125ccバイクでの二人乗りは、正しい知識と準備があれば、安全に楽しむことができます。
しかし、二人乗りには法的な条件や装備面の制限があり、知らずに乗ると重大な事故を招くリスクがあります。
二人乗りでは、車体のバランスや制動距離、操作性といった要素が一人乗りの時とは全く違うため、より慎重な対応が求められます。
今回の記事では、125ccバイクで二人乗りが許可される条件や注意すべき危険性、安全のためのポイント、そしておすすめの車種まで、わかりやすく解説していきます。
目次
125ccバイクで二人乗りしてもいい?
125ccクラスのバイクは扱いやすく、街乗りからちょっとしたツーリングまでこなせることから、幅広い層のライダーに支持されています。
維持費が安く、取り回しもしやすいため、二人乗りを楽しみたいと考える人からの注目が集まっています。
しかし、125ccだからといって、すべての車両で二人乗りができるわけではありません。
二人乗りが認められているかどうかは、車両の種類や構造、装備、そして免許条件によって決まります。
こういった条件を満たしていない場合、二人乗りは法律違反となる可能性があります。
基本的には二人乗りは可能
原則として、51〜125ccの原付二種(小型自動二輪)以上であれば二人乗りができます。
しかし、同じ125ccでも、新基準モデルなど一部の車両は「原付一種」として扱われ、二人乗りが禁止されているケースがあります。
また、タンデムステップやグラブバー、適切なシート形状など、二人乗りに必要な装備が車両に備わっていることも重要な条件になっています。
運転免許の取得年数に注意
二人乗りで運転する人は普通二輪免許(小型限定含む)または大型二輪免許を取得して1年以上経過している必要があります。
条件を満たさずに二人乗りをすると、反則金や違反点数の対象となるため、乗る前に必ず確認しましょう。
二人乗りの制限とは?
125ccバイクで二人乗りをするには、交通法規上いくつかの条件を満たす必要があります。
乗車定員2名の明記が必須
前提として、乗車定員が2名と定められている車両でなければ二人乗りはできません。
カタログや車体に「乗車定員:2名」と記載されているかを確認しましょう。
定員1名の車両で後ろに人を乗せると、定員外乗車として道路交通法違反になります。
二人乗りに必要な装備の有無
次に、二人乗りに必要な装備が整っていることが重要です。
後部の人が足を置けるタンデムステップ、体を支えるためのグラブバー(またはタンデムベルト)、そして十分な広さのタンデムシートが揃っていることが条件となります。
この装備がない状態で二人乗りをすると、後ろに乗る人が姿勢を保てず、危険です。
免許取得後の二人乗りの制限
運転者は、普通二輪免許(小型限定含む)または大型二輪免許を取得してから、1年以上経過していなければなりません。
免許取得直後は運転経験が浅く、車体バランスの変化に対応しづらいため、法律で経験期間が定められています。
二人乗りでは荷重が増えることで、発進、停止、旋回の操作がいつもより重くなります。ブレーキの制動距離は伸び、加速も鈍くなります。
さらに、後部に乗る人の体の動きが車体に影響し、バランスを崩しやすくなります。
そのため、普段よりも速度を抑え、余裕を持った丁寧な操作が必要です。
125cc以下の車両は高速道路の走行は不可
125cc以下の車両は高速道路を走行できません。
二人乗りで高速道路を使うことはできないため、ルート選びにも注意が必要です。
二人乗りの危険性とは?
125ccバイクでの二人乗りは、移動やツーリングの楽しみを大きく広げてくれる反面、一人乗りとは比べものにならないほどリスクが高まります。
特に、操作性や車体バランスの変化は、初心者ほど見落としやすく、危険につながりやすいポイントです。
二人乗りで運転が難しくなる
二人乗りをすると、車重が増えるため車体の動きも重くなり、思った通りに曲がれなかったり、停車に時間がかかったりするようになります。
荷重が後方に移るため、フロントブレーキの効きが弱まり、制動距離が長くなる点には特に注意が必要です。
また、後ろに乗る人が体を動かしたり姿勢を崩したりすると、車体の安定性が大きく乱れ、転倒のリスクが高まります。
実際に起きた事故の例
実際の事故として、タンデムシートから後ろに乗る人が落下し、ライダーが制御を失って転倒した例や、急ブレーキ時に体が前方へ投げ出され頭部を強打した事故が報告されています。
さらに、二人分の体重の影響で、横風や路面の段差に対してバイクが大きく振られるケースもあります。
事故を防ぐ対策
こうした事故を防ぐには、走行前のコミュニケーションが欠かせません。
体を預けるタイミング、カーブや停止の前の合図を二人の間で確認しておくことが大切です。
後ろに乗る人には、姿勢を崩したり大きく体を揺らしたりしないよう、事前に伝えておきましょう。
速度を抑え、余裕を持った走行ラインを意識することが安全確保の鍵です。
二人で走る時間を楽しむためにも、慎重に始めることが何より重要です。
125ccバイクと原付【2種】の2人乗りの比較
125ccクラスのバイクと原付(1種、2種)は、法律上の扱いや走行性能に明確な違いがあり、二人乗りを検討する際にはその区分を正しく理解しておく必要があります。
特に、同じ排気量帯でも原付一種は二人乗り禁止である点は重要なポイントです。
原付2種
原付2種(51〜125cc)は、小型自動二輪(AT/MT)として登録され、法律上二人乗りが可能です。
ただし、タンデムステップやグラブバーなど、二人乗りに必要な装備が正規に備わっていることが前提となります。
一方、原付一種(〜50cc)は二人乗りが禁止されており、二人乗りをした場合は、道路交通法違反となります。
走行性能
走行性能の面でも大きな差があります。
125ccはトルクに余裕があるため、二人乗り時でも発進や加速に比較的安定感があります。
ブレーキ性能も高く、登り坂や長距離ツーリングに対応しやすいのが特徴です。
それに対して、50ccの原付は二人乗りを想定した設計ではないため、車体が大きく不安定になり、制動距離も伸びるため非常に危険です。
快適性
快適性にも違いがあります。
125ccクラスの多くはシート幅が広くクッション性に優れており、後ろに乗る人も安定した姿勢を保ちやすく、乗り心地に差が出ます。
原付一種は短距離や近距離の生活圏での使用を前提としているため、シートが狭く、長距離や二人乗りには向いていません。
二人乗りを安全に楽しむなら、125ccクラス以上のバイクを選び、装備条件を確認した上で適切な操作を行うことが必須となります。
二人乗りにおすすめの車種とは?
125ccバイクの中には、二人乗りに適した設計や装備を備えたモデルがいくつかあります。
ここでは、二人乗りでも快適かつ安全に走れるおすすめの車種を紹介します。
ホンダ PCX125
おすすめポイント
PCXは、快適なシート形状により、ライダーはもちろん後ろに乗る人も安定しやすいのが特徴です。
燃費性能と静粛性に優れ、街乗りからショートツーリングまでこなすことができます。
シート下の収納スペースが広く、利便性にも優れています。
ただし、フルフェイスの大きなヘルメットは入らない場合もあるため注意が必要です。
弱点
PCXは乗り心地や性能に上質さがありますが、エンジンのパワーはやや控えめで、坂道や峠道ではパワー不足を感じることがあります。
- バイク:ホンダ PCX
- 価格:税込379,500円(2025年式)
- 公式ホームページ:サイトはこちら
ヤマハ NMAX
おすすめポイント
ヤマハのNMAXは、ABSとディスクブレーキにより安定した制動力を発揮します。
エンジンにも余裕があり、坂道走行や二人乗りでも加速が安定しています。
足回りがしっかりしているため、速度が乗っていても安定感があります。
弱点
足回りやエンジンがしっかりしている分、車体が重く、取り回しが苦手な人には扱いにくく感じる場合があります。
- バイク:ヤマハ NMAX
- 価格:税込389,400円
- 公式ホームページ:サイトはこちら
スズキ GSX-S125
おすすめポイント
スズキのGSX-S125はギヤ付きの125ccで、車体サイズは250ccバイクと同程度の大きさがあります。
この大きさとエンジンのパワーにより、安定した走行が可能です。
スポーティで直進安定性が高く、中高速域での巡航に強いモデルだと言えるでしょう。
パワーがあって巡航速度が速いにもかかわらず低燃費なので、経済的なのも嬉しいポイントです。
弱点
荷物の積載性はスクーターと比べるとほぼ皆無で、シート下のスペースには純正工具と書類が入る程度の容量しかありません。
ツーリング時にはツーリングバッグが必須です。
- バイク:スズキ GSX-S125
- 価格:税込420,200円(生産終了)
- 公式ホームページ:サイトはこちら
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は125ccのバイクでの二人乗りについて紹介しました。
125ccの二人乗りは楽しい一方で、車体が重くなったり、後ろに乗る人との姿勢が合わず制御が難しくなったりする場面もあります。
法律で定められた条件(装備、免許取得1年以上)を守り、乗る人同士で合図や姿勢を共有することが、安全への重要なポイントです。
今回の記事を参考に、余裕のある速度と確実な操作で、125ccバイクでのタンデムツーリングを安心して楽しみましょう。
















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