トリシティ155の欠点とメリットが購入前に気になる……
前2輪・後1輪という個性的なスタイルで知られるトリシティ155。
「転びにくそうだから」と、購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
しかし、特徴的な構造を持つバイクだからこそ、購入前には欠点や短所が気になることもあるかもしれません。
そこで今回は、トリシティ155の欠点とメリットについて詳しく解説します。
購入を検討されている方は、ぜひ本記事を参考にして長所と短所の両方を把握し、納得のいく選択につなげてください。
トリシティ155の欠点①:車両重量が重い
ここでは、トリシティ155の重量に関する欠点を紹介します。
トリシティ155は重たい
トリシティ155の車両重量は172kgです。
この数値は、150ccクラスのバイクとしてはかなり重く、250ccクラスと同等の重さとなっています。
そのため、排気量に対して重量が大きいバイクといえるでしょう。
この重さの影響で、バイクを押して歩く際に苦労する場面も少なくありません。
車体サイズも大きい
トリシティ155は前2輪・後1輪という構造のため、全体的に車体サイズが大きくなっています。
特に横幅が広いため、一般的なバイクなら問題なく通れるような道でも狭く感じたり、駐輪スペースの確保に苦労することがあります。
このように、トリシティ155は排気量のわりに重量があり、車体サイズも大きめです。
そのため、小柄な方や力に自信のない方にとっては、取り回しが難しく感じられるかもしれません。
トリシティ155の欠点②:お尻が痛くなりやすい
ここでは、トリシティ155のシートに関する欠点を紹介します。
後輪側が軽くなっている
トリシティ155は前2輪・後1輪の構造のため、後輪側の重量が軽くなっています。
この構造上、乗車時にライダーの体重が後方に集中しやすく、その結果お尻にかかる負担が大きくなります。
実際、使用者の声として「半日乗っただけでお尻が痛くなった」という意見も見られます。
さらに、シート自体が硬めに作られており、長時間の乗車で疲労が蓄積しやすい設計です。
足つきを良くしたモデルでは、シート内部のクッション(あんこ)が抜かれているため、シートがさらに薄く硬くなり、より負担が大きくなります。
サスペンションが硬い
トリシティ155は、サスペンションの設定も硬めです。
そのため、道路の凹凸や段差の衝撃がダイレクトに伝わりやすく、お尻への負担が増します。
一部のユーザーからは「走行距離を重ねるとサスペンションが多少柔らかく感じるようになった」という声もありますが、それでも乗り心地に対して厳しい評価をする方も少なくありません。
このように、シートの硬さや薄さ、加えてサスペンションの硬さが相まって、長時間の乗車ではお尻が痛くなりやすい点は、トリシティ155の明確な欠点の一つです。
トリシティ155の欠点③:取り回しがしづらい
ここでは、トリシティ155の取り回しに関する注意点を解説します。
取り回しには慣れが必要
トリシティ155は、前2輪・後1輪という特殊な構造のため、ハンドルが重く感じられることがあります。
走行中は特に違和感はないものの、停止中や押し引きの際にはその重量が影響し、重さを実感しやすくなります。
さらに、前輪が2つあるため車体前部の幅も広く、取り回し中に自身の足を前輪で踏んでしまうケースもあります。
一般的な2輪バイクに慣れている方であっても、トリシティの取り回しには一定の慣れが必要です。
トリシティは自立しない
3輪バイクというと「倒れにくい」「自立する」というイメージを持つ方も少なくありません。
しかし、トリシティはサイドスタンドによって支えられており、スタンドを立てていない状態では倒れてしまいます。
いわゆる「後2輪・前1輪」のような構造で手放しでも自立するモデルとは異なり、トリシティは普通のバイクと同様に自立しません。
そのため、取り回し時には必ずバイクをしっかりと支える必要があります。
駐輪方法を考える
狭い駐輪スペースでは、あらかじめ動線やスペースをしっかりと確認しておくことが大切です。
トリシティは前輪の幅が広いため、小回りが利きづらく、出し入れに苦労する場面も考えられます。
そのため、前進で駐車すべきか、あるいはバックで駐車した方が取り出しやすいかを事前に検討し、スペースや自身の取り回しのしやすさを考慮して駐輪しましょう。
このように、トリシティ155は車体サイズが大きく、幅も広いため、駐輪場所や取り回し方法について工夫が求められます。
事前に動線や環境を確認し、安全かつスムーズに扱えるように意識しておくことが重要です。
トリシティ155のメリット①:3輪なので安定して走行できる
ここでは、トリシティ155が3輪であることによる安定性のメリットについて解説します。
安定性が高い
トリシティ155は前2輪・後1輪という構造により、高い安定性を誇ります。
前輪が2つあることでハンドリングが安定し、段差を越える際も大きくぐらつくことがありません。
また、歩道の段差などを斜めに乗り上げた場合でも、バランスを崩しにくく、転倒のリスクが軽減されます。
さらに、前方に適度な重量があるため、走行中に横風を受けたときも車体がふらつきにくく、安心感があります。
ふらつきにくく、ブレーキ性能も安定
前2輪の構造により、低速から高速まで安定した走行が可能です。
また、ブレーキ時の姿勢も安定し、制動力をしっかりと発揮できるため、安心して走行できます。
このように、トリシティ155は3輪ならではの安定感により、操作性や走行中の安心感が高く、日常使いにもツーリングにも適したモデルです。
トリシティ155のメリット②:高速道路を走行できる
ここでは、トリシティ155が高速道路を走行できることについて解説します。
高速道路の走行が可能
トリシティ155は排気量が126cc以上あるため、250ccクラスのバイクと同様に高速道路の走行が認められています。
外観は125ccのスクーターに似ていますが、ナンバープレートは白色で区別が可能です。
同クラスにはマジェスティS(155)やPCX160などもありますが、トリシティ155は大型の車体と3輪構造により、高速走行時の安定感がさらに高まっています。
80〜90km/hで安定して走行できる
トリシティ155は、80〜90km/hの速度域で最も安定して走行できます。
この速度帯であれば、高速道路の流れにしっかり乗りながら、無理のない快適な走行が可能です。
最高速度はおおよそ110km/h程度とされており、100km/hを超えるとエンジン出力をフルに使う状態となるため、長時間の高速巡航には向きません。
そのため、無理なく快適に走るには、80〜90km/hの巡航が最適といえるでしょう。
追い越し車線は厳しいときがある
通常の走行車線では安定していますが、追い越し時には瞬間的な加速が求められるため、やや力不足を感じることもあります。
追い越しを行う際は、スピードの伸びを事前に把握し、余裕を持った運転を心がける必要があります。
このように、トリシティ155は高速道路の走行に対応しており、80〜90km/h程度であれば快適かつ安定した走行が可能です。
ただし、最高速付近での走行や追い越しでは余裕が少ないため、速度管理には十分注意しましょう。
トリシティ155のメリット③:唯一無二の個性があるところ
ここでは、トリシティ155の独自性あるデザインと機能について紹介します。
LMW機能
ヤマハが開発した前2輪のシステムは、LMW(リーニング・マルチ・ホイール)と呼ばれています。
これはその名のとおり、バイクのように車体を傾けながら旋回することができる、3輪以上の車両に採用されているシステムです。
LMW機構は非常に高い安定性に定評があり、ブレーキ性能も良好です。
特に前輪側のスリップが抑えられており、安心してブレーキングができます。
さらに、前輪は左右それぞれが段差や路面の凹凸に応じて独立して動くため、滑らかで快適な乗り心地を実現しています。
このシステムは直立時には長方形、傾けた状態では平行四辺形のように機構が可動し、コンパクトながらもスムーズで安定した走りを可能にします。
このようなLMW機構を搭載したモデルは、現時点ではヤマハのみが展開しており、所有することで他とは違う特別感や満足感が得られます。
個性的なデザイン
LMW機能に加え、見た目のデザインもトリシティ155の大きな魅力です。
前2輪の重厚なフロントフェイスに惹かれて購入を決めるユーザーも少なくありません。
また、LEDヘッドライトやサイドブレーキ、広めのシート下収納スペース、照明付きラゲッジなど、日常使いに便利な装備も充実しています。
さらに、メーターはスマートフォンとBluetoothで連携可能で、SNS通知の表示や表示機能の拡張といった先進的な機能も利用できます。
このように、トリシティ155は高い機能性とデザイン性を兼ね備えた、唯一無二の個性を持つバイクです。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回は、ヤマハトリシティ155の欠点とメリットについて解説しました。
トリシティ155は、前2輪・後1輪という個性的な構造を持つバイクで、ヤマハではこの機構を「LMW(リーニング・マルチ・ホイール)」と名づけています。
その特徴的なスタイルから「転びにくそう」と感じて購入を検討する方も多いかもしれません。
しかし、見た目だけでなく、3輪ならではの乗り味や高い安定性、また取り回し時の注意点など、2輪バイクとは異なる点も多くあります。
今回ご紹介したメリット・デメリットの両面を理解した上で、自分の用途や環境に合っているかをしっかりと検討してみてください。
そうすることで、より満足度の高いバイク選びができるでしょう。