バイクで牽引はできる?リヤカーを引いても大丈夫?

バイクで物を引っ張る牽引。

実は条件を満たせば合法的にできると知っていましたか?

そうなると、「バイク同士で牽引ってできるの?」「バイクでリヤカーって引ける?」と気になった方もいらっしゃるかもしれませんね。

そこで今回は、バイクで牽引する条件について調べてみました!

バイクで何かを引っ張って走っていきたい方はぜひ最後まで読んでいってくださいね。

条件①:緊急時にバイク同士を牽引するとき

ここでは、緊急時にバイク同士を牽引する場合や条件について紹介します。

緊急時の牽引は認められている

バイク同士の牽引は緊急時の場合に限り、認められているので違法ではありません。

バイクの故障が頻発していた時代には、路上で動かなくなるケースも多く、牽引による救助が頻繁に行われていました。

最近ではバイクの耐久性が上がっているので、あまり遭遇しませんが、いざというときには牽引できるということを知っておきましょう。

バイク同士の牽引の条件

バイク同士の牽引には条件が必要です。

その条件は4つあります。

・牽引するバイクが故障していること
・牽引するバイクと故障車との間隔を5メートル以内に保つこと
・丈夫なロープなどで確実に繋ぎ、ロープに0.3m平方以上の白い布を付けること
・故障車にはその車両の運転免許を持つ人が乗車し、操作すること

このように、バイク同士の牽引は故障時に限って法的に認められています。

ただし、大型バイクの牽引や長距離にわたる牽引の場合、故障車側はもちろん牽引車側も細心の注意を払った運転が求められます。

条件②:リヤカー・トレーラーを牽引するとき

ここでは、バイクでリヤカー・トレーラーを牽引する場合について紹介します。

バイク後部に金具の取り付けが必要

バイクの後部には、リヤカーやトレーラーを牽引するための専用金具の取り付けが必要です。

一般的な金具ではバイクのバンクに対応できない場合があるため、バイク専用の金具を選択して取り付けましょう。

切れてしまう恐れがあるロープでの接続は安全上の問題があり、整備不良に該当する可能性もあるため使用は禁止されています。

また、都道府県によってはバイクの牽引を条例で禁止している地域もあるので、お住まいの都道府県の条例も確認しておきましょう。

原付50cc以下のバイクでリヤカー・トレーラーを牽引する

原付の50cc以下のバイクでリヤカー・トレーラーを牽引するには条件があります。

原付50cc以下にリヤカーを使うと、リヤカーは軽車両扱いとなります。

大きさも決まっており、長さ4m、幅2m、高さ3mまでとなっています。積載制限もあり、最大積載量は120kgまでです。

原付の灯火類がリヤカーに遮られない構造であることや、最高速度を時速25kmまでに制限するなど、詳細な規定が設けられています。

また、125cc以上のバイクに接続する場合とは異なり、自賠責保険や任意保険は原付のものを適用し、リヤカー用のナンバーも必要ありません。

125cc以上のバイクでリヤカー・トレーラーを牽引する

125cc以上のバイクにリヤカーを接続すると「被牽引車両(トレーラー)」として扱われるため、バイクとは別にナンバー登録が必要になります。

ナンバー登録により、トレーラーにも自賠責保険や任意保険の加入が義務付けられ、自動車税や重量税も課税されます。

また、バイクとは別に、灯火類の取り付けも必須になっています。

トレーラーのサイズと重量にも規定があります。

・長さ:3.4m
・幅:1.48m
・高さ:2m
・最大積載量:350kg

を超えると車検が必要になります。

また、この条件を下回っていても排気量が250ccを超えると車検が必要となります。

なお、バイクとトレーラーの重量によっては、トレーラーにもブレーキの装備が必要になる場合があるので、注意しましょう。

250cc以上のバイクでリヤカーを牽引する場合

250cc以上のバイクで牽引する場合は、軽自動車と同じ黄色ナンバープレートの取得や2年ごとの車検、それに伴う各種税金や任意保険の見直しなどが必要になります。

エンジンのない軽自動車を1台追加するのと同等の維持費がかかるため、費用面での負担が増えることに注意が必要です。

このように、排気量によってリヤカーやトレーラーの牽引について細かい規定があります。

50cc以下ではナンバーが必要なく最高速度25km/hの制限、125cc以上ではナンバー登録や車検が必要となり、それによる税金の発生や新たな保険への加入が必要となるのが大きなポイントです。

また、自治体によっては牽引自体を禁止していたり重量制限を設けていたりする地域もあるため、リヤカーやトレーラーの購入前には十分な確認が必要です。

バイクで牽引するメリット

ここでは、バイクでリヤカーやトレーラーを牽引するメリットを紹介します。

メリット①:積載量が増える

一番のメリットは積載量が増えることです。

バイクはシート下に多少の荷物を積むことはできますが、大きな荷物は積むことができません。

シートバッグやパニアケース、リアボックスといった積載用品もありますが、荷物を積み込み過ぎるとバイク自体が重くなり走行バランスを崩しやすくなるため、多くの荷物を積載するには限界があります。

そこで、リヤカーやトレーラーを牽引することが解決策の一つとなります。

リヤカーの最大積載量は地域によって異なりますが、原付であれば100kg程度まで積載できます。

この積載能力を活用すれば、本格的なキャンプツーリングにも安心して出発できるでしょう。

メリット②:環境にやさしい

バイクでリヤカーを牽引することは、環境保護に貢献できます。

バイクは元々、燃費に優れた乗り物です。

そのバイクにリヤカーやトレーラーを接続することで、排気量や積載量の少ないバイクでもより多くの荷物を運搬できるため、環境に配慮した移動手段を実現できます。

また、リヤカーにはエンジンが搭載されていないため、ガソリン代を節約しながらコストを抑えてツーリングが可能です。

車両購入費用も不要なため、経済的なメリットも大きいといえるでしょう。

狭い道に入っていける

キャンプ場や農道など、入口が狭い場所では車での進入が困難な場合があります。

そのような狭い道でも、バイクでリヤカーを牽引することで余裕を持って進入できます。

機動性の高いバイクに積載量を増加させるリヤカーを組み合わせることで、非常に便利な移動手段となるのです。

このように、リヤカーやトレーラーには積載量が増えるという最大のメリットがあります。

そして、エンジンが搭載されていないため経済的に荷物を運搬できます。

さらに、積載量が大幅に増加しながらもコンパクトなバイクベースのため、あらゆる道路に進入可能な非常に便利な活用法と言えるでしょう。

バイクで牽引するときの注意点

ここでは、バイクで牽引するときの注意点を紹介します。

注意点①:牽引するときの法律を確認する

バイクでリヤカーやトレーラーを牽引するときには法律を確認するようにしましょう。

前述した牽引の条件でも触れましたが、原付50cc以下で牽引をするときには最高速度が時速25km/hまでという制限があります。

25km/hと言えばかなり低速な印象がありますが、バイク自体の軽量性と積載荷物の重量を考慮すると、これ以上の速度では事故につながる危険性があるため厳守しましょう。

また、125cc以上のバイクで牽引する場合は灯火類の追加、税金の発生、保険契約が必要となり、250cc以上では車検も追加されるため、定められた手続きは確実に完了させておきましょう。

注意点②:交通量が多いところの走行は避ける

バイクでの牽引は便利ですが、前述の通り原付の最高速度は時速25kmと非常に低速です。

これは地方や交通量が少ない場所での荷物の運搬を想定しています。

そのため、原付で交通量が多い国道や町のメインとなる道路を走行すると周囲の交通に迷惑を掛けたり、事故などに遭遇したりする可能性が高くなります。

また、原付の場合はリヤカーには、ナンバープレートや灯火類の装着が不要ですが、後続車からの視認性が悪くなるため、反射板やテールランプ、ブレーキランプを取り付けた方がいいでしょう。

速度制限のない125cc以上のバイクで牽引する場合も、通常よりも走行バランスを崩しやすいため、可能な限り交通量の少ない道路を選択することを推奨します。

注意点③:専用の金具を取り付ける

バイクとリヤカー・トレーラーの接続には専用の金具を使いましょう。

故障車の牽引時は緊急事態のためロープでの接続となりますが、リヤカーやトレーラーを牽引して移動する場合は異なります。

ロープや不適切な金具で接続すると、走行中の衝撃や段差、加減速によって牽引の接続が外れる危険性があります。

安全な走行のため、メーカーが販売する確実性の高い専用金具を取り付けて牽引を行いましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はバイクでの牽引とリヤカー牽引時の注意点について紹介しました。

バイクで牽引をする場面は見ることがないかもしれませんが、故障したバイクを引っ張っていくときや、リヤカー、トレーラーを牽引するときには牽引することができます。

条件を揃えればバイクで牽引ができるようになると積載量が増えるので走行するエリアが広がって便利ですが、排気量毎に細かい規定があります。

今回紹介したバイクで牽引するときの条件や注意点を理解して、自分のバイクの積載量を増やすために便利なリヤカー、トレーラーを検討してみてはいかがでしょうか。