バイクのエンジンからオイルが漏れている……対処法は?

久しぶりのツーリング。

次の日にバイクを見てみると「地面に染みができている……!」と驚くこともありますよね。

実はそれ、エンジンオイルが垂れているのかもしれません。

染みが茶色だったり、焦げ臭いにおいがしていたら要注意ですよ。

そこで今回は、バイクのオイル漏れの対処法、原因について解説します!「オイル漏れかも?」と思ったら、愛車の状態をチェックしてみましょう!

バイクのオイル漏れに気づいたら、まずココをチェック!

バイクは車と違い、エンジンが剥き出しになっているのでオイル漏れを発見しやすいです。

オイル漏れに気付いたら、どこから漏れているのかを確認しましょう。

ここではオイル漏れに気付いた時にチェックするところを紹介します。

エンジンオイルドレンボルト周辺

エンジンオイルの交換時に外すドレンボルトから、エンジンオイルが漏れていることがあります。

オイル交換時にドレンボルトに取り付けるワッシャーを使いまわしてしまったり、潰し過ぎたり、つけ忘れてしまうとオイルが滲んでくることがあります。

ドレンボルトはエンジンの下側に付いているので、オイル漏れがあったらエンジンの下側を覗いてみましょう。

オイルフィルター

オイルフィルターもオイルと一緒に交換することがあります。

オイルフィルターの取り付け方が間違っていたり、Oリングがエンジンに密着していないとオイル漏れを起こします。

エンジンの継ぎ目部分

エンジンの継ぎ目の一番上にあるヘッドカバーや、真ん中付近のシリンダーからもオイルが漏れます。

オイルが漏れてしまうと、そのまま下に垂れてきます。

新車や高年式のバイクでも稀にありますが、ほとんどは低年式や、放置期間が長すぎるバイクに発生しやすいです。

フロントスプロケット周辺

フロントスプロケットは多くの場合、左側の足元のシフトチェンジペダルの裏側にあり、ミッションの軸に付いています。

スプロケットの裏にはオイルシールがあり、エンジンオイルが漏れないようになっています。

このオイルシールが悪くなると、アイドリングでも勢いよくオイルが漏れてきますよ。

フロントフォーク

フロントフォークには、衝撃を和らげるためのオイルが入っています。

経年劣化や放置期間が長くなると、サビが出てきてしまいオイルが漏れてきます。

バイクのオイル漏れの対処法

どこからオイル漏れが発生したのかを見つけたら、今後はオイルが漏れないように、または軽減できるように対策をしていきましょう。

エンジンドレンボルトからのオイル漏れの場合

エンジンドレンボルトはオイル交換時に外すので、距離にもよりますが年に数回外します。

ドレンボルトに取り付けるワッシャーは、締め付けられて潰れることでシーリングをします。

そのワッシャーは毎回新品交換が基本になっていますが、バイク屋さんによっては使いまわすこともあります。

また、DIYでオイル交換をすると、新品ワッシャーが手元になく再利用することも多いです。

ドレンボルトも、長年使用したり傷ついたりすると交換が必要になります。

オイル交換の時に、ワッシャーは毎回新品に交換しましょう。

また、ドレンボルトの状態をよく確認し、交換が必要であれば新品にしましょう。

ドレンボルトには規定の締め付けトルクがあります。

サービスマニュアルに記載されているトルクで締め付けないと、緩んできたり締めきれていないことがあるのでこちらも注意しましょう。

オイルフィルターからのオイル漏れの場合

オイルフィルターは多くの場合、締め付け不足、もしくは締め付けすぎによりオイル漏れが発生します。

Oリングがエンジンに密着してオイル漏れを防いでくれます。

このOリングが、密着せずに良い具合に潰れないと少しずつオイルが漏れてきてしまいます。

また、締め付け過ぎてもOリングが潰れすぎて切れてしまいます。

オイルフィルターから漏れている場合は、新品を用意し、サービスマニュアルに従って交換しましょう。

エンジンの継ぎ目からのオイル漏れの場合

エンジンは何個かに分けて組み立てられているので、その隙間からオイル漏れが発生することがあります。

エンジンの継ぎ目からのオイル漏れは、エンジンオイルの種類を変えることで軽減できることがあります。

エンジンオイルには「10W-40」というような表記があります。

この数値は、左の数字が低温時で、右の数字が高温時のオイルの粘度です。

この数字が高いほど、オイルに粘り気が出て隙間からのオイル漏れが収められます。

ただし、オイルの粘度を上げ過ぎると、エンジンがスムーズに動きにくくなり、燃費が落ちるので注意が必要です。

スプロケット周辺のオイル漏れの場合

フロントスプロケット周辺のオイル漏れは、観察が必要です。

スプロケット裏のオイルシールからのオイル漏れだけでなく、チェーンオイルが飛び散っているだけかもしれません。

綺麗に清掃して様子を見た方が良いですよ。

フロントフォークからのオイル漏れの場合

フロントフォークからオイルが漏れてくると、そのまま下に流れていきます。

すると、ブレーキキャリパーやディスクに付着しブレーキが効かなくなる可能性があります。

こまめに清掃しましょう。

フロントフォークをその場で縮めれば、オイルが滲んでくるので確認できます。

フォークの表面の小さなさびや汚れを落としたりし、シリコンスプレーなどの潤滑剤をオイルシールの摺動部分にスプレーしましょう。

このようにオイル漏れの対処方法を紹介しましたが、これらの方法はあくまでも応急処置です。

後日バイク屋さんに持っていき、点検してもらうようにしましょう。

大量にオイル漏れしている状態で走行すると、エンジンが壊れる可能性があるので気をつけましょう。

バイクのオイル漏れの原因

オイル漏れには原因があります。

ここではなぜオイル漏れが発生するのか、どうすればオイル漏れを防げるのかを紹介します。

オイル漏れの原因

オイル漏れは、エンジンの継ぎ目にあるガスケットやオイルシールなどのパッキン類から発生します。

オイル漏れには様々な原因がありますが、そのうちの1つにパッキンの劣化があります。

エンジンの継ぎ目部分は強い素材のパッキンを使っていますが、低年式のバイクだとパッキンが劣化していることがあります。

オイルシールは弱いパッキンが使われているので、放置したり過酷な使い方をするとすぐに劣化してしまいます。

これは、ある程度の年数や距離をバイクに乗ると避けられない問題です。

また、オイル交換などの定期的に整備する箇所のオイル漏れは、ボルトの締め付け過ぎや緩みすぎ、部品の欠品などヒューマンエラーが原因なことがあります。

なかには、転倒してエンジンのサイドの部分が削れてしまい、オイル漏れをすることがあります。

オイル漏れの予防

オイル漏れを予防するには、定期的にバイクに乗ることと、メンテナンスをすることが大切です。

放置期間が長くなってしまったり、メンテナンスに出していなかったりすると、ゴムを材料につかうパッキン類が硬くなってしまいます。

また、オイル類は定期的に交換しないと、酸化したり、水分がまじって劣化が早まったりしてしまうので注意が必要です。

また、転倒を避けるような安全運転を心がけて、外的要因を減らすようにしましょう。

コラム:バイクから垂れている液の見分け方

バイクからのオイル漏れを紹介しましたが、バイクから垂れてくるのはオイルだけではありません。

バイクからなにか漏れているときには、何の液体なのかを見分けましょう。

エンジンオイル

エンジンからのオイル漏れは、黒に近い色が多いです。

オイル交換をしたばかりであれば、きつね色のような色になることもあります。

エンジンオイルは粘度があるので、触るとすこしネバっとします。

フロントフォークオイル

フロントフォークからのオイル漏れは、フォークの下やブレーキキャリパー付近に付着します。

フォークに使うオイルはエンジンオイルとは違い、赤色や無色透明なことが多く、サラサラしています。

そして、臭いがすこしきつめです。

水冷エンジンの冷却水漏れ

空冷エンジンはオイルと走行風でエンジンを冷却しますが、水冷エンジンは、専用の冷却水を使ってエンジンを冷却します。

冷却水はラジエーターホースやウォーターポンプ付近から漏れますが、漏れてもすぐに乾きます。

冷却水の色はピンク色や緑色のものが多く、漏れているところがわかりやすいです。

このように、オイルの種類や色を見分けることで、どこから漏れているのかをおおまかに確認することができます。

また、垂れている液体がオイルだけではなく、冷却水である可能性もあるのでよく確認しましょう。

まとめ

オイル漏れは、定期的なメンテナンスを怠ったり放置したりすることで起こりやすいです。

また、メンテナンスのミスや転倒によって漏れてくることもあります。

今回紹介した方法で、オイル漏れの応急処置をしましょう。

そして、その後バイク屋さんでしっかりと点検してもらいましょう。

また、駐輪場の地面をよく観察したり、転倒しないような運転を心がけましょう。