジン音や振動が少なくストレスが溜まりにくいので、長い距離を疲れることなく走行できます。

また、400cc以上のバイクは車検があります。ただし車のように排気量が上がった分だけ税金が高くなることはなく250cc以上は全て一緒の金額なので、大型バイクの方がお得と考えられます。

400cc以上のバイクは車検がネックですが、整備代以外はどのバイクもかかる金額は同じくらいですので、バイクのスタイルや使い方などを考慮して排気量を決めてみてください。

バイクに乗る目的別にご紹介をしましたが、小さなバイクで日本1周するライダーもいるので、自分の所持する免許やスキルによって、好きなバイクを選ぶのも良いでしょう。

排気量によって、税金や車検の要不要・駐車場の料金も違います!

バイクは排気量によって保険や税金、ナンバーの管轄、車検の有無、さらに駐車場の料金も変わってきます。

50ccの原付1種

50ccの原付1種は自賠責保険料の区分が「原付」となります。
保険料は、今年(2023年)の例ですと12ヶ月で6,910円、24ヶ月で8,560円となっています。

任意保険はその名の通り「任意」の保険なので加入は必須ではありませんが、自賠責保険(強制保険)ではカバーできない部分(相手方への補償など)を補うため、加入した方が良いでしょう。車を所有していればファミリーバイク特約で安く保険に入れるのでオススメです。

管轄は住民票が置いてある市区町村になるので、ナンバーの発行や住所、所有者の変更などの手続きは役場で行います。

税金は、住んでいる市区町村から毎年お知らせが来るので、5月31日までに2,000円を払いましょう。

車検はありませんので、購入したお店で6ヶ月、12ヶ月の定期点検を受けてバイクの状態を保ちましょう。また、原付は車体が小さいので駐車場は自転車と共通の場合が多いです。アパートやマンションにある駐輪場は、無料から数千円のパターンが多いので、確認してみましょう。

125ccの原付2種

125ccの原付2種は自賠責保険料の区分は「原付」となり、今年(2023年)の例では12ヶ月で6,910円、24ヶ月で8,560円となっていて原付1種と同じです。

任意保険に関しても50ccの原付1種のお話と同じで、加入は必須ではありませんが、自賠責保険(強制保険)ではカバーできない部分(相手方への補償など)を補うため、加入した方が良いでしょう。こちらも車を所有していればファミリーバイク特約で安く保険に入ることができます。

管轄も同じく住民票がある市区町村です。
税金は原付1種よりも高くなっています。排気量の51cc〜90ccまでの排気量のバイク(ナンバーが黄色)は2,000円で変わりませんが、最近主要になっている91cc〜125ccのバイク(ナンバーがピンク色)は2,400円となります。

車検はありませんので定期点検をしましょう。また、駐車料金は原付1種、2種ともに数千円ほどかかります。

126cc〜250ccのバイク

126cc〜250ccのバイクの自賠責保険料の区分は「軽二輪」となり、保険料は、今年(2023年)の例ですと12ヶ月で7,100円、24ヶ月で8,920円です。
管轄は市区町村ではなく、普通自動車と同じ陸運局の管轄になります。住所変更などの手続きも、必要な書類(住民票など)を持参して陸運局で申請します。車検はありません。

税金は、軽自動車協会からお知らせの封筒が届くので、5月31日までに支払いましょう。
原付と違いエンジンのパワーが格段にアップしているので、それなりに長い距離も走行できます。そのため、定期的な点検が大切です。故障の原因になる所はチェックしておきましょう。

原付は駐輪場に停める事ができますが、それ以上のバイクは駐車場に停めなければなりません。駐車料金は排気量が上がれば高くなる傾向にあります。アパートやマンションの駐車スペース、月極の駐車場を探しましょう。料金は数千円から1万円くらいの所が多いですよ。

また、料金は数万円程度かかってしまいますが、屋内保管でバイクの状態を良好に保つことができるバイクコンテナもオススメです!

400cc以上のバイク

251cc以上のバイクも陸運局が管轄しています。
新車は3年後、それ以降や中古のバイクは2年に1回車検を受けなければなりません。また、車検に必要な「自動車重量税」というものがかかります。自動車重量税は、バイクの初年度登録からの年数で金額が変わるので、車検前にお店に確認してみましょう。

任意保険は、原付のように1年500円で加入できるファミリーバイク特約とは違い、年に平均で30,000円ほどかかります。ライダーの年齢とバイクの種類、プランで保険内容が変わるので、保険会社に確認しましょう。

また、軽自動車税がかかります。軽自動車協会からお知らせが届くので、5月31日までに納めましょう。
駐車場の料金は、大型のアメリカンや、オフロードにリヤボックスやサイドボックスが付くと別料金となることもありますので注意しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。今回はバイクの排気量について紹介しました。
バイクは排気量によってパワーに違いがありますが、税金や保険、維持費や車検の有無などにも違いがあります。

今回ご紹介したような情報をもとに、バイクを所持するのにかかるお金を計算し、バイクを選ぶ判断材料にしましょう。排気量やバイクの形によって乗り味が違うので、目的やライディングスタイルに合ったバイクを選んでくださいね。