「何km走ったら交換?」
「まだ使える?」
バイクのチェーンは走るたびに摩耗していく消耗品のため、こう悩む人は少なくありません。
チェーン交換の時期は、走行距離だけでなく、たるみやサビ、固着といった状態を確認して判断することが大切です。
今回は、交換のサインからチェーンサイズの選び方、費用、DIYで交換する場合の工具や手順まで解説します。
【結論】バイクのチェーン交換時期は「距離」ではなく「状態」で判断する
チェーンの交換時期を走行距離だけで判断するのはおすすめできません。
同じ距離を走っていても、雨天走行の多さや保管環境、メンテナンスの頻度、走り方などによってチェーンの消耗具合は変わるからです。
交換を検討したい5つのサイン
チェーンに次のような症状が見られたら、交換を検討すべきサインです。
①アジャスターの調整範囲が限界に近い、またはチェーンの伸び・たるみが大きい
②チェーンの一部が固まってスムーズに動かない
③シール部分のゴムが切れたり、外れたりしている
④サビがひどい、または部分的に伸びている
⑤走行中に異音や振動が気になる
特に一部分だけ極端にたるんでいたり、動きが悪くなっていたりする場合は要注意です。
走行距離はあくまで目安
チェーンの寿命について、シールチェーンなら1万5,000〜2万km前後、ノンシールチェーンなら5,000km前後という走行距離による目安が紹介されることがあります。
ただし、これはあくまで目安です。
車種や使用環境、メンテナンス状況によって寿命は大きく変わります。
そのため、「まだ1万kmしか走っていないから大丈夫」とは限りません。
逆に、走行距離が多くても状態が良ければ、すぐに交換が必要とは限りません。
走行距離が短くても油断は禁物
走行距離だけでなく、使用年数にも目を向けましょう。
長期間使っているチェーンは、たとえ走行距離が少なくても、シール部分や内部のグリスが年数の経過とともに劣化していく恐れがあります。
屋外保管や雨天走行が多い場合は、サビによる劣化にも注意が必要です。
チェーンを放置するとどうなる?
劣化したチェーンをそのまま使い続けると、最悪の場合、走行中にチェーンが切れたり外れたりする可能性があります。
さらに、外れたチェーンが車体に当たれば、クランクケースなどを傷めてしまう恐れもあります。
チェーンは単なる消耗品ではなく、エンジンの動力を後輪へ伝える重要な部品です。
異常を感じたら、先延ばしにしないことが大切です。
交換の前に確認!チェーンサイズ・リンク数の見方と選び方
チェーン交換で意外と多いのが、「いざ取り付けようとしたら、サイズが合わなかった」という失敗です。
見た目がそっくりでも、サイズやリンク数が違えば取り付けはできません。
購入前には、自分のバイクに合うサイズとリンク数を確認しておく必要があります。
「520」「525」「530」などの数字は何を表している?
チェーンに書かれた「520」「525」「530」という数字は、ピッチやプレート間の幅を示すサイズ規格です。
注意したいのが、排気量を見ただけでサイズを判断してしまうことです。
同じ排気量のバイクでも、車種によって適合サイズは変わるため、メーカーが公表している適合情報を確認しましょう。
自分のバイクのチェーンサイズを確認する方法
チェーンの外プレートには、メーカー名やサイズが刻印されている場合があります。
ただしこれを鵜呑みにするのは危険です。
中古車や、過去にチェーンを交換した車両では、純正とは異なるサイズが取り付けられているケースがあるからです。
刻印だけで判断せず、バイクメーカーやチェーンメーカーの適合表と照らし合わせると安心です。
リンク数(L数)の数え方と注文時の注意
チェーンには「110L」「120L」のようにリンク数が設定されています。
その数字が大きいほど、チェーンは長くなります。
商品によっては純正指定より長めの状態で販売されており、車両に合わせてカットして使用します。
ただし、すべての商品を自由にカットできるわけではないため、購入前にチェーンの仕様と適合車種を確認しましょう。
中古車は特に「今ついているチェーン」を確認
中古車は、前のオーナーがチェーンやスプロケットを交換している場合があります。
そのため、車種名だけで適合商品を注文するのではなく、現在装着されているチェーンのサイズやスプロケットの状態も確認しておくと安心です。
シールチェーンとノンシールチェーンの違い
バイク用チェーンには、シールチェーンとノンシールチェーンがあります。
シールチェーンは内部のグリスを保持するシールが組み込まれており、耐久性に優れているのが特徴です。
一方、ノンシールチェーンは構造がシンプルで安価ですが、その分メンテナンスや交換の頻度が増えやすい傾向があります。
「520コンバート」などのサイズ変更は慎重に
軽量化を狙って、純正とは違うサイズへ変更する「コンバート」という手法もあります。
ただし、サイズを小さくしたからといって性能が上がるとは限りません。
耐久性や負荷への余裕を削ることにもなりかねないため、公道を走るバイクなら、メーカー指定の純正サイズを選んでおくのが無難です。
サイズ、リンク数、チェーンの種類の3つが自分のバイクに合っているかどうかを、購入前にしっかり確認しておきましょう。
チェーン交換の費用相場|DIYとショップ依頼はどっちが得?
チェーン本体の代金に加えて、ショップに頼めば交換工賃が、自分で作業すれば専用工具の費用がかかってきます。
どちらが費用が安く済むかは一概には言えず、交換の頻度や工具の有無などによって答えは変わります。
ショップに依頼する場合
ショップで交換する場合は、チェーン本体の価格+交換工賃が基本です。
ただし、費用は排気量やチェーンのグレードによって変わります。
スプロケットの同時交換やカウルの脱着が加われば、その分の追加費用が発生する場合もあります。
正確な金額を知りたい場合は、依頼するショップで見積もりを取りましょう。
DIYなら専用工具が必要
自分で交換する場合は、チェーン本体に加えてチェーンカッターやカシメ工具などを用意する必要があります。
すでに工具を持っている場合や、今後も自分で整備する予定があるなら、DIYのメリットは大きいです。
一度限りのために工具を揃えるなら、ショップに任せた方が安く済むケースもあります。
DIYとショップ、どちらを選ぶ?
判断材料として、次の3点を考えてみましょう。
①今後も自分でチェーン交換をするか
②工具を他のバイクにも使えるか
③安全確認やトルク管理まで含めて確実に作業できるか
費用だけでなく、自分の整備経験や今後の使用予定まで踏まえて検討しましょう。
パーツ持ち込みは事前確認を
ネット通販で購入したチェーンをショップへ持ち込み、交換だけ依頼する方法もあります。
ただし、持ち込み作業を受け付けていなかったり、通常より工賃が高く設定されていたりするショップもあります。
チェーンを購入する前に、持ち込み交換の可否と工賃を確認しておきましょう。
チェーンとスプロケットは同時交換がおすすめ
チェーンだけを新品にしても、スプロケットが摩耗したままでは、その負担がそのまま新しいチェーンに跳ね返ってきます。
フロントとリアのスプロケットにも摩耗が見られるなら、チェーンとまとめて交換するのが得策です。
部品同士を新しい状態で揃えられる上に、後からスプロケットだけを交換する手間や追加工賃も防げます。
【DIY】カシメ式チェーン交換のやり方|必要工具と手順
古いチェーンを外し、新しいチェーンを取り付けてカシメるというのがカシメ式チェーン交換の一連の流れです。
工賃を抑えられるというメリットがある一方、取り付け不良は走行中のトラブルにつながるため、不安がある場合はショップへ依頼しましょう。
チェーン交換に必要な工具
必要なのは、チェーンカッター・カシメ工具、ディスクグラインダー、メガネレンチなどの基本工具、ノギスなどです。
工具は対応するチェーンサイズを確認してから用意しましょう。
手順①古いチェーンをカットする
古いチェーンのカシメ部分をディスクグラインダーで削り、チェーンカッターでピンを押し出して切断します。
グラインダーを使う際は、火花や削りカスが周囲の可燃物に触れないよう注意が必要です。
手順②新しいチェーンを通す
古いチェーンを外す前に、タイラップや紐で新旧のチェーンをつないでおくと、新しいチェーンをスプロケットへ通しやすくなります。
手順③ジョイントを取り付けてカシメる
新しいチェーンを車両に合わせた適正なリンク数に調整し、シールやグリスを説明書どおりにセットしてジョイントを取り付けます。
プレートを圧入してカシメたら、ノギスで状態を確認し、メーカー指定の基準と照らし合わせましょう。
手順④張りを調整して最終確認する
取り付け後はチェーンの張りを調整します。
たるみの規定値は車種によって異なるため、サービスマニュアルなどで確認してください。
最後に、各部の締め付けやチェーンの動きを確認してから走行します。
DIYで注意したいポイント
カシメ不足やカシメ過ぎ、シールの取り付けミス、ジョイント部品のセット忘れなどには注意が必要です。
クリップ式であっても、取り付け方向や適合車種はメーカーの説明書で確認しておきましょう。
特に大排気量・高出力車への自己判断での流用は避けてください。
作業に少しでも不安が残るなら、無理をせずショップへ依頼するのが得策です。
まとめ|チェーンは「状態で判断・早めに交換」が結局いちばん安い
いかがだったでしょうか。今回はチェーンの交換について詳しく紹介しました。
バイクのチェーン交換は、走行距離だけでなく、たるみやサビ、固着などの状態を確認して判断するのが大切です。
交換時は、サイズやリンク数、シールやノンシールといった違いを確認し、自分のバイクに適合するチェーンを選びましょう。
DIYなら工賃を抑えられますが、専用工具や確実な作業が必要です。
不安がある場合はショップに依頼しましょう。
この記事が、愛車のチェーンを交換する際の参考になれば幸いです。

















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