都市部では公共交通機関で不自由なく生活できるため、普通自動車免許のペーパードライバーは増えています。教習所のペーパードライバー講習は人気があるといいますね。ではバイクはどうでしょうか?二輪免許取得後バイクを所有することも、レンタルすることもなく、気が付けば教習所以来バイクに乗っていない、このような「ペーパードライバー(ライダー)」は、決して珍しくありません。
せっかくの二輪免許、ただの身分証にするのはもったいなくありませんか?そこで今回はバイクペーペードライバー必見のペーパードライバー講習についてくわしくご紹介します。
目次
集まれバイクペーパードライバー
二輪免許を取得したら中古でもいいからバイクを購入して近場でもいいから週末にはツーリングしたい、なんて教習所に通いながらバイクライフを想像していたライダーも二輪免許取得後、意外とバイクの車両価格が高額なこともあり夢を諦めてしまう方もいます。
また、免許取得したばかりでライディングに慣れていないせいでレンタルバイクを借りるに借りられなかったりなどなど。様々な理由からバイクに乗らないまま数年が過ぎ去っているライダーもたくさんいます。
また、バイクを手放してしまったものの、またバイクに乗りたいというリターンライダーもいるのではないでしょうか。バイクに乗りたいけれど、バイクの感覚を思い出せるか不安に違いありません。
そこで、ここではバイクペーパードライバー・リターンライダーに向けた基本情報を以下にまとめました。まずは、当たり前の基本を思い出しましょう。
バイクに乗るための基本
教習所で何度も何度も教官にいわれた「知っていて当たり前」の基本中の基本。それが一番大切です。基本的なバイクの知識や基本的な操作方法をバイクに乗る前におさらいして記憶と感覚を取り戻しましょう。
1.まずはじめに安全運転者を目指しましょう
この記事をご覧いただいている皆さんは、ペーパードライバーということから慎重に慎重に安全運転を心がけるはず。バイクの運転に慣れてきてからも無理をせず、無茶をせず、安全運転でバイクに乗りましょう。
ペーパードライバーでもベテランでもない、慣れはじめの頃はバイクの運転が楽しくて楽しくてしかたがないのと同時に運転に対する抵抗がなくなり、スピードを出してしまいがちのため事故を起こしやすいので要注意です。
2.服装について
教習所で服装についてレクチャーされたり、教官から駄目出しをされたりした経験はありませんか?普通自動車免許の教習に行くような感覚の普段着ではバイクの運転時には危険が伴うこともあるのです。バイクを運転するときにおすすめの服装や素材について確認しておきましょう。
動きやすいこと
教習所内のコースだったとしても、近所のスーパーまでの街乗りだったとしても、動きやすい服装でなければいけません。ストレッチ性のない窮屈な服装だと疲れやすいだけでなく、思うようにひじやひざの関節が動かせなかったり、股関節の動きが制限されたりするなどバイクの運転にも影響します。
身体の露出がないこと
特に二輪免許を取得したばかりの初心者ライダーやペーパードライバーのライダーは転倒する危険性が伴います。真夏だからといって肌を露出した服装をしているとちょっと転倒しただけでも肌が広範囲にわたってすりむけてしまうなんてこともあります。
またバイクは風を切りながら走るので体温を奪われないようにするためにも、露出を控えるようにしましょう。
他者から目につきやすいこと
頭からつま先までオールブラックではトラックの運転手や乗用車の運転手の目につきにくく、事故に巻き込まれる可能性が高くなります。蛍光色とまではいいませんが目立ちやすい色合いのヘルメットやトップスを選ぶのがおすすめです。
また、夜間は反射材を使用したトップスや反射ベストを着用するようにしましょう。
3.ヘルメットについて
道路交通法で義務付けられているヘルメットの着用。バイクのヘルメットには顔全体を覆う「フルフェイスヘルメット」、後頭部から側頭部までを覆う「ジェットヘルメット」、オフロード向けの「オフロードヘルメット」、道路交通上では制限が設けられている「ハーフキャップヘルメット」などがあります。
安全性が高いのは「フルフェイスヘルメット」です。「ジェットヘルメット」では事故時に頬や顎などを損傷しやすいことを覚えておきましょう。なお、「ハーフキャップヘルメット」は125cc以下に限定されていることが多いです。
ここからはヘルメットを選ぶ際のポイントや、装着時の注意点について紹介します。
PS(C)マーク・JISマークのついたものを選ぶ
日本国内で販売されているヘルメットには消費生活用製品安全法の技術基準に適合していることを示すPS(C)マークがついています。その他、日本工業規格の安全規格をクリアしていることを示すJISマークがついているヘルメットもあります。
特にネットショッピングでは海外の安価な粗悪品も多く流通しているのでPS(C)マークやJISマークがついているものを選ぶと安心です。
頭のサイズにあったもののを選ぶ
ヘルメットは窮屈ですが、だからといって頭部に隙間のできるようなオーバーサイズはおすすめできません。ヘルメットは事故時に頭部を保護するために装着するもの。オーバーサイズのヘルメットでは、事故の衝撃で脱げてしまい、後頭部をコンクリートやガードレールに打ちつけることにもなりかねないのです。
もちろん、ヘルメットをしていない後頭部を強打すれば、最悪死にいたることもあります。ヘルメットは二輪用品店で試着してジャストサイズのものを選ぶようにしましょう。
顎ひもを正しくしめる
ヘルメット着用時の注意点としてきちんと顎ひもをしめることがあげられます。顎ひもは喉の位置ではしめないこと、隙間のできないようにしめることが大切です。もし、ヘルメットの顎ひもがたるんでいたとしたら事故の衝撃でヘルメットが脱げてしまう可能性があります。
ヘルメットを装着しているから安全だと過信せず、装着する都度きちんと顎ひもをしめられているか、意識するようにしましょう。
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4.MT車の機能について
バイクのMT車とAT車では、ギアチェンジするかどうか、クラッチ操作があるかどうかの違いがあります。AT車では乗ることができる車種が相当限られるので二輪免許ではMT車を選択する割合が高いともいわれています。
左手と左足でクラッチとギアチェンジをするのはMT車の醍醐味ではありますが複雑な操作であるため、バイクの運転にブランクがあるとクラッチ操作やギアチェンジがちゃんとできるかどうかとても不安になるかと思います。
ここでは初歩的な内容ではありますがMT車の機能についておさらいしていきます。
MT車の基本的な機能
クラッチを操作するクラッチレバーは左手、アクセルと前輪ブレーキレバーは右手です。クラッチレバーを左手で操作することでエネルギーを車輪に伝えます。左側面には左脚ステップとチェンジペダル、右側面には右足ステップと後輪ブレーキペダルがあります。
MT車の基本操作:発進
MT車の基本的な動作は、ニュートラルからクラッチレバーを握りチェンジペダルを押し下げ、ギア1速に入れてアクセルをひねってエンジンを回転させ、同時にクラッチレバーを離しながら発進です。2速ギアでスピードアップするにはさらにアクセルを戻し、クラッチを握りチェンジペダルを引き上げ、アクセルをひねって加速していきます。
MT車の基本操作:停止
停止する場合はアクセルを戻して前輪と後輪のブレーキをかけます。そしてバイクが停止する前にクラッチレバーを握り、ギア1速に戻して次の発進に備えます。教習所で指導されているはずの基本的な発進と停止であるはずですが、複雑な操作を両手両足で一度にこなしているため、ブランクがあるとできるかどうか不安になるかもしれません。
バイクのペーパードライバー講習が受けられる教習所
乗用車のペーパードライバー同様、いくら二輪免許を所持しているからといって数年間のブランクがあるのにいきなり長距離ツーリングなどできるはずがありません。レンタルバイクをレンタルしていきなり国道の峠越えは無謀です。事故にもつながりかねないので決して無理して運転はしないようにしましょう。
もちろん、レンタルバイクで交通量の少ない時間帯を見計らい、近所の道路でスタート練習やブレーキ練習をすることもできますが、やはりバイク教習のプロに指導してもらい、問題点を指摘してもらうほうが街乗りでもツーリングでも安心です。
全国各地にある教習所ではすでに普通自動車免許のペーパードライバーを対象とした、乗用車のペーパードライバー講習が普及しています。最近ではバイクのペーパードライバー講習を実施する教習所も増えています。地域によっては積雪のある1月から3月にかけては実施していないこともあるので最寄りの教習所で確認しましょう。
また、教習所ではなく民間のドライビングスクールでもペーパードライバー講習を実施しています。教習所の講習と比較すると様々なコースが用意されているのが特徴。また、民間のドライビングスクールでは出張スクールもあるので近くに教習所がなければ利用してみるといいでしょう。
まとめ
バイクのペーパードライバーの皆さん。二輪免許があるのにバイクに乗れない・乗らないのはやはりもったいないですよね。クラッチの操作もギアチェンジもできるか自信がないのであれば教習所で何度も教官にいわれたような基本的な項目を思い出しながら感覚を取り戻すためにペーパードライバー講習を利用すると安心です。
教習所のペーパードライバー講習は比較的安価なので受講しやすいでしょう。ぜひ、バイクのある生活を楽しんでください。
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