ブレーキフルードっていつ交換すればいいの?
バイクのブレーキにおいて大事なフルード液。
皆さんは定期的に交換していますか?
長く乗っているとついつい、「フルード液って、いつ交換すればいいんだっけ……?」と思うこともあると思います。
そこで今回は、フルード液をいつ交換すればいいかと、交換方法について解説します!
愛車のメンテナンスをしっかり行って、バイクの寿命を延ばしましょう!
目次
バイクのブレーキフルードの交換時期
ここでは、バイクのブレーキフルードの交換時期について紹介します。
ブレーキフルードの役割
ブレーキフルードは、ブレーキレバーを握ったりペダルを踏んだりした際に内部で圧力を伝達し、ブレーキパッドをブレーキディスクに押し付けて制動力を発生させる重要な役割を担っています。
バイクの安全走行には欠かせない重要なパーツです。
ブレーキフルードは劣化する
ブレーキフルードはブレーキオイルとも呼ばれ、エンジンオイルと同様に使用とともに汚れや酸化により劣化していきます。
さらに、ブレーキフルードには吸湿性があるため、大気中の水分を吸収して劣化が進行します。
水分が増えるとブレーキの熱で沸騰してしまい、ブレーキ内に気泡が発生して、ブレーキレバーを握っても効かないという現象(べーパーロック現象)が起きる可能性があるため、定期的なメンテナンスは欠かせません。
ブレーキフルードの交換時期は2年に1度または走行距離1万km
このように劣化していくブレーキフルードの交換時期は2年に1度、または1万㎞を目安として交換するのが適切です。
2年に1度というのは、車検のサイクルに合わせた交換頻度です。
車検のある251cc以上のバイクは、バイク屋さんに定期的な交換をオススメされることが多いですが、車検のない250cc以下のバイクは定期点検に出さない限り、交換時期を指摘される機会がないため、交換が必要であることに気付くのが難しいです。
排気量が少ないバイクはブレーキフルードの交換時期は2年に1度の交換というのをしっかりと覚えておきましょう。
また、走行距離が多いライダーは2年を待たずに1万kmを目安に交換することをオススメします。
このように、ブレーキフルードはブレーキに使う重要なオイルのことで、定期的に交換しないと命にかかわる事態を招く可能性があります。
交換時期は2年に1度、または走行距離1万㎞で交換するということをこの機会に覚えておきましょう。
バイクのブレーキフルードの交換方法
ここでは、バイクのブレーキフルードの交換方法を紹介します。
フルードを準備する
まずは、交換に必要なものを準備しましょう。
ブレーキフルードには各メーカーの純正品があるため、それを準備することをオススメします。
容量が少ないものもありますが、余裕をもって最大サイズの0.5Lのものを準備すると、フルードが足りなくなるということはありません。
種類は後述しますが、特にこだわりがなければホンダ車にはホンダ純正、ヤマハ車にはヤマハ純正の製品を使用することを推奨します。
工具を準備する
キャリパーの上の部分にはフルードを抜くために緩めるブリーダーボルトがあります。
そこを緩めるためにメガネレンチを用意しましょう。
多くのバイクでサイズは8mmまたは10mmに統一されているため、8mmと10mmのコンビネーションレンチがオススメです。
また、ブレーキフルードを抜き取るためのホースとペットボトルも用意しましょう。
ホースは透明なホースでブレーキフルードの様子を見れるようなものを選びます。
ペットボトルはキャップに穴を開けてホースを通しておきましょう。
ブレーキフルードの交換方法①:ブレーキタンクの周囲を養生をする
ブレーキフルードは塗装剥離剤のように塗装を溶かしてしまいます。
ブレーキフルードタンク周辺や燃料タンク、メーターなどの重要部品を保護するため、新聞紙やウエスで周辺を養生しましょう。
また、キャリパー周辺も養生しておくことで、ホースが外れた際にホイールへの飛散を防ぐことができます。
ブレーキフルードの交換方法②:タンクのフルードを抜き取る
まず、タンク内の古いブレーキフルードを抜き取りましょう。
抜き取り方法は複数ありますが、ウエスやティッシュなどの布に染みこませる方法であれば、機械を使わずに簡単にフルードを抜き取ることができます。
タンク内のフルードを抜いた状態でブレーキレバーを握ると、ブレーキシステムの中にエアが混入し、後々大変なことになるので絶対に握らないようにしましょう。
ブレーキフルードの交換方法③:新しいフルードを入れる
古いフルードを抜いたら、新しいブレーキフルードを入れていきます。
フルードは上まで入れすぎると溢れてしまうこともあるのでFULLのラインまでにしておきましょう。
フルードが不足したらエアが混入してしまうので、これから先はフルードの量を常にチェックしておくのが重要です。
ブレーキフルードの交換方法④:レバーを握ってブリーダーボルトを緩める
ブレーキレバーを握って交換作業を進めます。ブレーキレバーを数回握ったら握ったままにしておきます。
その状態でブレーキキャリパーのブリーダーボルトを緩めると、古く汚れたブレーキフルードが出てきます。
それを確認したらブリーダーボルトを締めます。
この一連の動作を、キャリパーから排出されるブレーキフルードの色がきれいになるまで繰り返します。
作業中はタンク内のフルード量が減少するため、エア混入を防ぐために絶対に切らさないよう継続的に補充しましょう。
ブレーキフルードの交換方法⑤終了後はタンクのフタを洗ってから締める
フルード交換が終わったらブリーダーボルトを締めましょう。
そして、タンクのフルードの量を確かめてからフタを締めていきます。
フタに古いオイルがついているので水洗いをしましょう。
そのとき、ゴムの部品(ダイヤフラム)に破れや変形がないか確認し、異常があれば交換しましょう。
全ての作業が完了したら、キャリパー付近やタンク付近を軽く水で流し、フルードを洗い流していきましょう。
このような手順でブレーキフルードの交換が可能です。
ただし、ブレーキフルードの交換は生命に関わる重要な保安部品のメンテナンスです。
作業に不安がある場合や必要な工具が揃わない場合は、無理に自分で行わず、必ずバイク屋さんに作業を依頼するようにしましょう。
フルード液はどれを選べばいい?違いはある?
ここでは、ブレーキフルードの選び方を紹介します。
フルードには種類がある
ブレーキフルードにはDOT規格による種類分けがあります。国産車では純正でDOT3やDOT4の規格のフルードが一般的です。
DOT3は90年代のバイクに多い指定オイルになっています。DOT4は90年代後半から現在までのバイクに採用されています。
ブレーキフルードの種類はフルードタンクのフタにDOT3やDOT4のどちらかが日本語と英語で表示されているので、種類が分からないときにはフタを観察してみましょう。
古いハーレーになるとDOT5が指定されていることがあります。
DOT5はDOT3や4のグリコールエーテル系のものとは違い、シリコン系のブレーキフルードです。
DOT5指定のものに3や4のフルードを入れるとブレーキの内部にあるオイルシールなどが傷んでしまい、ブレーキが効かなくなる危険性があるため、絶対に間違えないよう注意しましょう。
DOT3~5.1の数字は沸点の違い
DOT5とDOT5.1は名称が似ていますが、全く異なるフルードです。
DOT5はシリコン系ですが、DOT5.1はDOT3や4と同じグリコールエーテル系のため、国産バイクにも使用可能です。
DOT3からDOT5.1まで、数字が上がるにつれて沸点が高くなり、より高性能なフルードとなります。
サーキット走行やスポーツ走行を頻繁に行うライダーは、数字の高い高性能フルードを選択するのが一般的です。
フルード液を交換しないとどうなる?ブレーキが効かなくなる!?
ブレーキフルードは吸湿性があるため、湿気を吸って水分を含んでしまいます。
水分を含んでしまうとフルードの沸点が下がり、ブレーキを使うと気泡が発生します。
気泡が発生すると油圧を伝えることができなくなるのでブレーキが効かなくなります。
また、長年交換を怠っていると、タンクのフタを開けたときにフルードが液体ではなく、固まっていることもあります。
この状態になると、ブレーキフルードの交換だけでなく、内部シール類の交換を含む大規模な修理が必要となります。
このようなブレーキ不具合や不要な大掛かりの修理を防ぐため、手遅れになる前に2年に1度、または走行距離1万kmでの交換を実施しましょう。
中古車や交換履歴が不明な場合は、フルードの色を確認してください。
新品時の黄色から茶色、黒色へと変色が進行するため、変色具合を見て交換時期を判断しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はバイクのブレーキフルードの交換時期や交換方法について紹介しました。
バイクのブレーキは、スピードを出したあとに確実に止まるためには欠かせない安全装置です。
ブレーキフルードはエンジンオイルと同じように定期的に交換が必要ですが、長く乗っていると交換時期が分からなくなることがあります。
今回解説したブレーキフルードの交換時期や交換方法、そして交換を怠った場合のブレーキ状態への影響を理解し、愛車のブレーキフルードを適切に交換して安全で良好な状態を維持しましょう。